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■史上最大の作戦

2006年夏の九州ダムツーリングは、不完全なものに終わってしまいました。日程的にも厳しく、パンクや台風の襲来もあり、熊本県や、ダムの集中している佐賀県・長崎県を回ることができなかったのです。従って2007年のダムツーリングはまず九州の残りを制し、その後中国地方を回ることにしました。折しも今回は勤続20年のリフレッシュ休暇が使えます。今回はG.Wと合わせて2週間の長期休暇を利用、今までに無い壮大なダムツーリング計画を立てました。今回は初の、九州地方と中国地方の大規模両道作戦となりますが、長崎県と佐賀県はダムが集中しているため、1日に20基近くは見ることができるだろうという楽観的な見方をしていました。日程を全てこなせば280基以上という無謀な計画を立てていたのです。

しかし、そんなに甘くないのがダム巡り。天候や道路状況、その日の体調にも左右されます。計画を立てていくうち、残った九州の三県を回るだけでも相当な期間を要することがわかりました。計算では、最低でも6日間(1日20基以上ペースとして)以上は必要です。これでは中国地方のダム数が減ってしまいアンバランスな感じがしますが、まずは自宅から遠い九州地方をしっかりと押さえ、中国地方でもやはり自宅から遠い山口・島根・広島の方に重点を置き、鳥取や岡山はできる限り回って、第二次計画に繋げることにしました。九州地方は昨年回りましたが中国地方のダムはほとんどまわっていないため、なんとかならないかなぁ・・・と思っている最中に広島方面への出張が入りました。チャーンス!とばかりに広島東部のダムを攻略する計画を練り、事前調査を行うことにしました。月曜からの仕事なので、土日がダム巡りに使用できます。事前調査では20基程のダムを予定。台ダムなどの島にあるダムや、福山から広島の間にあるダムを見ておけば、後のダム巡りが少しは楽になります。また、その土地の道路状況や時間勘定の参考になります。

さて、そんな感じで計画を立てているうちに肝心なことを忘れていました。フェリーの予約です。気づいて電話した時にはもう遅く、満員でフェリーは使えません。今回は全工程を陸路で走破することを決心しました。よくコース取りを考えて次のような予定を立てました。
赤字は行けなかったダムです。

広島方面事前調査

4月10日寝台急行銀河にて出発
4月11日新大阪着
新大阪発ひかりレールスター
福山着
トヨタレンタリース福山発  
瀬戸池ダム(小堰堤  
光林寺池ダム   
熊野貯水池ダム  
八日谷貯水池ダム  
台ダム  
上浦ダム  
栗原ダム  
久山田ダム  
市畑大池ダム  
梨成大池ダム 予定変更
御調ダム  
東広島泊 合計9基

4月12日
東広島発  
千足池ダム  
第二千足池ダム  
昭和池ダム   
野呂池ダム   
二級ダム   
黒瀬ダム  
深道池ダム  
大久保ダム  
並竜寺池ダム(小堰堤)  
クロボヤ池ダム  
椋梨ダム  
三川ダム  
八田原ダム 見学時間を過ぎていたため
山田川ダム  
目谷ダム  
京丸ダム  
東広島泊 合計14基

ダムツーリング 第二次九州・中国地方
4月26日自宅23:50発
4月27日博多19:00着
4月28日
博多発  
南畑ダム  
脊振ダム  
神篭池ダム  
北山ダム  
嘉瀬川ダム(建設中)   
天山ダム  
下田ダム  
厳木ダム  
岸川ダム  
八丁池ダム  
北浦ダム 予定変更
伊岐佐ダム  
肩山ダム 特定できず 
平木場ダム  
平木場副ダム 新規追加
後川内ダム  
朝月溜池ダム  
藤の平ダム  
上倉ダム  
赤坂ダム  
長浜ダム(小堰堤 4月29日に予定変更
嬉野温泉泊   

4月29日
嬉野温泉発   
松山田溜池ダム  
笛吹ダム  
郭公尾池ダム   
久吹ダム  
箕坪ダム  
桜川ダム  
落木場溜池ダム  
山頭溜池ダム  
生月1号池ダム  
池ノ上第一溜池ダム 発見できず
池ノ上第二溜池ダム 発見できず
西大阪池ダム  
樋口ダム  
つづらダム 4月30日に予定変更
菰田ダム  
山の田ダム  
相当池ダム  
転石ダム  
川谷ダム  
下の原ダム  
猫山ダム 4月30日に予定変更
佐世保泊  

