《このごろ》
ダムナイト7〜ダムの話しかしません。

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 2015年7月20日、お台場の東京カルチャーカルチャーでダムナイトがあった。今回は7回目で、「ダムの話しかしません。」と言うタイトルがついている。最初のダムナイトがあったのが2008年4月。長く続き、相変わらずの人気には驚くばかりだ。

 いつも通り、場所はゆりかもめの青海駅近く、大観覧車の下にある東京カルチャーカルチャー。5時からの開場なので、5時少し前に行くと、既に客がだいぶ並んでいる。入口の看板には、「当日券アリ!\2,600」とあるが、前売りでほとんど満員のように見えた。


大観覧車


大観覧車の下、右側が東京カルチャーカルチャー


Zepp Tokyo とある文字の下に並んで待つ客が相当数


入口には手書きの看板、これは黒部ダム?

 5時をわずかに過ぎて、開場。前売り券には番号がついていて、その番号の順に入場。最初は1番から5番まで、次に6番から10番まで、と言ったように。中に入ると、席は自由席。開演は6時だが、1時間前にほぼ満席。開演前に、飲み食いして、グッズを買って、時間を使ってくださいと言うこと。席についてまもなく、カルカルの人が「基本的にここは飲み屋です」と。


入場開始


それぞれに席に着く

 入口脇でグッズの販売をしていたが、そこに人だかり。数に限りがあるので、人気のグッズを我先にと買い求める光景が見られた。主な物は庄嶋さんの空撮DVD、マニアパレルのダム図面手ぬぐいとTシャツ。目立ったのがダム図面手ぬぐいで、本物の図面がデザインされている。


空撮のDVD


Tシャツ


八ッ場ダムのダム図面手ぬぐい


開くとこうなる、ゆかたにぴったり

 そうこうするうちに、6時になり開演。本日の出演は、著名なダム好きの3人。萩原雅紀さん、だいさん、琉さん。冒頭萩原さんが、このイベント初めての人どのくらいいるかな、手を上げてと呼びかけると、ざっと見て半数の人が手を上げたように思う。意外と初めての人が多い。ダムナイトも初期の頃は常連さんが多かった。会場を眺めるとあちこちに知った顔が見えるという風だったが、今回はちらほら。ダム好きの裾野が広がったならうれしい。飽きられたと言うことはないだろうが。


左から萩原雅紀さん、琉さん、だいさん

 乾杯をして、いよいよトークショーが始まる。はじめは、型式の説明というか、型式ごとに、写真をそれぞれが適宜示して、語り合う。この3人が話すと延々と続きそうな雰囲気で、結局、ダムはいい、かっこいいという話になる。3人が映し出す写真の撮り方がうまくて、こちらもそのかっこよさに納得。型式の説明は知っている人は知っているし、知らない人は・・・?コンクリートダムの型式が終わったところで、休憩。


どの写真も魅力的


休憩中の会場風景


出演者は休憩中も真剣に打合せ?

 続いてフィルダム。アースダムの説明のところで、だいさんが、日本一美しいアースダムは北海道の羽幌ダムだと言ったのが印象に残った。だいさんは今回トークショー初出演。始まる前に奥様が会場の隅で心配そうにしていて、始まるとツイッターでがんばれと激励。それを知ってか知らずかだいさんは出だしから快調、とても初めてとは思えなかった。


羽幌ダム


羽幌ダム、上の写真とは違うが雰囲気がわかる(撮影:だい)

 型式別が終わり、次はそれぞれ持ち寄ったネタをプレゼンテーション。最初に萩原さん。2014年11月と2015年7月に八ッ場ダムを見学してきた、その様子を紹介。水没地の様子、鉄道、集団移転地、仮締め切りの工事、堤体掘削など全般的なレポートで、八ッ場ダムの状況がよくわかる。いつもながらの緻密な構成と軽妙な語り口が聴衆をとらえ、発破や大きな岩が落ちる現場の動画が迫力があった。同じ内容のものが、デイリーポータルZ「八ッ場ダムはいまどうなっているのか」にアップされているので、詳しい内容が知りたい方はそちらどうぞ。

 次に「秘境のダムのおっさん」だいさんがプレゼンテーション。だいさんと言えばアースダムと言うことで、大部分がアースダム、すなわち溜池の話。山に分け入って、位置未確認ダムを探した。たとえば岡山県の吉川池。道なき道を分け入ってやっとたどり着いた。位置確認済みに。位置未確認ダムが一番多いのは長崎県。全国でまだ73(建設中も含めると108)もあるので、みんなで探そうと、ありがたい呼びかけまでしていただいた。


吉川池、地図では候補地がわかっていた


現地に到達するためここから分け入った

 ダム便覧も位置探しには苦労していて、だいさんのような方々の協力があってやっとここまで減らすことができた。何でそんなことがわからないのかと思うかもしれないが、10年前には建設中を含めて600を超えていたので、ここまで来たことにある種の感慨を覚えるほどだ。あと73しかない、徐々に少なくなるので、早くしないと位置探しの醍醐味は味わえなくなるかもしれない。

 このあと、「溜池洪水吐コレクション」と題して、珍しい例を写真で紹介。以下にそのいくつかの写真を掲載する。これらはだいさんのプレゼンテーションにあった写真ではないが、状況はつかめる。


大野池(大阪府)、ラビリンス型洪水吐(撮影:だい)


逆瀬池(香川県)、洪水吐に不思議な穴(撮影:だい)


千石池(富山県)、越流部に水槽(撮影:だい)


大関堰(千葉県)、気軽なダム穴(撮影:だい)

 そして次は「かっこいい溜池」。これも同様に写真で。確かにかっこいい。


江畑溜池堰堤(山口県)(撮影:だい)


山田池(兵庫県)(撮影:だい)

 最後は、琉さん。「DISCHRGE」と題して、中身は放流設備の説明。ゲート・バルブ、自然越流式洪水吐。ダム好きは、最初放流が好きになって、それからゲート、バルブなどの設備に興味を持っていくというのが一般的だと思うが、その流れに乗った物だろうか。結構高度で、非常にためになった。一方で美しさのある写真がすばらしかった。そういえば、琉さんのいでたちは今日は和服。いつも服装で楽しませてくれる。


余地ダム(長野県)の洪水吐

 最後時間がなくなってしまって、忙しかったが、9時頃無事終了。2次会をやるようだが、終電も心配だし、すぐに帰宅。


(2015.7.22、Jny)
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