全項目表
 
ダム番号:2086
 
島地川ダム [山口県](しまぢがわ)


11/09
ダム写真

(撮影:藤井健一)
034260 灰エース
034274 灰エース
069814 さんちゃん
069832 さんちゃん
  →フォト・アーカイブス [ 提供者順 / 登録日順 ]
どんなダム
 
世界初のRCD工法によるダム
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堤高89mの重力式コンクリートダム。建設省が世界に先駆けてRCD工法を開発し、ダム本体の内部コンクリートをすべてRCD工法で打設した最初のダム。RCD工法は1974年から建設省が中心になって研究開発。大川ダムのマットコンクリート、新中野ダムの減勢工が施工されたが、ダム本体については1978〜80年に島地川ダムで初めて施工。
[写真]工事中
国道が上を通過
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国道376号線がダムの上を通過。道路が通るのはよくあるが、国道が通るのはそれほど無いのでは。
[写真](撮影:さんちゃん)
ダム湖は「高瀬湖」
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昭和56年命名。ダム湖付近の大字名が高瀬で、ダム下流の渓谷は高瀬峡と呼ばれていたことによる。
[写真]高瀬湖(撮影:tama)
テーマページ 「理の塔、技の塔」 〜私説・戦後日本ダム建設の理論と実践〜 (6) アメリカに追いつけ、追い越せ!戦後のダム技術開発
ダムの書誌あれこれ(22) 〜山口県のダム(小瀬川・弥栄・菅野・屋代・中山川・末武川・島地川・川上・荒谷・一の坂・今富・阿武川)〜
ダムツーリング -史上最大の作戦・第二次九州/中国地方-
ダムインタビュー(55) 廣瀬利雄さんに聞く 「なんとしても突破しようと強く想うことが出発点になる」
左岸所在 山口県周南市大字高瀬字青ヶ平  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯34度10分13秒,東経131度46分31秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  向道(6km)  川上(再)(7km)  緑山池(8km)

河川 佐波川水系島地川
目的/型式 FNWI/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 89m/240m/317千m3
流域面積/湛水面積 32km2 ( 全て直接流域 ) /80ha
総貯水容量/有効貯水容量 20600千m3/19600千m3
ダム事業者 中国地方建設局
本体施工者 大林組・大本組
着手/竣工 1972/1981
ダム湖名 高瀬湖 (たかせこ)
ランダム情報 【ダムにいる鳥】国土交通省「河川水辺の国勢調査」(2000)
カイツブリ、カワウ、ゴイサギ、アオサギ、オシドリ、マガモ、カルガモ、コガモ、アヒル、ミサゴ、ハチクマ、トビ、ハイタカ、サシバ、クマタカ、ハヤブサ、ヤマドリ、キジバト、アオバト、カッコウ、ホトトギス、フクロウ、アマツバメ、ヤマセミ、カワセミ、アオゲラ、コゲラ、ツバメ、イワツバメ、キセキレイ、セグロセキレイ、ヒヨドリ、モズ、カワガラス、ミソサザイ、ルリビタキ、ジョウビタキ、ノビタキ、トラツグミ、シロハラ、ツグミ、ヤブサメ、ウグイス、センダイムシクイ、キクイタダキ、オオルリ、コサメビタキ、サレコウチョウ、エナガ、コガラ、ヒガラ、ヤマガラ、シジュウカラ、メジロ、ホオジロ、カシラダカ、ミヤマホオジロ、アオジ、カワラヒワ、ベニマシコ、ウソ、イカル、カケス、ハシボソガラス、ハシブトガラス
【コンクリートダムの工法】RCD工法
【ダムカード配布情報】H28.10.1現在 (国交省資料より作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.2
○島地川ダム管理支所 9:00〜17:00(土・日・祝日を含む)平日・休日共に管理所玄関のインターホンを押してください。
ダムカード画像コレクション
島地川ダム Ver.1.0 (2007.07)
[協力:X-DAM]
島地川ダム Ver.1.1 (2012.02)
[協力:tani]
島地川ダム Ver.1.1 (2013.07)
[協力:X-DAM]
島地川ダム Ver.1.2 (2015.11)
[協力:タマ&ピーター]
リンク DamDrive・島地川ダム(放流中)
Dam's room・島地川ダム
THE SIDE WAY・島地川ダム
ウィキペディア・島地川ダム
ダム『京』・島地川ダム写真集
ダムニュース/ダム湖美化と紅葉散策(ダム技術センター)
ダムニュース/島地川ダムで管理用発電施設を整備しました(ダム技術センター)
ダム好きさん【島地川ダム】
参考資料
■島地川ダムの合理化施工について:鈴木徳行・田中道弘・坂田俊之
【ダム日本 No.402(S53.4)】
■島地川ダムにおけるR・C・D工法について 建設省島地川ダム工事事務所工務課長 坂 田 俊 之
【第4回ダム施工技術講習会(S53.11.28)】
■R.C.D工法と島地川ダム 映画[島地川におけるR.C.D工法」上映 中国地方建設局島地川ダム工事事務所副所長 坂 田 俊 之
【第8回ダム施工技術講習会(S55.12.03)】
■島地川ダムRCDコンクリートの施工と管理:松永憲佳・坂田俊之
【ダム日本 No.440(S56.6)】
■<島地川ダム>自然環境保護対策について:松永憲圭
【ダム日本 No.443(S56.9)】
関連書籍 ■建設省山口工事事務所 『島地川ダム工事誌』 建設省山口工事事務所 1982
諸元等データの変遷 【06最終→07当初】河川名[島地川→温井川]
【07当初→07最終】かな[しまじがわ→しまぢがわ] 河川名[温井川→島地川]
【07最終→08当初】かな[しまぢがわ→しまぢじがわ]
【08当初→08最終】かな[しまぢじがわ→しまぢがわ]
【08最終→09当初】かな[しまぢがわ→しまぢ?がわ]
【10当初→10最終】かな[しまぢ?がわ→しまぢがわ]

