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13. 古谷ダム(抜井川)の建設

 抜井川は長野県の東部に位置し、千曲川の源流に近い右支川で、その源を群馬県境の十石峠(標高1356m)に発し、西に流下して佐久町の中心部羽黒地先で千曲川に合流する流路延長17.0km、流域面積73.2km2の一級河川である。
 湾曲、蛇行し、平均河床勾配1/50の急流河川であり、抜井川沿岸では、昭和24年、34年、49年と記録的な大洪水に見舞われた。


 古谷ダムは、この抜井川の長野県南佐久郡佐久町大字大日向字下臼石地先に昭和57年にこれらの災害を防ぐため、完成した。

 長野県臼田建設事務所編・発行『古谷ダム工事報告書』(昭和57年)によると、ダムの目的は、

・ダム地点における計画高水流量 160m3/sのうち、 110m3/sの洪水調節を行い、下流抜井川平川原地先の計画高水流量 450m3/sを 345m3/sに低減させる。
・抜井川沿岸122.2ha の既成農地に対し、灌漑用水、その他の用水の補給を行うものである。



『古谷ダム工事報告書』
 ダムの諸元は堤高48.5m、堤頂長 162m、総貯水容量 220万m3、型式重力式コンクリートダムである。施工者は鹿島建設(株)、株木建設(株)共同企業体で、事業費は63.8億円を要した。補償関係は移転家屋はない、取得面積26.7haとなっている。

 古谷ダムは、昭和42年の調査開始以来、16ケ年の歳月を経て57年に完成したが、完成直後に襲来した台風10号、台風18号による洪水には、抜井川沿川においてその効果を発揮して、減災に貢献した。


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