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ダム温故知新
《第15回》 大橋ダムを訪ねて

写真・文 安河内 孝

このダムを見学する時に最初に目につくのは、右岸の入り口にある「皇紀二千六百年十月竣功」の文字と、レトロな照明装置であろう。戦前の1939年(昭和14年)に完成、ダム高73.5mは戦前に建設されたダムでは全国4番目、四国では飛び抜けて高いダムということで、2002年度の「土木学会選奨土木遺産」に選定されている。

コンクリート配合の計画は、朝鮮半島の赴戦江ダムや静岡県・大井川水系の千頭ダムの建設に携わった技術者を招き、検討させている。その報告書として、土木学会に昭和15年2月の論説報告として「四國中央電力大橋堰堤コンクリート配合に就いて(著者瀬戸角馬)」がある。内容を拝見すると、既に「水セメント比」を用い、シュート打設であるためスランプ10cmで検討している。

あるマスコミには、「コンクリートは100年もたないのでは?」と掲載されているが、73年前に建設されこのダムを見るべきである。恐らく数百年は、逞しくて美しい姿を保っていると信じる。
当ダムは揚水式水力発電専用で、恐らく、去年の電力不足に役に立ったのではと思う。
撮影時、地元の方がダム直下で遊泳していたが十分に注意が必要である。
「皇紀二千六百年十月竣功」の文字

レトロな照明装置
(これは、「月刊ダム日本」からの転載です。)
[関連ダム]  大橋ダム
(2013年11月作成)
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