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ダム温故知新
《第8回》 大城池を訪ねて

写真・文 安河内 孝

上流には間知石が隙間無く張られ、まさに『城壁』の趣きを呈する
兵庫県洲本市の資料によると、淡路島の中でも特に水不足が深刻であった洲本市大野では、6アール毎に井戸を掘り、人力により一日400回もの汲み上げを行っていたと言われている。そのために数多くの溜池が建設され、その中でも当ダムは、壮大で城郭の如く、また堅固、緻密で丈夫の意味から「大城池」と命名されている。明治45年に計画が持ち上がり、いろいろな問題を解決し昭和3年に完成、更に5年後増築工事が行われ、ダム高35.5mとなっている。上流側には間知石がびっしりと敷かれ、正に城郭の石垣と見紛うばかりである。また、大型重機が無い時代に、このような大きなダムを建設するとは驚きである。

設計は、上田池(こうだいけ)ダムを設計した「伊藤真雄」である。取水設備の入口に「近藤仙太郎」の名前が有り、調べると明治から大正時代に利根川・大井川・天竜川などの改修で活躍している。何故、このダムに関係しているかは不明である。

当ダムの下流には、鮎屋川ダムが建設されている。


そびえ立つ取水塔
近藤仙太郎書の文字

洪水吐き』はまるで天然の滝そのもの
(これは、「月刊ダム日本」からの転載です。)
[関連ダム]  大城池
(2012年9月作成)
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