12. 北山ダム(宮川)の建設
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宮川は、長野県東筑摩郡麻績村字北山に位置し、その源を聖高原(標高1237.7m)に発し、すずらん湖に貯留後、山間部を南下し、夜舟川、大沢川と合流し、麻績川と合流する流路延長 3.8km、流域面積 7.4km2の一級河川である。
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北山ダムは、宮川の麻績村字北山地先に多目的ダムとして平成11年に完成した。松本建設事務所筑北ダム建設事務所編・発行『北山ダム工事誌』(長野県土木部・平成12年)によると、ダムの諸元は、堤高43m、堤頂長 109m、総貯水容量 21.26万m3、型式は重力式コンクリートダムである。施工者は、西松建設(株)、竹中土木(株)、北野建設(株)共同企業体で、事業費は76億円を要した。なお、移転家屋はなく、用地取得面積 1.9haとなっている。
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『北山ダム工事誌』 |
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貯水池の使用計画をみてみると、
・洪水調節は年間を通じて、標高1005.1mから標高 997.8mの間の容量 94000m3を利用して、ダムサイトにおける基本高水流量14m3/sのうち、12m3/sを調節する。 ・宮川の流水の正常な機能の維持を図るため、標高 997.8mから標高 977.5mの間の容量92000m3の 72000m3を利用して補給する。 ・水道用水として麻績村(人口約3500人)に対し、標高 997.8mから標高 977.5mの間の容量 92000m3のう ち、 20000m3を利用して、ダム地点下流 1.2kmにおいて、新たに 660m3/日(0.0076 m3)の取水を可能とする。 ・近傍ダム堆砂実績により、比堆砂量を 350m3/km2/年とし、北山ダム上流に位置する大沢ダムにより、 23100m3を確保し、残流域 0.1km2に対する堆砂容量として3500m3を確保する。
この北山ダムは、過去に数年にわたって宮川沿岸の洪水を減災し、さらに筑北地方経済の発展の礎となりうる麻績村の生活に密着したダム造りであったといえる。
以上、奈良井ダム、水上ダム、小仁熊ダム、北山ダムの四つのダムは中信地域における犀川に流れ込むダムを概観してきた。続いて長野県(事業者)が施行した、東信・北信地域の千曲川のダム建設を追ってみる。
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