「土木 a la mode」は、土木学会・社会コミュニケーション委員会の企画によるトークサロン。土木に関連する幅広い視野から旬の話題を取り上げ、ゲストをお招きしてお話を伺う企画です。 今回、初の開催で取り上げるのは、ユンボやパワーショベルといった建設機械のオペレーターやダンプカーの運転手といったバリバリのガテン系から、設計や構造計算といった土木系の職種で働く女子、いわゆる“ドボジョ”です。とは言え、ずばりそういった職種に就いているご本人たちにご登場いただく前に、まずは漫画のキャラクターとして描かれたドボジョについて、『目には星がキラキラと輝いている少女マンガの世界にあって、どちらかというと地味で汗臭い土木女子がどういうワケで登場したのか?』や、編集部に寄せられた読者アンケートの生の声などなど、編集者の方が知っている土木マンガの裏側のお話を伺うことで、土木系女子の活躍の場の広がりを考えてみたいと思います。
タイトルとなっている「ドボジョ!」は、とある寅年の4月生まれの女性漫画家、松本小夢さんの作品で、講談社「Kiss +」というヤング女性向け恋愛コミック誌に連載されていたもので、後に3巻構成の単行コミックスとなって発売されています。 ヒロインは、五人兄妹の末っ子として生まれた“宗助桜子”。母親が、自分を産んでまもなく亡くなった為、父と四人の兄たちから蝶よ花よと大事にされて育ち、女子高、短大から銀行員へと家族の期待通りの人生を歩むはずだったが…自分が本当にやりたい仕事は何なのかを迷い悩み続けていた。そして迎えた銀行の入社日、出勤途中で偶然目にした建材会社の募集広告に、子供の頃から見続けていた、建設現場で働く父親の姿にあこがれていたこと。大きな機械を操り、完成した後、人々が喜ぶような大きなモノを造る仕事をしたいという気持ちを抑えきれず、出社せずに飛び込んでしまう。 建設機械や資材に囲まれ、荒々しい先輩職人の厳しい指導にくやしい思いをしつつも、安全第一で納期厳守、ひたすら社会の下支えとして無名の現場スタッフとして働き、人間として育っていく土木女子の姿が生き生きと描かれています。もちろん、出会った当初、背の高い桜子のことを、男と勘違いしていた業界のイケメンとの恋模様も織り交ぜて、ユニークな人間交流の輪が広がります。
今までとはまったく違った視点から土木を見て、なぜそうなのかを考えてみることで、新たな土木の可能性や仕事の広がりを捉えていただけるのではないかと、社会コミュニケーション委員会では期待をしています。 年度末のお忙しい時期ではありますが、皆さんもぜひ「ドボジョ」の世界に触れてみませんか。ご参加をお待ちしております。
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