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9.鎌井谷ダム(香宗川水系鎌井谷川)の建設

 鎌井谷ダムは、香宗川の二次支川鎌井谷川に造られた。
 香宗川は、高知県中東部位置し、高知県香我美町、野市町、赤岡町を経て赤岡地先で土佐湾に注ぐ流域面積58.8km2、流路延長20.2kmの二級河川である。
 二次支川鎌井谷川は、香宗川合流点から3kmの地点で一次支川山北川に合流し、その流域面積は1.01km2、流路延長は 1.5kmである。

 当地区は温暖な気候を示し、降雨量は梅雨期、台風期に多く、年平均降水量は2100mm、平均気温は約18℃となっている。
 この気候により山北川沿川の丘陵地帯は、県下有数のミカン産地で、河川の水はこれらの畑地へのかんがい用水や水田等、主として農業用水に利用されている。

 鎌井谷ダムは、鎌井谷川の高知県香美郡香我美町山北地先に平成10年10月に完成した。

 このダム建設について、四電技術コンサルタント高知支店編『鎌井谷ダム工事誌』(高知県南国土木事務所・平成9年)が発行され、この工事誌によると、鎌井谷ダムは、次の3つの目的を持っている。


『鎌井谷ダム工事誌』
洪水調節
 52,000m3の洪水調節容量をポケットとして設け、これによりダム地点の計画高水流量6.0 m3/sのうち、 5.0m3/sの洪水調節を行い、鎌井谷川沿川地域の水害を防除する。

・河川の維持用水
 10年に1 回起りうる渇水時においても、正常な機能の維持がはかれるよう55,000m3を
ダムで確保しておき、渇水時に補給して農業経営の安定化・近代化を図る。

・かんがい用水
 新たに13.8haの果樹園等のかんがいができるように21,000m3をダムで確保するもので
、山北地区のより一層の農業振興を図る。



 ダムの諸元をみてみると堤高27.3m、堤頂長 131m、堤体積2.56万m3、総貯水容量13.6万m3、有効貯水容量は12.8万m3、型式重力式コンクリートダムである。起業者は高知県、施工者は、竹中土木(株)四国開発共同企業体、事業費は 34.94億円を要した。主な補償は用地取得面積 3.8ha、家屋移転はなかった。

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