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全項目表
 
ダム番号:3101
 
夕張シューパロダム(再) [北海道](ゆうばりしゅーぱろ)
 [旧名]新大夕張ダム(しんおおゆうばり)
 → 大夕張ダム(元)
14/03
ダム写真

工事中(撮影:日本ダム協会)
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どんなダム
 
既設ダムの下流に建設
___
既設大夕張ダムの155m下流に堤高が1.6倍の新たなダムを造る。大夕張ダムは、ゲートなどは取り払われるが、堤体本体はそのまま水没する。
[写真]上流側から、手前が大夕張ダム、その奥が夕張シューパロダム(撮影:marcの人)
共同事業
___ 昭和37年、大夕張ダムが国営土地改良事業により完成し、その後国営土地改良事業により嵩上げ(目的はかんがい、水道、発電)が計画されたが、昭和56年8月に洪水があり、洪水調節機能を加えるよう地域から強い要望があった。このため、洪水調節とかんがい用水、上水道、発電を目的とした共同事業(国交省、農水省、石狩東部広域水道企業団、北海道)により事業を実施。
半川締切工法を採用
___
ダム本体の建設には、川を転流させて、建設場所に水が来ないようにする。通常は脇の山にトンネルを掘って川の水を流す仮排水路トンネル方式が採用される。夕張シューパロダムの場合、既設の大夕張ダムから155mしか離れておらず、スペースなどの関係で仮排水路トンネル方式は困難なため、半川締切工法を採用。まず左岸側を掘削して仮排水路を造り、そこに1次転流。右岸側を掘削して下部にコンクリート打設し、堤内仮排水路を設置して、ここに流路を切り替える(2次転流)。工事が終わり試験湛水を始めるときに、堤内仮排水路は塞がれる。
[写真]堤内仮排水路(撮影:日本ダム協会)
大貯水池が誕生する
___ 湛水面積は1400ha。雨竜第一ダム、雨竜土堰堤に次ぎ、ダム湖としては日本で2番目となる。総貯水容量も第4位で、我が国屈指の大貯水池が誕生する。
「シューパロ」とは
___ 夕張の語源はアイヌ語のユーパロで、鉱泉のわき出るところという意味。それに、「本当の」あるいは「源の」と言う意味である「シ」をつけ、シ・ユーパロからきている。本当の夕張川、夕張川の本流という意味。
シリーズ ダム百選 投票から
第 24 回  『 元気がもらえるダム 』
■ 現在試験湛水中で昨年の4月から水位を上げるために貯水しておりました。
来る度にダム湖水位が上がっているのを見て、私もダムのように色々な経験を経て大きくなりたい!と元気をもらいました。
また、クレスト越流の際には、今まで貯めてきた水が堤頂から流れ出るのを見て、その姿に感動致しました。 (ふみふみ)

テーマページ ダムツーリング -北の大地へ-
このごろ ダムマイスター研修会「大夕張ダム見学会」
ダムマイスター研修会「夕張シューパロダム見学会」
ダムアワード2014に行ってきた
北海道のダムカードが増えました。
左岸所在 北海道夕張市南部青葉町  [Yahoo地図] [DamMaps] [お好みダムサーチ]
位置
北緯43度01分24秒,東経142度05分57秒   (→位置データの変遷
[近くのダム]  大夕張(元)(0km)  清水沢(7km)  清水の沢(9km)

河川 石狩川水系夕張川
目的/型式 FNAWP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 110.6m/390m/940千m3
流域面積/湛水面積 433km2 ( 全て直接流域 ) /1500ha
総貯水容量/有効貯水容量 427000千m3/367000千m3
ダム事業者 北海道開発局建設部・北海道開発局農水部・石狩東部広域水道企業団・北海道
本体施工者 大成・岩田地崎・中山
着手/竣工 1991/2014
ランダム情報 【水特法関係】夕張シューパロ[法第9条指定ダム等]、水没総面積:1510ha、水没戸数:289戸、水没農地面積:119ha、ダム等の指定年月日:H9.3.19
【ダム工事年表】仮排水路(2003.10〜2005.3) 
【ダムカード配布情報】H28.8.1現在 (国交省資料より作成、情報が古いなどの場合がありますので、事前に現地管理所などに問い合わせるのが確実です) Ver1.0
○夕張川ダム総合管理事務所 9:00〜17:00(土・日・祝日を含む)
ダムカード画像コレクション
夕張シューパロダム Ver.2.0 (2015.1)
[協力:クラクラ]
夕張シューパロダム(建設中) Ver.1.0 (2011.10)
リンク Dam's room・夕張シューパロダム
ウィキペディア・大夕張ダム
おぼえがき・夕張(ゆうばり)シューパロダム
コンクリートと鉄と大地と・夕張シューパロダム
シューパロ湖
ダムニュース/夕張シューパロダム建設現場見学会を開催(ダム技術センター)
ダムニュース/夕張シューパロダム定礎式(ダム技術センター)
ダムのすぐ下流にダムを造るには?(建設物価サービス)
ダムマニア・夕張シューパロダム
ダム工事総括管理技術者会ホームページ・夕張シューパロダム
諸元等データの変遷 【06当初→06最終】かな[ゆうばりしゆーぱろ→ゆうばりしゅーぱろ] 竣工[2004→2013] 堤高[107→110.6] 堤頂長[480→390] 堤体積[880→940] 湛水面積[1510→1500] 総貯水容量[433000→427000] 有効貯水容量[373000→367000]
【06最終→07当初】竣工[2013→2012] 本体施工者[→大成・地崎・中山]
【07最終→08当初】本体施工者[大成・地崎・中山→大成・岩田地崎・中山]
【08最終→09当初】堤高[110.6→111]
【09当初→09最終】堤高[111→110.6]
【09最終→10当初】ダム事業者[北海道開発局・建設部→北海道開発局建設部・北海道開発局農水部・石狩東部広域水道企業団・北海道]
【11最終→12当初】竣工[2012→2014]
【12最終→13当初】本体施工者[大成・岩田地崎・中山→大成建設・岩田地崎建設・中山組]
【14最終→15当初】本体施工者[大成建設・岩田地崎建設・中山組→大成・岩田地崎・中山] 堤高[110.6→110.6]

