9月15日(土)、北上川水系の石渕ダム 、胆沢ダム において、日本ダム協会主催の「ダムマイスター研修会」が実施された。研修会には、協会から2名と、ダムマイスターと同行者計13名が、京都、愛知、石川、関東の各地から遠方にもかかわらず出席した。
今回見学した石渕ダムは1953年に完成し、管理開始から59年が経過した日本でも最古級のロックフィルダム。現在下流に建設中の胆沢ダムに役目を譲り、胆沢ダム湖の湖底に姿を消すが、ダム湖の貯砂施設として機能する。しかしながら、ゲート等の設備や管理所建家等の構築物はまもなく撤去が開始され、威風堂々した石渕ダムの姿は見納めとなる。 当日は午前10時に胆沢ダム学習館に集合。工事事務所の方に模型を使って説明していただい後、バスで石渕ダムへ移動した。天端やゲート巻揚機室内を解放していただき、各自、最後の石渕ダムの勇姿を思い思いに撮影した。
最後の勇姿 石渕ダム
石渕ダム右岸より胆沢ダムを望む 昼食を挟んで午後は、JV事務所の方の案内で、胆沢ダムの現場に移動。まず、堤体下流側の発電所建設現場を見学、続いて地下のゲート室、監査廊を周り天端へと移動。取水設備ゲート上部を見学した後、徒歩で天端を移動、新・管理所屋上から現場全体を眺めた。その後、堤体上流側へ移動。ゲート組み立てのための超大型クレーンや、各種大型の建設機械、仮排水トンネル呑口等を見学した。その中でも特にCSGで固められた右岸法面の保護工が印象的であった。
胆沢ダムの監査廊内部
ゲート上部より
胆沢ダム右岸より堤体を望む
超大型クレーン
未だ重ダンプが動く
仮排水路のCSGによる法面保護 最終的には、予定時刻を大幅に押しての解散となったが、天気にも恵まれ充実した研修会となった。解散後は、有志で近くのお店に集まり、工事関係者が命名したという「ダム御膳」(岩手の郷土料理ひっつみ)を味わった後、再びダムに戻り急遽夜景の撮影会となった。
ダム御膳
堤体下流夜景 最後に感想を述べさせていただくと、私自身これまで石渕・胆沢ダムは何度も訪れているが、今回の見学会で、正に今、歴史的転換点を迎えている石渕・胆沢ダムの現場に、直接足を踏み入れることが出来たのは、大変感慨深いものがあった。また、改めて胆沢ダムの圧倒的スケールには目を奪われるばかりであった。胆沢ダムの完成により、これからも胆沢平野をはじめ、北上川流域の発展に寄与することを期待する。とりわけ、北上川の河口付近は、3.11の大津波で甚大な被害を受けているが、ダム完成により、上流からの洪水被害が少しでも軽減されるよう願って止まない。
今回ご協力いただいた胆沢ダム工事事務所、現場JV事務所の方々にこの場を借りて厚く御礼申し上げたい。
(参考) 石渕ダム 管理者:国土交通省 所在地:岩手県奥州市 胆沢ダム(建設中) 事業者:国土交通省 所在地:岩手県奥州市
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