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8.布目川−布目ダムの建設

 布目川は、その源を奈良県山辺郡都祁村南部の相河付近より流出し、北流して来迎寺、白石を流れて深江川となり、支流を進めて山添村西部に入り、峰寺付近で支川を合わせて、奈良市の東端部に流入、布目川となって京都府笠置町で木津川に合流する延長25kmの河川である。

 布目ダムは、淀川水系木津川支川布目川の奈良市北野山町、丹生町地先に平成4年に完成した。このダムの建設記録として、平成4年水資源開発公団布目ダム建設所編・発行『布目ダム工事誌』『布目ダムの合理化施工』『布目ダム写真集』がそれぞれ刊行されている。
『布目ダム工事誌』

『布目ダムの合理化施工』

『布目ダム写真集』
 布目ダムは、昭和56年に道路工事より着手し、昭和61年5月から平成2年10月までRCD工法等の合理化施工技術を積極的に取り入れたダム本体工事を行い、同年10月より試験湛水を開始し、平成4年3月完工した。

 布目ダムの目的は次の通り。

・ダム地点において、流入量が 100m3/sに達した時から洪水調節を開始し、流入量が計画洪水量の 460m3/sに達した時に 310m3/sを貯水池に貯め、 150m3/sを放流して洪水調節を図る。
・流水の正常な機能の維持を図る。
・水道用水として、奈良市へ最大1.08m3/s、都祁村へ最大0.0463m3/s、山添村へ最大0.0097m3/sの計 1.136m3/sの取水を可能にする。

 ダムの諸元は、堤高72.0m、堤頂長 322.0m、堤体積33.1万m3、総貯水容量1730万m3、型式重力式コンクリートダムである。また布目ダムには珍しく、わきダムが直結されているが、その諸元は堤高18.4m、堤頂長 128.0m、堤体積27.1万m3、型式はロックフィルダムである。起業者は水資源開発公団、施工者は、大成建設(株)、(株)森本組共同企業体、事業費 601.5億円である。なお、補償関係は、水没家屋48戸、水没面積 160haとなっている。


布目ダム

 布目ダム建設の特徴については、ダム本体工事はダムコンクリート33万m3において公団初のRCD工法とわが国初のELCMを採用し、コンクリートダムの施工に新しい技法を種々に試みたことである。また、わきダム、上流部には副ダムが施工されたことであろう。この副ダムは本貯水池への流入土砂の軽減を図ることにより、堆砂防止、貯水池の濁質軽減を行い、流入汚濁物の沈殿除去と落水曝気による水質浄化を図り、さらに、副ダムにより水位の一定な水辺を造ることにより水とふれあうレクリエーション空間を創出する。なお、副ダムの諸元は堤高14.5m、堤頂長 133.3m、堤体積 1.3万m3、型式重力式コンクリートダムとなっている。ダム周辺には、公園、遊歩道、休憩所が設けられ、また水没地にあった南北朝時代、室町時代、江戸時代に造られた大橋阿弥陀磨崖仏などの石仏が移され、ダムを訪れる人々を楽しませている。石仏のあるダムも全国的には珍しい。

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