■ このごろ → このごろ目次
ダムマイスター研修会「夕張シューパロダム見学会」

 
 引き続き見学者一行は、夕張シューパロダム直下の「出会橋」に案内されました。この場所からは、ダムの下流面を正面から望むことができます。この橋は、ダム完成後は発電所の管理専用道路となるため、将来的にも立入禁止エリアであるということです。せめて試験放流時には開放してもらえないものかと思いました。

1.下流面

 夕張シューパロダムは、寒冷地に建設されたダムであるため、冬季に入る前に打設したコンクリートを越冬養生させなければなりません。下流面に仮設されているキャットウォークがその1年の区切りの目安であるということです。次の春に打設を再開するときには、入念にグリーンカットを行ったということです。
 現在、最終的な工程として4つの堤内仮排水路を埋める作業が行われています。最も左岸よりの仮排水路は最後まで使用されるそうです。この仮排水路の上流側に設置されているゲートが降ろされると、いよいよ試験湛水の開始ということになります。


夕張シューパロダム下流面

 新しいダムの建設に際しては、上流に大夕張ダムが存在しているという事実が心の支えになったということでした。小規模な締切堰堤ではなく、先輩が造った大夕張ダムがデーンと構えていることで、大雨があっても機材が流されるような恐怖から免れることができたそうです。

2.上流面

 夕張シューパロダムの建設にあたっては、半川締切方式が採用されました。1次転流として、夕張川を左岸寄りに転流させた後、右岸側の掘削工事を行いました。その後、堤内仮排水路(2次転流)を建設して、本体の打設工事を行いました。堤体の下部はRCD工法を採用し可能な限り工期の短縮に努めました。転流の形跡が旧発電所付近に認められます。


転流工

 写真で見ると右岸側の仮排水路付近が大きく膨らんでいることがわかります。これは、この部分の基礎岩盤が少し脆弱であったためです。仮排水路の閉塞作業は順調に進んでいるようです。


夕張シューパロダム上流面

 常用洪水吐きとして使用される敷高の低い吐口上流面の工事は、プレキャストの型枠が使用されました。この型枠は、打設終了後も本体と一体となって恒久的に残ります。型枠がそのまま本体の一部として残る…これは、千苅ダムのような粗石モルタルの重力式コンクリートダムの工法と相通じるものがあると思います。


越流部上流面

3.リムトンネル

 今回の見学会では、特別にリムトンネルに案内していただきました。監査廊は、ダムの見学会などで一般に公開されることがありますが、リムトンネルは通常公開されることはありません。夕張シューパロダムの右岸のリムトンネルは、掘削面を鋼製の支保工と矢板で覆っただけのものです。


リムトンネル内部

 このトンネルでは、ボーリングで岩盤に穴を開け、薬液を注入して岩盤の亀裂を埋める工事が進められています。目立たない作業ですが、漏水を防止するための重要な工事です。


工事の進捗状況

4.監査廊

 監査廊では、ダム完成への準備が着々と進められていました。


夕張シューパロダム監査廊

 監査廊の壁に直角三角形の金属が無数に設置されています。まもなく、この上には棚が設けられその上を配線設備が整然と並べられます。ダムの毛細血管です。

 エレベーターはコンクリートの躯体ができており、あとは機械の設置を待つのみです。


エレベーターの設置予定場所

 ダムの心臓部もいうべき、プライムライン室も中に入ることができました。天井には、まもなくワイヤーが通る穴が用意されています。


プライムライン室の天井

 監査廊からも、グラウチングが行われているということです。


ボーリングマシーン

 監査廊の状況を見る限り、夕張シューパロダムには、「生きている」という実感はありませんでした。それはまだこのダムが「胎児」の状態であるからです。平成26年3月の試験湛水に向けて、工事関係者の方々が、夕張シューパロダムに「生命の息吹」を注入する仕事をしていました。
 順調に進めば、大夕張ダムや三弦橋は、平成26年4月頃には、完全に水没する見込みです。また、計画では平成27年1月にサーチャージ水位に達する予定であるということです。北海道の地図を塗り替えるような大きなプロジェクトです。安全第一で無事竣工することを願ってやみません。

 細部にわたり大夕張ダムと夕張シューパロダムを見学させていただくことができました。最後にはなりましたが、大成・岩田地崎・中山特定建設工事共同企業体の所長、工務課長をはじめ関係者の方に深くお礼を申し上げます。

(H25.10.22、安部塁)

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