作者は、一ツ瀬ダム建設所長であり、この書のなかで「工事の思い出」として、次のことを挙げている。 @ 昭和34年の終り頃に、フランスのマルパッセのアーチダムが破壊して、大変なショクを受けたこと。 A 36年に政府の所得倍増計画に刺激され、物価と特に労賃が高騰し、労務者が不足したこと。 B マルパッセの影響もあり、コンサルタント、ジーコ氏の勧告を入れて、ダムの安全に一段と留意したため、コンクリート量10万m3を増加して、工程が大変苦しかったこと。さらに、川床断層がコンクリート打設直前に発見され、その処理に手間取ったこと。