ダムツーリング8日目。この日は本州に入って最初の日。山口県西部のダム群を目指して、山陽小野田のホテルを出発しました。山陽小野田I.Cから高速に乗り小月I.Cで降りて、まずは内日ダムを見学しました。灌漑用のアースダムで下流面には階段が付いており、徒歩でダム直下まで下りられます。 内日ダム
内日ダムにて
内日ダムから県道34号線を通って内日第二ダム、内日第一ダムを見学。明治時代、イギリス人バルトン技師の調査のもと、下関市の近代水道水源地としてこの地に貯水池が建設されました。その後の水道需要増加に伴い、昭和に入って第二貯水池ダムが建設されたようです。どちらもアースダムで、取水塔や洪水吐など、とても趣があります。 内日第二貯水池ダム
内日第二貯水池ダム取水塔 第一貯水池と違い鉄筋コンクリート製 登録有形文化財に指定されている
内日第二貯水池ダム洪水吐と導水トンネル これらも有形文化財に登録されている
内日第一貯水池ダム
内日第一貯水池ダム取水塔 レンガ造りの美しい取水塔で、登録有形文化財に指定されている
内日第一貯水池ダム洪水吐 非常に趣のある形
内日第一貯水池ダムにて
内日第一貯水池ダム見学後、南に下って深坂溜池を見学。「白鳥の湖」と言うに相応しく、貯水池には白鳥が沢山いて、堤体にも白鳥の刈り込みがあります。ダム右岸には水天宮の社があります。 深坂溜池ダム
深坂溜池ダム貯水池 白鳥が沢山いる
深坂溜池ダム天端 水天宮の入口になっている
深坂溜池ダムの山を越えて西側に河内溜池ダム、その北に相刈溜池があります。河内溜池はすぐに見つかったものの、相刈溜池は雑木林に囲まれて特定できませんでした。従って更に北上して舟郡ダムを見学しました。舟郡ダムは川棚温泉のすぐ近くにあります。当日は曇り空で見えませんでしたが、天端から日本海が見えるようです。 河内溜池ダム
舟郡ダム ロックフィルダムに見えるが実際はアースダム
舟郡ダムから北上を続け、歌野川ダム、湯の原ダムを見学。歌野川ダムは洪水調節と灌漑用水確保の重力式コンクリートダムです。ダム天端は立ち入り禁止でしたが、下流側からの撮影はできました。湯の原ダムは木屋川本流にある重力式コンクリートダムで、横長のローラーゲートを5門持っています。上水道用水と工業用水の確保が目的です。 歌野川ダム
歌野川ダムにて
湯の原ダム 5門の横長ローラーゲートが並ぶ
湯の原ダムにて
湯の原ダムから木屋川を遡り、木屋川ダムを見学。古びた味のある堤体です。ダム湖である豊田湖では釣りやボート遊びなどが楽しめます。 木屋川ダム 古びた味のある堤体
木屋川ダム管理所 後ろに見えるのは貸ボート小屋で、豊田湖では釣りなどが楽しめる
木屋川ダムにて
木屋川ダム見学後更に北上して大坊ダムを見学しました。洪水調節用のダムで、ダム湖名は赤滝湖といいます。その西隣には阿惣ダムがあります。灌漑用の重力式コンクリートダムで、ダムサイトには、山口県きらら博で使用された「きらら花時計」を移設してあります。 大坊ダム
阿惣ダム
阿惣ダムサイトにある「きらら花時計」 山口県きらら博で使用されたもの
阿惣ダム見学後、みのりロードと呼ばれる農道に出て、大江大正池を探しましたが見つからず、西に進んで牛ヶ迫池ダムを目指しました。灌漑用のアースダムで天端からの眺めは良いです。 牛ヶ迫池ダム
牛ヶ迫池ダム天端より
牛ヶ迫池ダムから今度は東に進んで、有宗ダム、門前堤ダム、狩音ダム、畑ダムを続けて見学しました。 有宗ダムは灌漑用の重力式コンクリートダムで、導流部は水蘚でヌルヌルしています。門前堤はやはり灌漑用アースダムで、最近改修されたようです。狩音ダムも灌漑用です。畑ダムも灌漑用のダムですが、以前は砂防ダムだったのではないかと思われる痕跡が見受けられます。洪水吐を赤く塗られた橋が跨いでおり、これが良いアクセントになっています。 有宗ダム
有宗ダムにて
門前堤ダム
狩音ダム
狩音ダムにて
畑ダム 砂防ダムのように見える
畑ダムの洪水吐を跨ぐ橋 赤く塗られた欄干が良いアクセントとなっている
次に阿武川ダムへ向かうべくルートのチェックをしていると、地図上で湯免ダムが目に入りました。阿武川ダムに向かう方向なので、ついでに寄ってみることにしました。計画時に見逃していたダムです。湯免ダムは思った以上に特徴がありました。洪水調節と上水道用水確保の目的を持つ湯免ダムは重力式コンクリートダムで、左右の両岸は少し屈曲しています。さらに洪水吐の導流壁を持たない構造であることがわかりました。 湯免ダム 洪水吐導流壁を持たない、すっきりした下流面
湯免ダムダム湖側より 両岸が少し屈曲している
湯免ダムにて
湯免ダムを見学したために多少時間をロスしましたが、めげずに次の阿武川ダムへ向かいました。阿武川ダムは山口県所有の洪水調節および発電用重力式アーチダムです。今まで中国電力鰹蒲Lのものとずーっと勘違いしていました(汗)。下流正面から撮影する場所にも行けたのですが、この時点で午後5時を過ぎており、時間の関係上早々に次の佐々並川ダムへ向かいました。 阿武川ダム
阿武川ダムにて
阿武川ダム湖から続く道の先に佐々並川ダムはあります。ダムまでは物凄い断崖の中を縫うように細い道が続いています。ガードレールの無い部分や落石もあり、恐る恐る進んで、漸く佐々並川ダムに辿り着きました。足がすくむほどの断崖からダムを見下ろすと、これまた凄い薄さのアーチダムが見えます。 佐々並川ダム
右岸より見下ろした佐々並川ダム 今まで見たアーチダムの中でも群を抜いた薄さ 断崖の高さと、この薄さで大丈夫か?という二重の不安が 恐怖感を増す
佐々並川ダムを後に県道10号線を抜けて一路山陽小野田のホテルを目指しました。この県道10号線というのが曲者で、段々細くなって、轍しかアスファルトが露出していないような酷い道になりました。国道262号線に出て快適に走行できるようになり、一度コースの確認をするためにバイクを止めて地図をチェックしていました。近くに明日以降に回る予定の荒谷ダムがあります。もうすぐ日没なのですが、行ってみることにしました。県道196号線の急な坂を下りていくと、荒谷ダムが姿を現しました。ダムの下流側に橋が掛かっており、ここから撮影できます。 荒谷ダム
荒谷ダムにて
こうして漸くこの日のダム巡りを終了。中国道山口I.Cから高速に乗って、山陽小野田まで帰りました。後半にきての佐々並川ダムまでの道と県道10号線の凄さに疲れ果て、コンビニ弁当を食べて爆睡しました。
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