◇ 15. 長崎県ダムのまとめ
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長崎県のダムは明治以降平成19年までに、ダム再開発事業を含めると、延92基に及ぶ。次のようにまとめてみた。
@ 時代区分別では明治期6基、大正期15基、昭和初期(元年〜20年)13基、昭和中期(21〜40年)7基、昭和後期(41〜63年)31基、平成期(元年〜19年)20基となっている。 A ダム再開発事業は下の原ダム、萱瀬ダム、池田ダム、狸ノ尾溜池、西山ダムの5基が完成し、本河内高部ダム、本河内低部ダムの2基は平成21年の完成予定である。長崎県は地形上、地質上の観点からダム適地が少なく、再開発事業のウエイトが高い。 B ダムの型式はアース式42基、重力式コンクリートダム48基、ロックフィルダム2基である。 C ダムの用途別では農業用水38基、水道用水13基、洪水調節1基、洪水調節・不特定用水12基、水道用水・農業用水7基、水道用水・洪水調節4基、水道用水・洪水調節・不特定用水16基、洪水調節・不特定用水・工業用水1基となっている。洪水調節を含むダムは34基、水道用水を含むダムは36基であって、長崎県は洪水調節と水道用水を目的としたダム造りが顕著にあらわれている。 D ダムの事業者別では長崎県47基、長崎市4基、土地改良区等25基、佐世保市8基、大村市3基、松浦市2基、平戸市1基、香焼町1基、時津町1基となっており、国の機関のダムはない。 E ダムの堤高は15〜20m27基、21〜30m35基、31〜50m25基、51〜70m5基となっている。 堤高ベスト3は 1 萱瀬ダム (再開発) 65.5m 2 笛吹ダム 59.8m 3 鳴見ダム 53.5m である。 F 総貯水容量別では2〜50万m350基、51〜100万m317基、101〜300万m320基、301〜500万m32基、501〜700万m33基となっている。 総貯水容量のベスト3は 1 神浦ダム 684万m3 2 萱瀬ダム (再開発) 681万m3 3 目保呂ダム 540万m3 である。 G 長崎県の地勢は地質的に複雑で、多良山系や島原半島は透水係数が高いため、ダム建設には適した地質でなく、また県北地域は炭坑跡地が多いため、ダム建設には適していない。 H 長崎県は多様な水資源の確保をおこなっている。例えば海水淡水化施設の設置、地下ダムの活用、再生水(中水)・雨水利用の推進、さらに県民の節水意識の高揚を図っている。 I 農業用ダムとして建設された富江町の繁敷ダムにおいて、流域の農業形態の変化に伴い、不用となった農業用水を平成14年7月に生活用水に転用し、用水間の水融通の促進を図った。
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