4月30日
佐世保発  
伊佐の浦ダム  
雪浦ダム  
神浦ダム  
鳴見ダム   
中山ダム  
久留里ダム   
長与ダム  
伊木力ダム  
土師野尾ダム 5月1日に予定変更
小ヶ倉溜池ダム 5月1日に予定変更
中尾ダム  
小ヶ倉水源地ダム  
鹿尾ダム  
落矢ダム 5月1日に予定変更
黒浜ダム 5月1日に予定変更
高浜ダム 予定変更
宮崎ダム 予定変更
本河内高部ダム  
本河内低部ダム  
西山ダム  
浦上貯水池ダム 予定変更
長崎泊  

5月1日
長崎発  
杉谷溜池ダム   
重尾溜池ダム  
別所ダム  
原溜池ダム 特定できず
建山溜池ダム 特定できず
西の尾溜池ダム 特定できず
船津ダム  
田原溜池ダム(小堰堤)  
山茶花溜池ダム  
山の神溜池ダム  
大浦ダム  
中木場ダム  
萱瀬ダム  
狸の尾溜池ダム  
池田貯水池ダム 立ち入り禁止
大多武溜池ダム 予定変更
重井田ダム 予定変更
城田ダム 予定変更
中山ダム 予定変更
岩屋川ダム 5月2日に予定変更
横竹ダム 5月2日に予定変更
花取ダム 5月2日に予定変更
笹原ダム 予定変更
伊万里泊   

5月2日
伊万里発  
庭木ダム  
矢筈ダム  
野々川ダム   
江永ダム   
古木場ダム   
狩立ダム  
日の峰ダム  
犬走ダム(小堰堤)  
踊瀬ダム(小堰堤) 小堰堤のため撮影せず
渕の尾ダム  
永池溜池上池ダム 下池を撮影していたため
朝日ダム(小堰堤)  
天ヶ瀬ダム  
繁昌ダム  
本部ダム  
都川内ダム  
竜門ダム  
白川ダム  
都川内ダム  
熊本泊  

5月3日
熊本発  
天君ダム  
塚瀬ダム(小堰堤)
 
緑川ダム  
緑川補助ダム  
内谷ダム  
石打ダム  
教良木ダム  
上津浦ダム  
五和ダム  
志岐ダム  
都呂々ダム  
亀川ダム  
楠の浦ダム  
赤木ダム(砂防ダム)  
第二ヤイラギダム  
第一ヤイラギダム  
姫の浦ダム  
山陽小野田泊  

5月4日
山陽小野田発  
相刈溜池ダム 特定できず
河内溜池ダム  
深坂ダム  
内日第一貯水池ダム  
内日第二貯水池ダム  
舟郡ダム  
歌野川ダム  
湯の原ダム  
美祢ダム 5月5日に予定変更
木屋川ダム  
大坊ダム  
牛ヶ迫池ダム  
大江大正池ダム 特定できず
阿惣ダム  
有宗ダム  
門前堤ダム  
狩音ダム  
畑ダム  
湯免ダム 新規追加
阿武川ダム  
佐々並川ダム  
山陽小野田泊  

5月5日
山陽小野田発  
秋山溜池ダム 新規追加
一の坂ダム  
荒谷ダム 5月4日に予定変更
生雲ダム  
佐波川ダム  
羽根越ダム ダートのため 
厚東川ダム  
宇部丸山ダム  
今富ダム  
真締川ダム(建設中)  
川上ダム 5月6日に予定変更
鳥地川ダム 5月6日に予定変更
向道ダム 5月6日に予定変更
山口ダム 大雨の為予定変更
水越ダム 5月6日に予定変更
菅野ダム 5月6日に予定変更
末武川ダム 5月6日に予定変更
温見ダム 5月6日に予定変更
中山川ダム 大雨の為予定変更
黒杭ダム 大雨の為予定変更
黒杭の池ダム 大雨の為予定変更
黒杭川ダム 大雨の為予定変更
石井ダム 大雨の為予定変更
屋代治水ダム 大雨の為予定変更
御庄川ダム 大雨の為予定変更
岩国泊  

5月6日
岩国発  
弥栄ダム  
渡の瀬ダム  
小瀬川ダム  
生見川ダム  
平瀬ダム(建設中)  
飯ノ山ダム 予定変更
立石ダム 予定変更
鱒溜ダム 予定変更
柴木川ダム 雨のため5月7日に変更
樽床ダム 雨のため5月7日に変更
王泊ダム 雨のため5月7日に変更
温井ダム 雨のため5月7日に変更
宇賀ダム 雨のため5月7日に変更
魚切ダム 雨のため5月7日に変更
梶毛ダム 雨のため5月7日に変更
広島泊  

