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大正期(大正元年 14年)
大正2年 大雨、北郷村山崩れ 二原開田給水事業に着手 3年 薩摩原ダム(田野川)の完成(薩摩 原土地改良区) E A 22.7m 99万m3 7年 武者小路実篤、新しき村開村 電気化学工業(株)大淀川水利権を得る 8年 暴風雨、高岡町地滑り発生死者4人 10年 大淀川水力(株)、電気化学工業(株)、 住友製鉄(株)などの発電所が県外送電 に対し、反対運動がおこる 12年 日本窒素肥料(株)、延岡アンモニア工 場を設置 13年 轟ダム完成(昭和36年撤去) 14年 大雨、日之影町崖崩れ死者2人 九州送電(株)の発足
明治期はダムの築造はみられず、大正期には2基が造られ、電力用ダム轟ダムの建設と撤去については後述する。
昭和初期(昭和元年〜20年)
昭和4年 西郷ダム(耳川)の完成(九州電力(株)) G P 20m 245.2 万m3 5年 芋洗谷ダム(芋洗谷川)の完成(チ ッソ(株)) GA P 25.5m 6.1万m3 6年 高岡ダム(大淀川)の完成(九州電 力(株)) G P 38.9m 1246.4万m3 大淀川第2ダム(大淀川)の完成( 九州電力(株)) G P 21.8m 24.2万m3 7年 山須原ダム(耳川)の完成(九州電 力(株)) G P 29.4m 419.4万m3 12年 日中戦争始まる 13年 小丸川河水統制事業着手 塚原ダム(耳川)の完成(九州電力 (株)) G P 87m 3432.6万m3 14年 台風、清武川流域土砂災害死者32人 15年 川原ダム(小丸川)の完成(九州電 力(株)) G P 23.6m 322万m3 16年 太平洋戦争始まる 17年 岩屋戸ダム(耳川)の完成(九州電 力(株)) G P 57.5m 830.9万m3 星山ダム(五ヶ瀬川)の完成(旭化 成(株)) G P 30.5m 173.1万m3 梅雨前線、小林市崖崩れ死者8人 18年 戸崎ダム(小丸川)の完成(九州電 力(株)) G P 25m 54.4万m3 石河内県営第2発電所竣工と同時に 日本発送電(株)に譲渡 20年 日中、太平洋戦争に敗れる 枕崎台風
昭和初期は戦争の時代であったが、10基のダムが築造された。型式は重力式コンクリートダム9基、重力式アーチダム1基で、目的は10基すべて発電用であった。耳川、小丸川、大淀川の上流域には発電用ダムが造られ、この時代、電力エネルギーの確保が最大の課題であったことを実証している。特筆されるダムは、宮崎県初の近代的ダム西郷ダムと総貯水容量3432.6万m3を誇る塚原ダムである。塚原ダムは、当時の世界最先端であるアメリカのボルダーダムの技術を導入し、資材はすべて国産品を使用、コンクリート材料開発や可動式クレーン採用など日本初の先端技術が用いられた。
昭和中期(昭和21年〜40年)
昭和22年 電力確保期成同盟会の結成 川原発電所など宮崎県へ復元する運 動始まる 24年 デラ台風 七折村崖崩れ死者8人 26年 松尾ダム(小丸川)の完成(宮崎県 ) G FNP 68m 4520万m3 29年 台風12号 県内被害死者26人 轟ダム、都城盆地内大洪水をおこす 30年 上椎葉ダム(耳川)の完成(九州電 力(株)) A P 110m 9155万m3 桑野内ダム(五ヶ瀬川)の完成(九 州電力(株)) G P 26.5m 96.1万m3 渡川ダム(渡川)の完成(宮崎県) G FNP 62.5m 3390万m3 31年 大内原ダム(耳川)の完成(九州電 力(株)) G P 25.5m 748.8万m3 33年 西畑ダム(網の瀬川)の完成(九州 電力(株)) G P 17.8m 24.7万m3 綾南ダム(本庄川)の完成(宮崎県) G FP 64m 3800万m3 古賀根橋ダム(綾北川)の完成(宮 崎県) G AP 32m 138.1万m3 34年 青鹿溜池(平田川)の竣工(農水省) E A 31.3m 90.7万m3 電気復元運動解決 川原、石河内発電所 宮崎県へ復元 35年 綾北ダム(綾北川)の完成(宮崎県) A FP 75.3m 2130万m3 36年 諸塚ダム(柳原川)の完成(九州電 力(株)) HG P 59m 348.4 万m3 大淀川第1ダム(大淀川)の完成( 九州電力(株)) G P 47m 850万m3 宮の元ダム(七ツ山川)の完成(九 州電力(株)) A P 18.5m 