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7.八ケ川−八ケ川ダムの建設


八ケ川ダム

 八ケ川はその源を桑塚山(標高 408m)に発し、山間部を北流し、途中定広付近から西流となり、浦上川を併合し、鳳至郡門前町を貫流し道下で日本海へ注ぐ流域面積80.4km2、流路延長22kmの二級河川である。

 八ケ川は、たびたび氾濫を繰り返しているが、昭和34年8月の集中豪雨は、死者16人、全壊家屋36戸、半壊69戸、床上浸水 415戸、田畑の流失 392ha、被害総額94.4億円に及んだ。その後も昭和41年7月、51年7月と集中豪雨に見舞われている。
 このような水害に対処するために八ケ川ダムが計画され、昭和54年4月着工し、平成7年3月鳳至郡門前町定広・地原地先に完成した。


『八ケ川ダム工事誌』

 このダム建設記録については、石川県八ケ川ダム建設事務所編『八ケ川ダム工事誌』(石川県・平成7年)がある。
 ダムの目的は、次の通り。

・ ダム地点計画高水流量 150m3/sのうち 130m3/sの洪水調節を行う。
・ 八ケ川沿線の既得用水補給、河川維持流量の確保、流水の正常な機能の増進を図る。
・ 水道用水として、門前町穴水町に対し日量7000m3/sを供給する。
・ 工業用水として能登地区に対し日量3000m3/sを供給する。

 ダムの諸元は堤高52m、堤頂長 144m、総貯水容量 313万m3、型式重力式コンクリートダムである。起業者は石川県、施工者は鹿島建設(株)、西松建設(株)、宮下建設(株)共同企業体で、事業費は 118億円である。
 なお、補償関係は、移転家屋1戸、用地取得面積37.9haとなっている。八ケ川ダムは能登地方における初の重力式コンクリートダムで、最大のダムでもある。

 八ケ川ダムは貯水池名を「ハ翠湖」と呼ばれ、周辺には公園、休憩所、展望所、親水護岸が設置されており、訪れる人に憩いの場を与えている。

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