どんなダムキーワード検索:自然を守る・自然を生かす


青野
(あおの)
兵庫県
多自然型魚道公園
魚道とともに、木や植物を一緒に植えて、魚だけでなく昆虫や鳥などいろいろな生物が住みやすいように周辺の自然に近い状態に整備した公園。魚道は長さ652m、高低差が18m。できるだけコンクリートを使わず、自然石を敷き詰めて階段状にして瀬やふちを作っている。平成15年に、土木学会関西支部技術賞を受賞。
阿多岐
(あたぎ)
岐阜県
湖上に浮島
ダム湖に緑の浮島。失われつつあるビオトープを復元し、自然環境や生体系の保全を図ろうとするものだという。植物が植えられている。
飯田
(いいだ)
茨城県
自然共生型ダム
ダム湖である笠間湖は、手のひらのように多くの沢が入り組んで、水深も浅く、沢水も適当にあり、水生生物、小魚が生息するには絶好の場所。水鳥と魚の浅瀬、湿生植物園と階段護岸などをきめ細かに整備し、生態系の保全と自然との共生を目指す。オイカワ、モツゴ、コイ、フナ、ゲンゴロウブナなどかなり多種の淡水魚が生息。野鳥も多く探鳥会の適地。
猪野
(いの)
福岡県
蛍が飛び交うダムの周辺整備
典型的な都市型ダムだが、自然が残る。自然と人とのふれあいを基本とする環境づくりに取り組む。ダムサイト下流域ではゲンジボタルが飛び交い、「ホタルの里」として知られる。公園やキャンプ場も。
浦山
(うらやま)
埼玉県
ブラックバス放流禁止
生態系保全の観点から、秩父さくら湖(浦山ダム湖)では、県条例によりブラックバス等の放流を禁止。また、ブラックバス等を対象とした釣りも禁止。
小里川
(おりがわ)
岐阜県
法面の岩盤を大規模に緑化
長大法面の岩盤緑化のため、ジオファイバー工法を採用。ジオファイバー工法とは、砂質土と連続繊維を噴射、混合させて、自立性のある補強土壁を構築する工法。従来のブロック積み擁壁などに替わり、環境にやさしい。岩盤面に人工の表土層を構築、中低木類のポット苗を植栽。周辺自然林とマッチした景観を創出。
月山
(がっさん)
山形県
ヤナギで貯水池内の裸地化を防ぐ
貯水池内の緑化対策としてヤナギを使用。ヤナギは耐水性があり、貯水池内の裸地化を防ぐのに、効果が高い。
金原
(かなばら)
長野県
堤体盛立材料のほとんどを現地発生材を使用
堤体盛立材料のほとんどを本体と貯水池の掘削発生材を使用。原石山はもうけず、周辺環境の改変が少ない。
川上
(かわかみ)
三重県
オオサンショウウオの保護
水没予定地に国の天然記念物のオオサンショウウオが生息している。その保護に向けて、専門家による委員会を設け、調査が実施されている。
川俣
(かわまた)
栃木県
清流を回復
ダム下流の清流の回復を目的に進められいた「川俣ダム水環境改善事業」が平成16年4月に完成。毎秒0・453立方メートルの放流が可能になった。事業の一環として新つり橋「瀬戸合峡 渡らっしゃい吊橋」も、景勝地・瀬戸合峡に整備され、オープン。
漢那
(かんな)
沖縄県
自然観察・レクリエーションの場
水生動物を観察できる第二貯水池(ふれあい公園)、魚やエビが海と川を行き交えるような魚道、昆虫の住み家になるシェルター、マングローブ林などが周囲の自然を生かした施設が整備され、貴重な自然観察やレクリエーションの場に。
漢那
(かんな)
沖縄県
マングローブ林の復元
ダム建設前は、現在のダム堤体付近までマングローブ林が分布。これを復元。ダム下流にメヒルギなど6200本を植栽。復元されたマングローブ林では、潮が引くとカニ類やハゼ類が歩き回り、潮が満ちてくると海から小魚などがやってくる。
漢那
(かんな)
沖縄県
ビオトープ創出の先駆け
漢那ダムの第二貯水池(めだかの学校)は、環境整備のため造成した人工の湿地帯。元々小湿地帯だったが、単にそのまま残すのではなく、堰を設けて水位を上昇させて水域の拡大を図り、湿地性を好む生物たちに多様な生息環境を創造。水生生物や鳥類の格好の生息場所となっており、特にトンボは沖縄にいる46種類のうち32種類を確認。我が国のダム事業におけるビオトープ創出の先駆けとも。