5月7日
広島発  
南原ダム  
大和池ダム 予定変更
土師ダム  
八戸ダム 予定変更
周布川ダム 予定変更 
木都賀ダム 予定変更
御部ダム  
嵯峨谷ダム  
笹倉ダム  
大峠ダム 通行止めのため
益田川ダム  
津田川ダム  
長見ダム 予定変更
大長見ダム 予定変更
浜田ダム 予定変更
第二浜田ダム 予定変更
出雲泊  

5月8日
出雲発  
清滝ダム  
三瓶ダム  
浜原ダム  
来島ダム  
志津見ダム(建設中)  
脾原ダム  
塩田ダム  
大谷ダム  
千本貯水池堰堤  
布部ダム  
山佐ダム  
三成ダム  
阿井川ダム  
高暮ダム  
沓ヶ原ダム  
三次泊  

5月9日
三次発  
国兼池ダム 堤体位置特定できず
扇谷池ダム 予定変更
灰塚ダム  
八田原ダム  
藤尾ダム  
仙養ダム  
四川ダム  
大池ダム  
青野ダム  
大竹ダム  
黒鳥ダム 5月10日に予定変更
田原ダム 5月10日に予定変更
新成羽川ダム 5月10日に予定変更
星田池ダム  
第二星田池ダム  
尾坂池ダム 予定変更
杉谷池ダム 予定変更
倉敷泊  

5月10日
倉敷発  
槇谷ダム  
落合ダム  
鳴滝ダム  
黒谷ダム  
河平ダム  
日山ダム 予定変更
旭川第一ダム  
旭川第二ダム(小堰堤)  
竹谷ダム  
楢井ダム  
佐興谷ダム 予定変更
有漢谷ダム 予定変更
恩木ダム  
北房ダム  
阿口池ダム  
大正池ダム 予定変更
小坂部川ダム 予定変更
大佐ダム 予定変更
新見泊  

5月11日
新見発  
三室川ダム  
高瀬川ダム  
千屋ダム  
菅沢ダム  
大宮ダム  
土用ダム  
下蚊屋ダム  
俣野川ダム  
朝鍋ダム  
賀祥ダム  
西高尾ダム 5月12日に予定変更
桜溜池ダム 5月12日に予定変更
池ノ谷ダム 5月12日に予定変更
中尾尻ダム 特定できず
狼谷溜池(大山池)ダム 5月12日に予定変更
三朝ダム 予定変更
中津ダム 予定変更
倉吉泊  

5月12日
倉吉発  
苫田ダム  
苫田鞍部ダム  
一の谷池ダム 予定変更
極楽寺池ダム 予定変更
香々見ダム  
黒木ダム  
津川ダム  
西原ダム  
久賀ダム  
川上ダム 予定変更
長原ダム 予定変更
山手ダム 予定変更
滝山ダム 予定変更
血洗池ダム 予定変更
日笠ダム 予定変更
滝宮ダム 予定変更
八塔寺川ダム 予定変更
安室ダム 予定変更
姫路泊  

5月13日
姫路発  
自宅着  

ホテルの予約を取って、いつものように出発準備を整えます。今回は初日から九州博多まで突っ走るという過酷なスタート。しかも1日20基前後の日程を組んでいます。予定数が多すぎたり、天候不良などで繰越して回らなければならないダムが増え、ほとんど毎日、コース変更を余儀なくされました。また2週間もダム巡りを続けるとバテてくるのは当然で、後半はそのツケが回って、行けなかったダムが増えてしまいました。どうせ残すならまとまった形で残した方が良いと考え、拠点から近く、数基がまとまった所を未訪として残しました。その方が次回にまわりやすいからです。後日、再び広島方面を訪れる機会ができました。ダムツーリングでまとめて残してきた山口県や広島県、島根県のダムを回ることができました。ところが肝心のツーリングマップルを家に忘れてきてしまい、ダムの位置を特定できず、回れる数が減ってしまいました。

中国地方 後詰

5月4日
トヨタレンタリース広島発  
御庄川ダム  
中山川ダム  
藤の木ダム 特定できず
黒杭ダム  
黒杭の池ダム  
黒杭川上流ダム(建設中)  
黒杭川ダム  
石井ダム  
明神溜ダム 特定できず
市の谷ダム 特定できず
飯ノ山ダム  
立岩ダム  
鱒溜ダム  
車中泊(ゆうひパーク三隅)  

