11月19日−25日に、相模湖交流センターで「相模湖ダムフェスタ 第1回ダムマニア展」(主催:神奈川県立相模湖交流センター 後援:財団法人日本ダム協会など)が開催された。内容は、大きく展示とトークライブ(何と9本もあった)で、ダムマニアのお祭りのようなイベントだが、ダムマニアが企画し、著名なダムマニアの多くが参加した、今までにない盛大なものとなった。将来「ダムマニアの歴史」が語られることがあるとすれば、これは画期的な出来事として位置づけられるだろう。
ダムマニアとして人気が高く、最近はダムライター/写真家を名乗っている萩原雅紀さんのプロデュース。企画・準備段階から実施に至るまで、萩原さんの大活躍は目を見張るものがあり、ある種執念のようなものを感じさせた。萩原プロデューサーの筆になると思われるポスターの冒頭の文章を紹介する。
「えー?ダムが好きなの?」と白い目で見られようとも、休みのたびのダム巡りで家族に愛想をつかされようとも、ダムが好き!自然の中に雄大にそびえたつダムから、言われなければ気がつかないような小さなダムまで日本には3000基近いダムがあります。ダムに魅せられ、全国のダムを訪ね歩くダム男とダムガールが急増中です。ダムマニアが選んだ、ダムの日本画、写真、模型等を見ながら、ダムに関するトークショーを聴き、ダムの音楽を聴き、ダムについて語り合うダムマニア展。そして、きっとあなたもダムの新たな魅力に気づくはず「ダムって楽しい!」
ところで、ダムマニアという言葉は、いつ生まれたのだろうか。鉄道マニアがいるように、どこかにダムマニアがいて不思議はないし、言葉があっても不思議ではない。だから相当以前からそんな言葉を使った人がいるのかもしれないが、一定の広がりをもって世の中で意識されたのはここ10年ぐらいのことだろう。23日の最初のトークライブで、Dam master さんが「ダムマニア年表」なるものを紹介していた。多分日本初の大変貴重な内容だったが、それによると、宮島咲さんのサイト「ダムマニア」の開設が2002年7月になっている。おそらくこのころ、一部の人たちに「ダムマニア」という言葉が使われるようになったのではないだろうか。
ダム巡りをしてネット上でそれを紹介する、それがダムマニアの典型的活動だが、当初、世の中から何か変な人たちだと、まさに「白い目で見られた」のも事実だろう。それがネット上の活動はもちろん、CDを出し、写真集を出し、本を出しと活動の場を広げ、最近では、ダムの曲を集めた音楽アルバム(CD)が出たり、ダムの日本画を描く女子美術大学生が現れたり、あれやこれやでダムマニアの存在が徐々に広く一般に知られるようになってきた。そして今、ダムマニアが自ら企画し、参加して「ダムマニアの祭典」を実現するに至った。ここ10年の動向を見て、隔世の感がある。
いつも書いているが、この間、ネットの力が大きかったのは言うまでもない。ダムマニアはネットの力を借りて成長してきた。ダムマニア展には、顔見知りのダムマニアも多数見受けられたが、一般の人と思われる入場者も多かった。ネット上で知ってやって来た人が多かったのではなかろうか。情報はネットで拡散し、人々に行動を起こさせる、そんなことが実感をもって再認識させられる。ネット技術は日進月歩、この傾向は将来に渡って続くだろう。
ダムマニア、誕生から10年、ネットを通じて世間に認知され、今ここまで来た。1年後なのだろうか、気が早いようだが「第2回ダムマニア展」の開催を期待したい。
(ダム協会内部資料用に作成したものを転用しました。)
|