漢那
(かんな)
沖縄県
カニやエビが通れる魚道
河口から近いため、カニやエビ、ハゼなどの河川と海を回遊する生物の移動に影響が及ぶ。これら生物が海と川を行き来できるようにする魚道を整備。ハイダムでの魚道整備は国内では初めてというが。魚道の底には常に適度な水が流れる。途中には上り降りのための小さな石や、休憩できるような小さなプールも。
小田
(こだ)
宮城県
水没による自然環境への影響をできる限り低減
ダムが建設によって水没する地域ができ、それによって自然環境が影響を受けるが、できる限り影響を低減するために、現状の調査と予測評価を行い、それに基づいて保全対策が行われた。たとえば、水没によって消失が予測されるオミナエシ、リンドウ、サクラスミレなどの植物は、環境が似ている周辺に移植された。
サンル
(さんる)
北海道
ダム湖岸の緑化には「生態学的混播法」
ダム湖岸の緑化は、「生態学的混播法」という新しい手法で実施。周辺の森から種を採取、それをまいて苗を育て、できた苗や種をランダムに植える。ダム完成前の早い時期から小さな苗を植えるので、ダム完成時に大きな木を植えるよりも確実で、コスト的にも有利だという。
摺上川
(すりかみがわ)
福島県
一つの材料山から各種材料を分別採取
一つの材料山からロック材、フィルタ材、コア材コンクリート骨材等の材料を分別採取。材料山を複数造るのに比べ、自然改変を最小限に。
摺上川
(すりかみがわ)
福島県
森づくり大作戦
NPOを始めとするボランティアの協力によって「森づくり大作戦」を実施中。工事用地などに自然の森をよみがえらせるプロジェクト。まず苗畑で木のタネを播き、苗を作り、ダム湖周辺の森づくり予定地3カ所に植える。平成14年10月12日には、福島市飯坂町の専用苗畑にNPO・市民団体など約500人が集合。ミズナラやコナラ、トチノキなどの木のタネを播いた。
摺上川
(すりかみがわ)
福島県
水位変動の幅1.5mで環境に優しい
洪水調節用のダムは、雨が多い洪水期間に入る前に貯水池の水量を減らし、大雨を貯める容量を確保。このため、貯水池の水位は、洪水期間の前には低く、洪水期間を過ぎると高くなる。水位変動によって、貯水池の岸には植物が少ない部分ができる。摺上川ダムは、水位変動の幅が僅か1.5m。植物が生えにくい部分の面積が小さく、環境にやさしい設計だという。
帝釈川(再)
(たいしゃくがわ)
広島県
大規模な仮設構台を設置して工事を実施
急崖が連続する急峻な地形にあり、また、名勝・国定公園で自然改変は最小限に抑える必要があることなどのため、貯水池内やダム下流面に大規模な仮設構台を設置してコンクリート打設などの工事を行った。
大保
(たいほ)
沖縄県
特別天然記念物ノグチゲラを保全
「ノグチゲラ」はキツツキ科の希種。国の特別天然記念物で、国と県から絶滅危惧種に指定されている。北部ダム事務所は北部地域の森林に平成元年からノグチゲラの生息地に人工営巣木を設置してきた。大保ダム流域は沖縄本島のノグチゲラ分布域の南限とされる。大保ダムでは保全対策要綱を策定して、ノグチゲラ保全対策を進める。平成10年4〜5月には、平成8年に北部地域の森林に設置した人工営巣木で、ノグチゲラの営巣と繁殖が確認された。
滝沢
(たきざわ)
埼玉県
表土まきだしで自然を回復
工事跡地の自然を回復するため、工事による掘削場所の表土を集め、まきだした後、放置する。次第に地域本来の自然が形成される。
苫田
(とまた)
岡山県
骨材に河床砂礫を利用
ダム本体コンクリートに使用する骨材は、水没予定地内から無破砕で良質な河床材料が充分確保出来るので、これを利用。従来実施されている原石山からの採取に比べ、原石山の用地取得・骨材採取後の景観整備等の必要がない。コスト縮減にも。
中筋川
(なかすじがわ)