14.1万m3 第2室戸台風、五ヶ瀬川沿岸集落土 砂崩れ死者6人 轟ダム撤去 37年 下赤ダム(北川)の完成(宮崎県) G P 17.8m 48万m3 38年 寒川ダム(三財川)の完成(宮崎県) G P 33.5m 71.6万m3 立花ダム(三財川)の完成(宮崎県) G FNP 71.3m 1000万m3 杉安ダム(一ツ瀬川)の完成(九州 電力(株)) A P 39.5m 876.5万m3 一ツ瀬ダム(一ツ瀬川)の完成(九 州電力(株)) A P 130m 2億6131万m3 39年 日向、延岡地区新産業都市に指定 宮崎県工業用水営業開始、第1糖業 (株)へ給水開始 40年 梅雨前線、えび野真幸地区土砂災害
昭和中期は戦後経済復興と高度経済成長期の時代であり、18基のダムが築造された。型式は重力式コンクリートダム11基、アーチ式5基、アース式1基、中空重力式コンクリートダム1基、目的は発電所11基、農業用1基、発電用を含む多目的6基である。発電県を誇る宮崎県は松尾ダムをはじめ、渡川ダム、綾南ダム、古賀根橋ダム、綾北ダム、寒川ダ ム、立花ダムを造り、一方九州電力(株)は、日本最初の本格的なアーチダムの上椎葉ダム、中空重力式の諸塚ダム、総貯水量2億6131万m3を擁する一ツ瀬ダムを完成させた。なお、宮崎県は戦前に築造された川原ダム、石河内発電所については、当県に帰属するとして電気復元運動を展開し、九州電力(株)から獲得した経過がある。
昭和後期(昭和41年〜63年)
昭和42年 岩瀬ダム(岩波川)の完成(宮崎県) G FP 55.5m 5700万m3 43年 高鍋防災ダム(宮田川)の完成(宮 崎県) E FA 25.5m 119.4万m3 えびの地震発生 44年 梅雨前線、三股町勝岡 土砂崩れ 女子中学生4人死亡 46年 門川防災ダム(鳴子川)の完成(宮 崎県) R F 31m 73.7万m3 大淀大橋竣工 47年 祝子ダム(祝子川)の完成(宮崎県) G FNIP 60m 577.4万m3 綾川総合土地改良事業竣工 梅雨前線、そびの市真幸 死者4人 55年 東原調整池(長谷川)の竣工(農水 省) E A 21m 99.8万m3 延岡大橋竣工 56年 長谷ダム(三納川)の完成(宮崎県) G FN 65m 225万m3 57年 台風11号 西都市など山崩れ 死者 4人 59年 日南ダム(酒谷川)の完成(宮崎県) G FN 47m 600万m3
昭和後期は7基のダムが築造された。型式は重力コンクリートダム4基、アース式2基、ロックフィルダム2基で、目的は農業用、治水ダムが各々1基、多目的ダム5基である。 特筆されるダムは宮崎県竣工のハイダム岩瀬ダム、宮崎県初のロックフィルダム門川砂防ダムである。
平成期(平成元年〜18年)
平成元年 台風11号 椎葉村地滑り災害 4年 浜砂ダム(祝子川)の完成(宮崎県) G IP 42.7m 243万m3 5年 集中豪雨 高崎町など崖崩れ死者2人 台風7号、13号 小林市など土砂崩 れ死者2人 6年 広渡ダム(広渡川)の完成(宮崎県) G FN 66m 640万m3 9年 台風19号、西郷村など被害 10年 瓜田ダム(瓜田川)の完成(宮崎県) G FN 42m 93万m3 12年 田代八重ダム(綾北川)の完成(宮 崎県) G FNPW 64.6m 1927万m3 広沢ダム(浦之名川)の完成(農水 省) G A 62.7m 510万m3 13年 天神ダム(境川)の完成(農水省) R A 62.5m 670万m3 14年 沖田ダム(沖田川)の完成(宮崎県) G FN 36m 275万m3 16年 台風16.18.23号、椎葉村など土砂崩 壊多発 17年 台風14号、高千穂町など土砂崩壊多 発 死者11人 18年 大瀬内ダム(大瀬内谷川)の完成( 九州電力(株)) FA P 65.5m 620万m3 かなすみダム(大瀬内谷川)の完成 (九州電力(株)) FA P 42.5m −− 石河内ダム(小丸川)の完成(九州 電力(株)) G P 47.5m 690万m3
平成期は10基のダムが築造された。型式は重力式コンクリートダム7基、ロックフィルダム1基、アスファルトフェシングダム2基で、発電用3基、農業用2基、、多目的ダム5基である。特筆されるダムは、初の工業用水を含む多目的ダム浜砂ダム、水道用水を含む田代八重ダムの完成である。
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