5月5日
ゆうひパーク三隅発  
長見ダム  
大長見ダム  
周布川ダム  
木都賀ダム  
浜田ダム  
第二浜田ダム(計画中)  
八戸ダム  
広島着  

 

■事前調査(2007年4月21日〜22日)

4月20日、会社から急いで自宅へ帰り、出張とダム巡りの準備を整えました。寝台急行銀河に乗り、一路大阪へ。翌21日(土)早朝には新大阪駅に着き、そのまま山陽新幹線に乗り換えて福山に到着。福山でレンタカーを借り、早速ダム巡りに出発しました。

最初の目的地は光林寺池ですが、その途中に瀬戸池という小堰堤があったので、まずはこれから見学しました。天端にはゴルフの打ちっぱなしの設備があります。洪水吐が変わった造りをしています。そこから暫く走って光林寺池に到着。静かな湖面に赤い屋根の取水塔がよく映えます。下流側から撮影する場所が見つかりませんでした。光林寺池を後に熊野貯水池ダムへ。一乗山城という、1400〜1500年代に造られたお城が近くにあるようです。堤体には芝生が植えられ、奇麗に整備されています。ここの取水塔は古くて味がありました。次に熊野貯水池ダムの隣にある八日谷ダムへ向かいました。下流側から見ると左岸側が削り取られたような印象を受けます。


瀬戸池ダム(小堰堤)


瀬戸池洪水吐
変わった造りをしている


光林寺池ダム


光林寺池取水塔
丸く赤い屋根がかわいい


熊野水源地ダム


古い取水塔


八日谷ダム
左岸側が削り取られたような感じ

本州にあるダムは一時ここまでにして、「しまなみ街道」(西瀬戸自動車道)を通って海を渡り、生口島にある中野ダムを目指しました。ミカン畑を抜けるとロックフィルの法面が見えてきます。天端からはミカン畑と共に海が見渡せます。再びしまなみ街道を通ってお隣の大三島へ渡りました。料金所を抜けるとすぐに「道の駅・今治市多々羅しまなみ公園」があったので、ここで昼食。海鮮丼を食べて西に向かい、台ダムに到着。島の重要な水源になっているダムで、ダムの入口には貯水率を表示してありました。台ダム見学後、戻る方向で上浦ダムを探しました。ミカン畑を縫って細い道を進むとダムが現れます。上浦ダム天端からも海が見えます。法面はカラスの持ってきた白いゴミ袋が散乱していました。このダムには記念碑はあるものの、ダム名が明記されていませんでした。この島にはもうひとつ、別所上池という溜池ダムがあるはずですが、場所を特定できなかったため、再び本州のダムを目指すことにしました。


中野ダム


中野ダム天端より
海が見える


台ダム


台ダム管理所脇にて
貯水率を表示してある


上浦ダム


上浦ダム天端より
海が見える

本州に戻って最初に栗原ダム、久山田ダムを見学しました。お互いに近い場所にあり、どちらも歴史が古く、趣のある堤体です。久山田ダムは土木遺産に登録されてます。さて、まずは栗原ダムから。重力式ダムということですが、とても薄っぺらく、通常の重力式ダムの上流面と下流面が逆になったような感じを受けます。ダム仲間の夜雀さんの調査では、栗原ダムは元々砂防ダムであったようで、水不足のため貯水ダムに変更されたとか。また、栗原ダムという名称も使われていないようで、門田貯水池堰堤と呼ばれているようです。門田貯水池を上流に遡ると久山田ダムがあります。最近下流側が整備されたようで、下流側からダムを写すことができます。表面が石積みで若干アーチを描いている久山田ダムは青森県の大湊堰堤を連想させますが、実際には曲線重力式のダムです。次に竜泉寺ダムへ向かいました。村落の奥に位置し、小さくてシンプルなダムです。続いて市畑大池ダムに向かいましたが、何度も道を間違えました。迷路のような村落内の道を進まねばならず、辿り着くまでに相当時間を費やしました。なんとか市畑大池に辿り着けましたが貯水池周囲はダートでぬかるんでいました。車でなければ辿り着くことができなかったでしょう。堤体直下に梨成大池の貯水池を見ることができますが、右岸側の道は途中で終わっていて、梨成大池へは大回りしなければならないようなのであきらめました。この日の最後として御調ダムへ向かいました。読みづらいですが「みつぎダム」と呼びます。自然越流式の洪水吐がずらりと並ぶ構造をしています。貯水池は曲がりくねっているので、天端から貯水池を見ても小さく見えます。


