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■建設工事(1)

ダムサイトの状況とダム建設予想図 

仮排水路の建設と転流 
第1号仮排水路呑口附近の仮締切工事。
昭和32年6月に第1号仮排水路の工事に着手。通水容量毎秒100トンの素堀りトンネルで、完成後直ちに締め切られ、33年9月には黒部川の本流は仮排水路に切り替えられた。これによってダム基礎の掘削など、河床部での作業が可能になった。


基礎掘削 
堰堤右岸発破工事。
切り立った両岸は、基礎岩盤に達するまで表土を削り取る必要がある。このために、まず坑道を掘り、その中で火薬を爆破して一挙に大量の表層を剥奪する薬室発破を実施した。33年10月から12月にかけて、十数回実施。


河床掘削の全景。堰堤河床部上流より望む。
工期が厳しいために、多数の最新の重機械類が投入された。左端に掘削ズリ搬出用の重ダンプトラック、中央やや右に掘削ズリ積み込み機械、右下の水が流れているところが第1号仮排水路トンネル呑口。

多数の最新の重機械類を使用。
河床部の掘削は数度の洪水によって被害を受けながらも、昭和34年9月までに岩盤まで掘り下げを完了。
コンクリートの製造・運搬設備の建設
ケーブルクレーンバッチャープラントなどのコンクリート製造・運搬設備は、両岸の中腹に大規模な基礎工事を行い、必要な設備の据え付けが行われた。これらは34年8月から9月にかけて完成し、ダムコンクリート打設を待つことになった。
右岸斜面上のバッチャープラント

トランスファーカとその背後のバッチャープラント
バッチャープラント、セメントサイロ、トランスファーカなどは右岸斜面に建設された。
25tケーブルクレーン機械室(左岸側)。
ケーブルクレーンは、峡谷の両岸の間に、本流をまたいで張り渡された約600mのケーブルに、総重量25トンのバケットを吊り下げ、これを移動させてダム上にコンクリートを運搬する設備。


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