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この書によると、花貫ダムは4つの目的をもって造られた。 (1) ダム地点の計画高水流量410m3/sを205m3/sに調節することにより、沿川の被害を軽減する。 (2) 不特定用水(既得農業用水面積278.2ha)として、1.172m3/sを供給する。 (3) 既得工業用水として0.694m3/sを供給し、新たに高萩市工業用水として0.232m3/sを供給する。 (4) 水道用水として0.104m3/sを供給する。
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ダムの諸元は堤高45.3m、堤頂長223.6m、堤体積17.3万m3、総貯水容量288万m3、型式は重力式コンクリートダムである。起業者は茨城県、施工者は株木建設、事業費は25億円を要した。なお、用地取得面積は23.1haである。
前述の花貫ダムの著者柏義夫氏は、あとがきで次のように述べている。 「花貫川の上流にダム建設されることを知り、社会科の教材になるのではないかと思い、建設の始まる前から完成までカメラで追い、時折授業に使用する程度であったが、今、人々に忘れ去られようとしているダム建設のドラマを市民の方々に少しでも知ってもらえばと思い写真集にまとめることにしました。」
花貫ダム完成以来35年が過ぎようとしているが、今日では、この書は貴重なダム造りの資料となっている。なお、花貫ダムから太平洋の海が見える。海が見えるダムも珍しい。
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