平成21年5月5日(火)18時から、東京お台場のイベントハウス「東京カルチャーカルチャー」にて、ダムマニアのカリスマ萩原さんほか、多くのダムマニアが集結して行われたトークライブを見てきました。 ほぼ一年前にも、同じ場所を埋め尽くしたダムマニアの熱気に圧倒されましたが、今年も再びお台場にダムマニアが集結。浦山ソーダ(桜のリキュールとトニックのカクテル)も登場し、開演前から和んだ雰囲気で盛り上がりそうでした。
今年もお台場でダムナイト |
桜が入っている浦山ソーダ |
第2回目となる「ダムナイト」もほぼ満席(100名程度)の状態で、参加者の年齢層は、20代〜30代が大半。女性は前回より多いようでした。
会場風景(開演前) |
書籍などの販売も |
イベント内容を簡単に紹介してみます。 トークメンバーは、ダムマニアとしてはお馴染み萩原さん(ダムサイト)と、ダム日和のtakaneさん、Damjapanの琉さん、そしてゲストとしてダムのプロフェッショナル、鹿島建設(株)からダム工事総括管理技術者会(CMED会)会長でもある高田さんが出演。
はじめに、萩原さんが、「ダムとは」河川法でいう15m以上の構造物という解説から、ダムの種類をコンクリートダム(重力式、中空重力式、アーチ式、重力式アーチ、バットレス式)、フィルダム(中央土質遮水壁型、表面遮水型、表面遮水壁型、アース)、放流設備(自然越流式、ローラーゲート、ラジアルゲート)についてダムの写真を見せながら。わかりやすく解説。
次に、ダムマニア三人による「おすすめダム巡り」のコースを紹介。 萩原さんは、関東ダムの聖地:奥利根を中心に、小森、藤原、須田貝、矢木沢、奈良俣のダムを紹介。琉さんは、梓川流域:稲核、水殿、奈川渡、高根第一、第二、セバ谷、秋神、朝日、久々野の小さくて可愛いダムの紹介。takaneさんは、群馬県吾妻方面:中之条、四万川、ダムとしては機能していないが、名水としても有名な箱島堰堤跡も紹介。
それぞれダム巡りコースの紹介となり、続々登場するダム写真に、会場もすぐさまヒートアップしていきました。構造別などそれぞれに特徴あるダムを丁寧にピックアップしていて、いつもながら皆さんよく知っているなぁ、楽しんでいるなぁという感じです。
萩原さん |
琉さん |
takaneさん |
高田さんも参加。あの型枠が大変だった・・・ |
次いで、高田さんによる宮ケ瀬ダムについてのお話。本格的に話せばとても長くなるダム工事の流れをポイントごとに工事誌の写真を使ってカンタンに解説。各工程にどういう役割があるかの解説と、それにまつわるいろいろな工事の工夫について、素人の方にもわかりやすくお話されていました。平成10年6月の宮ケ瀬ダムの試験湛水の写真は、萩原さんから、こんな放流が見たかった!と歓声が上がるほどのスケール感でした。なかなか見ることのできないダム工事特有の酒樽を川に流す転流式、定礎石を埋める定礎式の様子などの写真に会場からどよめきが起こっていて、ダム現場を身近に感じていただけたようでした。高田さんからは、ダムマニアは完成したダムの見学が中心だが、施工中のダムはCMED会のHPから見られるので、是非見て下さいとのコメントもありました。さすが、プロの説明は説得力ありました。
宮ケ瀬ダム工事誌の写真を使って解説 |
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CMED会のHPを紹介 |
前回もそうでしたが、会場には男性ばかりではなく若い女性の姿も数多く見受けられました。入場する際に渡されたダムドリルの答え合わせのコーナーでも、他を圧倒して断トツに正解していたのは若い女性、しかも学生さんでした。こんな方がいるなんてとても心強く感じました。会場は、全問正解の彼女への賞賛の拍手でますます盛り上がりました。
入場する際に渡されたダムドリル |
若い女性の姿も |
ドリルの答え合わせと休憩をはさんで、ダムマニアによるプレゼンテーションへと突入。
まずは、takaneさん、「貯水池に目を向けよう」 ダム湖は、何故手つかずのままのところがあるのか?もっとダムの周りに気を配ってほしいと。
萩原さんは、「2009年愛されダム」 アンケート型式で、理想のダムを調べてみた。 型式:重力式、アーチ、ロックフィル、バットレス 非常用洪水吐の数:1門、2門、3〜5門 ゲート:ローラーゲート、ラジアルゲート、フラップ、センターゲート 好きな型式・ゲートの形、種類、数を決めると理想のダムがわかるという。皆さんが選んだのは、アーチ式で非常用洪水吐のゲートの型式がラジアルゲートで3〜5門というシンプルなダム。それに最も近い宮崎県の上椎葉ダムが「2009年愛されダム」ベストダムに選ばれ、会場の皆さんとも意見が一致したようでした。
貯水池に目を向けよう(takaneさん) |
上椎葉ダムが「2009年愛されダム」(萩原さん) |
琉さんは「ダムマニアの心理」 大変な思いをしてダムを見に行くと、天端に入れない、放流しているのに一部しか見ることができない、キャットウォークが見られない、とかいろんなことに遭遇しますが、そんなことがあっても見に行きたい。最後にダムって面白いですよ。ふはは。「ダムマニア」の気持ちが皆さんにわかってもらえたかな〜と。本音を。
ダムマニアの心理(琉さん) |
終了後もにぎわって |
「ダムナイト」は予定時間をオーバーするほどヒートアップしましたが、今回は高田さんというプロの出演もあって、ダムの魅力がより拡がって伝わったように思えました。
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