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続いて、青森県土木部編・発行『青森県土木五十年史』(平成12年)により、小泊ダム建設の特徴について記してみる。
・ダム建設のための単独事務所が、青森県内では初めて開設されなかったこと。小泊ダムに係わる一切の事務処理は、五所川原土木事務所建設第二課河川第二係を中心として行われた。
・小泊ダムは青森県における最初の小規模生活ダムの建設であったこと。なお、小規模生活ダムは山間部や半島部などの小河川での局地的な治水、利水を目的としたダムである。
・小泊ダムの事業用地は、国有林地内であったこと。
・ダム現場が狭小なため、購入骨材の採用や汎用機械の積極的な、合理的な施工が行われたこと。骨材については、近くで入手できなく、購入骨材を利用せざるを得なかった。
・コンクリート打設は、冬期休工期間を除いた11ケ月間で 3.43万m3の打設を終えたこと。
前掲書『小泊ダム工事誌』で、青森県五所川原土木事務所の滝沢弘行、土岐勝彦両氏の論文「小泊ダムの施工を振り返って」に、
「小規模ダムである小泊ダムの施工にあたっては技術的に簡略化したということはない。他の通常ダムでもっていることを参考とした現状に則した対応により実施した……」
と、述べており、小規模ダムとはいえ、技術的には様々な調査研究がなされ施工された。 |
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