栗原ダム
砂防ダムから昇格


久山田ダム
土木遺産に認定されている


竜泉寺ダム


市畑大池ダム
下流には梨成大池ダムがある


御調ダム

結局この日は10基余りのダムを見学。東広島のホテルに一泊して、次の日のダム巡りに備えました。

翌4月22日、東広島のホテルを朝早く出発し、近くの千足池から見学を開始しました。戦前から築造が進んでいたこの溜池は、戦後に完成するも漏水が激しく、改修されて現在の姿になったようです。第二千足池は位置の特定ができませんでした。千足池のすぐ上流にあるのは堤高が数mしかないもので、後の調査で「青ソウ池」と呼ばれるものでした。DamMapによりその位置を特定し、第二千足池に到着すると導流部を跨ぐ橋には「長野大池橋」と書かれていました。ダム協会様の再調査により第二千足池であることは間違いないようで、橋の銘板は間違いであろうということになりました。第二千足池を後に、次の昭和池を目指しました。堤体の割には洪水吐が長いです。近くに高麗池というのがあるはずですが、隣の沢にあったのは「呼岩溜池」でした。農家の方にも聞いてみましたが結局わからず、安芸津から海岸線を走って野呂川ダムへ向かいました。赤いラジアルゲートが1門あり、下流側から撮影できます。次に国道375号線にでて二級ダムを目指しました。中国地方のダム神の成長を見守り続けたというこのダムは、二級峡という岩盤の露出した場所に建設されています。どうしても真正面から撮影したかったので、崖を下りて行きました。古い堤体ですが、なかなか味があります。



千足池ダム


第二千足池ダム


第二千足池ダム導流部を渡る橋
長野大池橋と書かれており、これが第二千足池かどうか
迷わせる結果となった


昭和池ダム


野呂川ダム


二級ダム
広島のダム神の成長を見守り続けてきたという


二級ダム下流側
二級峡と言われる名所

二級ダムを見学している最中に雨が降り出しました。急いで次の黒瀬ダムへ向かいました。山陽新幹線の線路に近いですが、ダム周囲は宅地もなく静かです。ダムは堤高の割に長さがあります。次に深道池ダムに向かいました。ダムの下流側は私有地で近づけない為、ダムの上流側から傘をさして歩いて行きました。ぬかるんだ山道を15分位歩いて堤体に辿り着きました。結構立派なアースダムでした。洪水吐にはゲートピアのような出っ張りがあり、板を挟むための溝が掘ってあります。板を挟んで放流量を変えることができるようです。そこから北上して大久保ダムを見学。国道のすぐ近くにありますが、木が欝蒼としていて道路からはダムは見えません。続いて並竜寺池へ。ダム湖ではラジコンボートの競技が行われていました。しかし、このダムは堤高が15m無いため、ダム便覧から削除されています。そのまま県道80号線を進んでクロボヤ池へ向かいました。最近改修が済んだのか、堤体や洪水吐は新しかったです。付近はシャクナゲの群生する場所のようです。そこから西に進んで、椋梨ダムを見学。以前はありませんでしたが、洪水吐上に屋根が付いています。


黒瀬ダム
近くを新幹線が通っている


深道池ダム


深道池ダム洪水吐
板を挟んで流量を変えるシステム


大久保ダム


並竜寺池ダム(小堰堤)天端
ラジコンボートの競技中


クロボヤ池ダム
最近整備が終わったようだ


椋梨ダム
洪水吐上の屋根はあとから付けられたもの

雨が激しく降ってきたので、椋梨ダム横の駐車場で休憩してから次の三川ダムへ向かいました。農業用のダムでしたが、水の需要が増加したため、5m嵩上げして現在の姿になりました。三川ダムの隣には八田原ダムがあります。見学時間を過ぎており門が閉まっていたため、ダムに立ち入ることができませんでした。泣く泣く次の山田川ダムへ向かいました。山田川ダムはまだ完成して間もなく、堰堤壁には地元の児童のデザインしたレリーフが埋め込まれています。山田川ダム見学後西に向かい、目谷ダムを目指しました。目谷ダムはロックフィルダムです。周囲は人気もなく、ひっそりとしています。夕暮れとなり、急いで京丸ダムに向かいました。小さな重力式コンクリートダムで、ちょうど放流中でした。


三川ダム
嵩上げされた経歴を持つ


山田川ダム


山田川ダムの堰堤壁に埋め込まれたレリーフ


目谷ダム


京丸ダム

京丸ダムを最後に中国地方の事前調査を終えました。道も走りやすく、そこそこの基数を稼げると思われました。東広島のホテルに戻り、翌日からの仕事に備えました。

 



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