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ダム温故知新
《第12回》 江畑溜池堰堤を訪ねて

写真・文 安河内 孝

最初の堰堤は、灌漑用溜池として明治22年(1889年)に土堰堤で完成した。しかし翌年の豪雨により決壊した。直ぐに再建の計画が立てられた。これは、決壊により被害を受けた下流の反対により実現しなかったが、国庫の補助により昭和3年(1928年)9月に起工、昭和5年(1930年)に現在の江畑溜池堰堤が完成した。現在の堤体表面は、黒々としているが花崗岩が張られている。

山口県技師武冨憲時、同技手荒瀬長一を中心に建設され、中央部に三ヵ所の越流、越流部脇には半円の取水塔が有り、堤体に通水用のトンネルが設置されている。

国内の灌漑用コンクリート重力式堰堤としては最も古く、平成13年10月に国の登録有形文化財(建造物)として登録された。当堰堤の高さが14.4mであるためダムとして認定されていない。
あと2段石を積んでいたらと考えると残念である。

通水用のトンネルには鉄格子が嵌り、まるで要塞のような風貌を見せている。


黒々とした花崗岩は力強さを感じさせる。
(これは、「月刊ダム日本」からの転載です。)
[関連ダム]  江畑溜池堰堤
(2013年1月作成)
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