先日5月30日に、第1回ダムマイスター情報交換会がありました。その際安部塁さんより、現地の方からのヒアリングの結果、三重県山郷谷池の場所は、B地点ではないかとの報告がありました。
A地点(国土地理院地図)
B地点(国土地理院地図)
googlemapで両地点
私自身まだ三重県には一度しか行ったことが無く、山郷谷池にも、以下に出てくる場所にも、なに一つ足を運んで見ていないので、あまりどうこう言える立場ではないのですが、ネット検索の結果、山郷谷池の場所はB地点ではないかと思うようになりました。 安部塁さんの現地の方からの情報が正しいのではないかと思うのです。
検索結果を以下に並べます。
津市地域防災計画 資料編 20 急傾斜地崩壊危険個所〜35 し尿処理施設の処理応力 の191ページ(PDF)によると、
番号 ため池名称 所在地 受益面積(ha) 貯水量(m3) 提高(m) 提長(m) 236 山郷谷池 美里町船山 2.00 12,500 7.50 40.00 237 大日池 美里町船山 2.00 13,000 5.90 49.50
とあり、美里町船山には二つの溜池がある事がわかります。 美里町船山にある溜池は山郷谷池と大日池の二つで、どちらかがAでどちらかがBのダムということになると思います。
ここで大日池を検索してみると、 美里町の探検日記 大日池(船山)と言うページがあり、このサイトは地元にお住まいの方のホームページのようで、
「美里町船山、集落内の坂道を山の上に向かって登っていくと、大日堂の上に池があります。大日池(だいにちいけ)です。 大日堂も大日池も、大日如来(だいにちにょらい)にちなんだ名前です。」
と名前の由来もしっかり記載されており、あわせてフォトアーカイブスの写真と同じ構図の写真が掲載されています。 つまりA地点は大日池なのです。
そして消去法で、Aが大日池なら、Bが山郷谷池と考えていいのではないでしょうか。
ただ最大の問題点は、山郷谷池、大日池ともに、堤高が15m以下と記載されていることです。 (提の字が間違っているのはよくある事ということで) 引用元の資料がどこまで正しいのかという点は、精査の余地があるかもしれませんが、資料は地元津市が発行する「津市防災計画 資料編」であり、地元行政機関が現在「15m以下で管理している」、と宣言しているようなものですので、これを覆すことはなかなかできないのも現実と思われます。 (もちろん資料の記載ミスという可能性もありますが・・・) 加えて、この「津市防災計画 資料編」で他のダムを調べると、惣谷ダム(14.98m)、二俣ダム(8.00m)が15m以下ということになっています。
位置探しにおいてわからないダムは堤高15m以下だったので調査終了、という考えは解決結果としてバッドエンドに思えてしまうのですが、上記資料が存在していることもひとつの事実です。 そして改めて、ダム年鑑及びダム便覧以外に情報のまとまった資料を探すことが難しいと思い知らされるのです。
それにしても、フォトアーカイブスの写真を見ると、惣谷ダムなどは規模が大きく15m以上堤高があるように見えるのですが、 皆さんはどう思われましたか? 今度は自分自身で現地へ行って確認したいところです。
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