■ テーマページ(抄) → テーマページ目次

ダムインタビュー(55)
廣瀬利雄さんに聞く
「なんとしても突破しようと強く想うことが出発点になる」

RCD工法の開発に取り組む

中野: その後、本省に戻られてから、どうしてRCD工法の開発をしようと思われたのですか。

廣瀬: 本省に行ってから、将来ダムの予算がだんだん減るのではないかと思ったのです。もし減らされた時も対応出来るような合理化策を準備しておく必要があると思い、新しい施工法の研究を開始しました。ダム建設の工程で、掘削、骨材製造、打込み、締固め、養生など全工程別に原価計算を分析してみたら、一番大きいのがコンクリート運搬でした。当時は、コンクリート運搬は、ほとんどがケーブルクレーンでした。だから逆発想でケーブルクレーンを使わないでコンクリートを運搬しようと考えて出来たのが、ダンプトラックで直送する方式でした。

中野: ケーブルクレーンにするとケーブルクレーンの設置費用のコストがかかりますが、ダンプトラックだと費用にも柔軟性がある訳ですね。コンクリートについて以前、長瀧先生、石田先生にお話しを伺ったことがありますが、フレッシュコンクリートはデリケートだからと、その上をダンプトラックが乗っても大丈夫なのという議論があったとか?

廣瀬: そうですね。ダンプトラックが上を走行しても大丈夫なコンクリートを作らなくてはと思って、いろいろ実験しました。そんな中、コンクリートに混ぜる水と圧縮強度の関係に大きな疑問でした。RCDは水を入れれば入れるほど圧縮強度が大きくなるコンクリートですが、我々が大学で習ったのは、水を入れれば入れるほど、コンクリートの圧縮強度が小さくなるということで、全く違っていました。おかしいと思って1年ぐらいいろいろ試験をやりました。それで解ったのが、普通のコンクリートは、水を入れれば入れるほど強度が小さくなる。ところが、RCDは普通コンクリートとは反対に、水を入れれば入れるほど圧縮強度が大きくなる。今使っているRCDは、水セメントの比を大きくして圧縮強度が大きくなったもの。ダンプトラックが上を走行しても品質上問題のない硬練りコンクリートとして開発されました。


新技術を試す現場がなかった

中野: RCD施工を考えられて、新しい技術を現場で実際にやることがすごく大事なことかと思うのですが、現場が在来工法で設計か進んでいたら、なかなか現場では試すことができないのではないですか。

廣瀬: 現場では実際にダムを造るまで、いろいろな試験を積み重ねるのですから、すんなりとはいきません。引き受けてくれるダムの所長がいなくて困りました。試験はあれこれと、やらなくてはならないし、新技術導入は大変だという訳です。結局、現場の所長に本省に来てもらってお願いしましたが、涙をこぼして「勘弁してくれ」というのです。理由を聞くと、部下に普通のコンクリートで設計書を1週間ぐらい徹夜させてつくらせたので、今さら新しいものを作れとは言えない、というのです。さらに、新しい工法に向けていろいろ試験するので、今までの人員で新技術をやることを部下に言えないという訳で職員を補充してくれますかということでした。

条件の悪い島地川ダムでいいコンクリートが出来た


島地川ダム (撮影:安部塁)

中野: そのとき廣瀬さんは、建設省で人員補強を指示できるお立場でしたか?

廣瀬: それは出来ないので、「ダム技術のため、建設省技術のためだから、頼む」といって、頭下げどおしで、中国地方建設局島地川ダムの現場でやってもらいました。

中野: 島地川ダムでの結果はどうだったのですか。

廣瀬: 島地川ダムは、一番RCDには適さない狭窄部でした。RCDは、広い場所で施工する工法ですから、そういう悪いところでやってもいいのかという意見もあったのですが、一番悪い条件のところで成功することが、工法を証明できるのではないかということで強行しました。
中野: RCD施工は逆転の発想から始まっていますが、現場では他に問題がなったのでしょうか。

廣瀬: 島地川でRCDコンクリートボーリングしてみたらコアに空洞あいていて、現場でも何とかしたいと考えていました。國分先生に委員長をお願いし、現場を見てもらった時、二瀬ダムで僕の部下だった者が、島地川ダムの現場主任をやっていて、ブルドーザで敷きならしてみましょうと提案されたので、やってみたら、非常にいいコンクリートになったのです。コンクリートを、かき混ぜるとか、その上を歩くというのは考えてもいなかったことでしたがよいコアがとれ、それで國分先生も安心されたのです。

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(平成27年7月作成)


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