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Let's visit a historical dam 
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大井ダム 「発電ダムのゴッドファーザー」

by  『THE SIDE WAY』 あつダム宣言!

所在地: 左岸 岐阜県恵那市大井町奥戸
右岸 岐阜県中津川市蛭川
ダム形式: 重力式コンクリートダム
堤高: 53.4m
堤頂長: 275.8m
竣工年: 1924年
目的: 発電
ダム事業者: 関西電力



大井ダムは木曽川水系で最初に造られたダムで、建設当時は世界級のビッグプロジェクトと呼ばれ大正13年(1924年)に竣工しました。重力式コンクリートの堤高は50mを超え、これも当時としてはほとんど類をみない高さでした。


 
 


写真左手(右岸)手前の大井発電所は大井ダムと共に福沢諭吉の養子である福沢桃介の手によるもので、日本初のダム式発電所です。

その奥は昭和58年に造られた新大井発電所であり、合計8万キロワットの電力を生み出しています。

 
 


今回はダム下流の大井発電所付近から見学させて頂きました。

見学コースを通ると、大井発電所の水圧鉄管が出迎えてくれます。

水圧鉄管から響くゴンゴンと言う重低音は、どこか心臓の鼓動の様にも聞こえます。

 
 


見学通路を登って行きます。ひんやりした空気と森の匂いがします。

振り返るとゲートが並ぶ堤体が見えます。

 
 


天端レベルまで登って来ました。

管理所前にある立派なモニュメントには福沢諭吉のレリーフと座右の銘「独立自尊」が刻まれています。

 
 


こちらは新大井発電所の取水口制水門の脇にあるモニュメント。

裏面には大井ダム建設に携った方々の肖像が埋め込まれています。福沢桃介氏も
右上におられます。

このモニュメントの側面にはちょっとしたサプライズがあるのですが、それは現地でのお楽しみにしておきます。

 
 


右岸からラジアルゲートが21門並ぶ壮観な堤体を望みます。

玉石コンクリートのざらつき感と骨材の鉄分が生む朱色のストライプが印象的です。

 
 


下流面の岩盤補強でしょうか、ごつごつと幾何学的な表情をしています。

しかも一つ一つのブロックが巨大です。

越流面も下ではレベルが揃ってなくジャンプ台がいくつも並んでいるかの様です。

ダムが好きな方々でも意見が分かれる部分ですが、個人的にはとても好きな部分です。

 
 


天端はトレッキングコースにもなっており開放されています。通路幅は1.2m位でしょうか。

外灯や高欄の装飾が素晴しいです。

手摺の曲線はアールヌーヴォー、外灯の台座の装飾は建設当時欧米でも最先端であったアールデコの影響を既に受けている様に感じます。

 
 


左岸に渡って来ました。

通路のフェンスで気が付きませんでしたが、天端ダム下流側も、巻上げ機と通路をはさみシンメトリーに外灯の台座や高欄が配置されています。

 
 


フェンス越しにラジアルゲートの巻上げ機を見学します。

ゲート自体は新大井発電所の工事と同じ時期に改修されていますので巻上げ機も新しい物と思います。

下流の風景は新大井発電所を除き、竣工当初とさほど変わらないのではないでしょうか。

しばしタイムスリップしたかの様な感覚を受けます。

 
 


大井ダムにより生まれた恵那峡は飛騨木曽川国定公園に指定されており、2005年にはダム湖百選にも選ばれています。

 
 


再び右岸に戻って来ました。

1番ゲートのピア付近のコンクリートを観察すると現在のダムの姿は竣工当初より何度かの改修を経ている事が確認できます。

大井ダムは、わが国の土木工事の金字塔であるだけでなく、日本の水力発電の偉大なる父でもあります。

土木学会選奨の日本の近代土木遺産、経済産業省の近代化産業遺産の指定を受けた大井ダムは、これからも幾度となく訪れてみたいダムでした。
[関連ダム]  大井ダム
(2009年9月作成)
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 (清水 篤)
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