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■川井堰堤の施工

 川井堰堤工事は,平成15年12月2日に着手し、16年3月31日転流、17年5月23日堤内仮排水路閉塞ゲート設置、17年8月2日に竣工した。

CSG母材】

 CSG母材には、堰堤より下流右岸側の河床砂礫を使用した。母材の岩種は凝灰岩を主体とする円礫と角礫である。


 
【母材採取・選別】

 母材の採取はバックホウ(0.6m3)を使用し、ダンプトラックで母材選別設備まで運搬した。母材の選別は、
簡易式の傾斜グリズリを使用した。

母材の採取
 

母材の選別
CSG材の貯蔵】

 CSG材の貯蔵設備は、母材採取地A-1地区の上流側に隣接して設けた。貯蔵管理は表面水量に重点を置き、秋季
には降雨対策としてストックヤードをシートで覆った。しかし、台風等によりシートの合わせ目から雨水が浸入し、表面水量が単位水量を超えた場合はバックホウによる曝気を実施した。

CSG材のシート養生
 

CSG材の曝気
CSGの製造】

 CSGの製造には、重力と動力のエネルギーを利用する連続式ミキサ(DKPミキサ、公称能力100m3/h)を搭載する設備を使用した。

CSG材投入状況
 

CSG混合プラント全景
【仕上掘削・岩盤清掃】

 川井堰堤基礎岩盤は、安山岩質凝灰角礫とそれに貫入するひん岩からなり、バックホウ(0.6m3,1.0m3)と大型ブレーカによって掘削を行った。止水コンクリートの岩着面は、止水性を確保する上で重要であるため、コンクリートダムと同様に厚さ50cmの仕上掘削を行った後に、入念に岩盤清掃を行った。CSG部についても、通常の岩盤清掃と同程度の水洗い+バキューム吸い上げまでの清掃を実施した。

止水コンクリート部仕上掘削

止水コンクリート部岩盤清掃
CSG部の岩盤清掃
 

CSGの運搬】

 CSGの運搬はダンプトラック(10t)直送方式を採用した。運搬距離は約200mであり、ブルドーザの敷
均し能力と運搬能力を考慮して常時2台のダンプトラックを配置した。


打設面上のCSG運搬
岩着部打設

 川井堰堤CSGは、1リフトの厚さ50cmを25cm×2層で敷き均すことを基本計画とした。
 河床岩着部は、小型施工機械と人力で施工を行った。CSGの敷均しは排土板付きのミニバックホウを使用した。また,凹部に大粒径材が集中しないよう、人力で大粒径材を除去したCSGを使用した。CSGの締固めは振動ローラで行った。
 アバット部は、岩着面から約2mの範囲を0.25m3バックホウと7t級ブルドーザで敷き均した。締固めは、岩着面から1mの範囲を1層25cm毎に60kg級ランマと1t級振動ローラで行った。岩着面から1m以上離れた範囲は、1層25cm×2層敷均し後に、11t級振動ローラで締め固めた。

岩着部の施工
 

60kg級ランマによる岩着部締固め
【一般部の打設

 CSGは7tブルドーザで1層の厚さ25cmで2層敷均し、11t垂直型振動ローラ(SD451)で厚さ50cmを無振動2回,有振動6回で締固めた。
 転圧完了後の表面は、11t振動ローラの転圧作業によって生じた境界部の不陸をならす目的で、4t振動ローラによって平滑に仕上げた。


一般部CSG敷均し
一般部CSG締固め
 

4t振動ローラによる表面仕上げ
【上下流面処理】

 CSGの上下流面処理方法は金網型枠を用いた階段状とした。型枠際は大型機械での施工が困難なため、幅1m間は0.25m3バックホウと人力にて1層25cmで敷均し、各層1t級振動ローラにて4回転圧を行った。


CSGの階段状の処理(上流面)
型枠際の敷均し
 

型枠際の1t級振動ローラによる締固め
養生

 CSG打設(表面仕上)完了後、表面乾燥防止のため、全面をブルーシートで覆い養生を行った。


シートによる養生

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