11月3日(土)、岐阜県の徳山ダムで、ダムマイスター研修会「徳山ダムの見学」が行われました。 当日は晴れてはいるものの雲が多く、また風も強く、外を歩くには少々厳しい感じでしたが、参加者20名は普段見られない、立ち入れない所を多く見せて頂き、寒さを忘れるくらい熱心に見学しました。 管理所の一室で全員が集まり、所長から本日の見学コースの概要、および注意事項の説明を受け、いよいよ見学へ。
逸る気持ちを抑えつつも、気分はどんどん高揚していきます。 まずは右岸のダム湖側から見学。
通常管理者以外は立入禁止となっているこの場所は、今回特別な許可を頂いて入ることができました。 普段立ち入ることが出来ない角度からダムを見ると、今まで見慣れた徳山ダムとはまた違った雰囲気。 徳山ダムの周辺は紅葉し始めており、もう少し経つと見頃を迎えそうでした。
ポイントポイントで、丁寧に所長から説明をして頂きました。 素人の私でも理解できる、大変判り易い説明でした。
次に訪れたのは監査廊。広々としたダム湖の風景から一変して、狭い空間を下へ下へと進みます。 ダム=巨大、広大というイメージですが、ダムの提体内に入るとそのようなイメージとは全く違います。 監査廊の見学では、提体の中間まで降りてはいないものの、戻りは降りてきた階段を上がらなければなりません。 普段の運動不足が露呈する瞬間でした。
再び外に出た後は途中でゲート室を見せて頂き、その後左岸にある選択取水塔へ移動。 この場所も管理者以外立入禁止の場所。右岸からの景色もそうですが、左岸の選択取水塔から見る提体も初めてでした。
塔内でこの取水塔について説明を受けました。 単に水を流すのではなく、何故選択式なのか、所長の説明に納得。 1つ1つ色々と考えられているものだと、改めて感じました。
選択取水塔の外に出て、ダム湖の風景を見学。 原石山がよく見えました。 「いったいどれくらいの量の石が、この山から運び出されたのだろう・・・?」と思い耽っていたところ、運び出したトラックの話で「タイヤが1本250万円」という金額で現実の世界に引き戻されました。
選択取水塔を後にして、再びダムの中に入ります。 今度は階段ではなくエレベーターで一気に下降。
提体内の狭い通路を抜けて着いた先に、明かりに照らされた設備が目に飛び込んできました。 利水主管設備、水位低下用設備について説明を受けましたが、響く音に水が流れているこをと実感できます。
ここで興味を引かれたのが、管に取り付けられた超音波の計測機器。この計測機器で流水を計測しているとのこと。 普段訪れるダムには、このように目に触れない様々な機器があり、それらでダムを守り、運用しているのだと、改めて認識させられました。
この後は車3台に分乗し、提体の下へ移動。 現在提体下では中部電力様が、徳山水力発電所建設の真っ最中で、ここも現在は立入禁止となっています。 今回特別に中部電力様より許可を頂き、提体下へ行くことが可能となりました。 提体下への移動、そして提体下から管理所まで移動は、かなり時間を要しました。 視覚的にはもちろん、体感的にも徳山ダムの巨大さを感じました。
そして管理所に戻り、今回の見学会は終了。 3時間余りの見学会でしたが、あっと言う間に終了となりました。
以上簡単ですが、ダムマイスター研修会「徳山ダムの見学」参加レポートです。 今回このような貴重な機会を与えて頂いたダム協会様、またお忙しい中対応して頂いた徳山ダムの皆様、提体下の見学許可を出して頂いた中部電力様に御礼を申し上げます。 またダムが好きというみなさんと時間を共有できて、大変楽しいダム見学でした。
最後に個人的な話ですが、今回の見学に同伴者1名も参加させて頂きました。 多分今回の参加者中、もっともダムに興味が薄い者だったと思いますが、見学会後に今回の感想を聞いたところ、「最初は半日も何を見るの?と思ったのですが、1ヶ所目見学の時から、何で1日コースじゃないの?と思いました」と言っておりました。 機会があればまた参加したいそうで、ダム見学会にぞっこんの様子。私も連れて来た甲斐があったというものです。
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