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◇ 6. 小山ダム(大北川)の建設

 大北川は、その源を常陸太田市(旧里美村)三鈷室山標高876mに発し、木皿川、花園川などを合流しながら東に流れ下り、北茨城市磯原町において太平洋に流れ込む流域面積195.5km2、流路延長22.17qの二級河川である。

 小山ダムは高萩市大字横川地先に、平成17年に完成した。熊谷・株木・鈴縫特定建設工事共同企業体編・発行「小山ダム本体工事 工事誌」(平成17年)によれば、このダムは4つの目的をもって建設された。

(1) ダム地点において最大流量880m3/sのうち690m3/sをダム湖に貯水し、190m3/sを放流することによって沿川の被害を軽減させる。
(2) ダム下流の川にすむ生き物や河川景観のための流水の正常な機能を図る。
(3) 水道用水として0.326m3/sを供給する。
(4) 工業用水として0.374m3/sを供給する。

 ダムの諸元は堤高65m、堤頂長462m、堤体積53.1万m3、総貯水容量1 660万m3、型式重力式コンクリートダムである。起業者は茨城県、施工者は熊谷・株木・鈴縫特定建設工事共同企業体、事業費は460億円を要した。なお、補償関係は用地取得面積122.35ha、水没戸数15戸であった。


小山ダム本体工事 工事誌
 前述の「小山ダム本体工事 工事誌」のなかで、小山ダム作業所長高木秀和氏は無事工事を完了できた喜びについて、次のように述べている。
 「10年前仮排水路トンネルの掘削から着手した本体工事は、我々に多くの経験と課題を与えてくれました。左岸遮水壁工事水平多軸工法での着岩部・転石掘削、RCD工法への高炉セメントの採用、マサ化の進んだ花崗岩部の基礎処理工などは、特に今回の工事での多くの技術的試練を与えてくれました。そうした試練を乗り越えることで多くの技術者が育っていったと感じます。」

 このような高木所長の言葉は、小山ダム建設従事した技術者たちが、また新たなダム現場に挑む心意気を感じさせてくれる。こうして我が国のダム技術は益々向上していくことになる。

 小山ダムの堤高65m、堤頂長462m、堤体積53.1万m3、総貯水容量1 660万m3は、全てが茨城県第一位を誇っている。



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