◇ 5. 雨山ダム(雨山川)の建設
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雨山ダムは矢作水系乙川上流部の額田郡額田町大字雨山地内を流れる雨山川に、平成9年に完成した。愛知県岡崎土木事務所編「雨山ダム工事誌」(愛知県・平成10年)によると雨山ダムの目的、諸元は次のとおりである。 @洪水調節として、30年に1回の確率で発生すると想定されるダム地点での洪水41m3/sのうち最大18m3/sを調節し、下流の洪水を低減させる。 A渇水のときに、河川維持用水、かんがい用水として貯留水の放流を行う。 B額田町に対し、ダム地点において水道水として、新たに0.11m3/sの取水を可能ならしめる。
ダムの諸元は、堤高21.5m、堤頂長160m、総貯水容量25.1万m3、型式は重力式コンクリートダムである。起業者は愛知県、施工者は清水・戸田・徳倉共同企業体、事業費は38億円を要した。用地取得面積は6.58haであった。
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雨山ダム工事誌 |
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雨山ダムは小規模生活ダムであり、愛知県が施工した第1号のダムである。この書のなかで、伊佐治敏愛知県土木部長は「小規模ダムではありますが、この完成により、流域の方々の生命財産が守られるとともに地域への安定した水道水の供給が可能となり、さらにその一部が県企業庁で施工した内陸工業団地へも供給されることで、この地域への発展に大きく貢献できる」と述べている。
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また、清水・戸田・徳倉共同企業体編・発行「雨山ダム工事記録」(平成6年)で、雨山ダム作業所鳥山忠次氏は「この水域はゲンジボタルの生息地であり、又、昔から動植物の宝庫でもある自然と歴史に刻まれたところである。作業所の目標は小規模生活ダム事業が地域住民に密着したダムなので“地域と自然にやさしいダム造り”を目指すことにした。渇水対策に関しては矢作川沿岸水質保全対策協議会(矢水協)のご指導を賜った」ことを述べ、そして、「仲間たちが、“このダムは自分で造ったんだ”という誇りと感動を持ってくれたのかなと思い一人一人の顔が目に浮かぶ。皆ありがとう!」と結んでいる。
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雨山ダム工事記録 |
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