高知県
ダム湖は「蛍湖」
平成10年、一般公募により命名。ダム湖周辺に生息するホタルをいつまでも見られるよう、現在の自然環境を保全したいという願いが込められているという。
灰塚
(はいづか)
広島県
ゲンジボタルを移転
ダム湖に沈んだ上下川のゲンジボタルを水没住民の集団移転地であるニュータウン「のぞみが丘」にある人工の河川、杉谷川に移し、幼虫の餌になるカワニナも放流した。毎年、6月になると淡い光を放ってゲンジボタルが舞う。
八田原
(はったばら)
広島県
ギフチョウ保護区
ダム建設によりギフチョウの生息地が水没。このため、専門家による委員会の指導の下に、近くの水没しない斜面にギフチョウ保護区を設け、そこにギフチョウの卵、幼虫を移動。毎年20〜30個体が安定して確認されているという。一方、幼虫の食草となる ミヤコ アオイ は、徐々に減っていることから、継続的な環境作りを目指す。
早池峰
(はやちね)
岩手県
周辺環境と調和した親水公園
ダム湖の上流端に平成6年度から親水公園を整備。周辺に自生していた樹木の移植や、自然石を配置した河道設置など周辺環境に違和感の生じない配慮。
福智山
(ふくちやま)
福岡県
自然景観を守るため水位よりも上は山を切らず
北九州国定公園 の中に位置しており、自然景観を守るため、水位よりも上となる部分は、いっさい山を切らないで工事。すべての仮設備をダム上部外周よりも下の位置に。コンクリートバケットや資材を運ぶのに大活躍するケーブルクレーンも設置せず。施工法はダンプ直送方式によるRCD工法を採用。
豊平峡
(ほうへいきょう)
北海道
無公害電気バスが走る
ダム下流の冷水トンネル前からダムサイトまでは、環境保護のため、無公害電気バスが運行されている。国内では珍しい。
堀川
(ほっかわ)
福島県
原石山がない
ダムは須火山の火砕流堆積物地帯に建設。近くに堤体盛り立て材料となる原石山適地がなかった。下流芝原、追原地区の農地に堆積している阿武隈川の旧河床砂礫を堤体材料に使用。自然環境の改変を軽減できた。
味噌川
(みそがわ)
長野県
貯砂ダムには渓流魚に配慮した魚道
貯砂ダムは上流から河川によって運ばれる土砂をダム湖へ流入する前に貯留、定期的に堆積土砂を搬出することにより、ダム容量を保全。貯砂ダムの魚道はイワナ、アマゴなどの渓流魚に配慮したもの。
箕面川
(みのおがわ)
大阪府
自然回復工事を実施
ダム建設に際しては、国定公園内のダムであるため、事前に自然環境の調査研究を行う。それに基づき各種の自然回復工事を実施。平成5年に環境庁(当時)後援の「環境賞」を受賞。
宮ヶ瀬
(みやがせ)
神奈川県
ビオトープの整備など環境保全に努める
丹沢山系での事業でもあり、自然環境に配慮。動植物の生息地の保全・復元を図るビオトープの整備を実施。沢の流れを復元したり、湿地を造成したりした結果、多様な植物が育ち、野生動物の足跡が見られるようになったという。
森吉山
(もりよしざん)
秋田県
エコダムへの取り組み
大和
(やまと)
鹿児島県
希少動植物に配慮
自然豊かな奄美大島にある。ダムの計画時の調査によって、23種類の希少動植物の生息が確認された。建設に当たっては、希少動植物に最大限配慮し、自然改変面積の最小化、小動物用の道路法面スロープの設置、希少植物の移植などのきめ細かな対応を行った。
八ッ場
(やんば)
群馬県
吾妻峡を残すためダムサイトを変更
ダムサイトは当初、地形・地質上最も有利な位置に計画したため「名勝吾妻峡」のほぼ中央部にあったが、吾妻峡を最大限残すために、昭和48年に約600m上流の現ダムサイトに変更。吾妻峡の指定区域約3.5kmのうち下流側の約4分の3は現況のまま保存される。吾妻峡のうちでも最も観光客が訪れる「鹿飛橋」付近は、手を加えない。
横川
(よこかわ)
山形県
大規模なビオトープづくり
平成10年度から、ダム貯水池上流の津川橋付近にある約3ヘクタールの敷地で、「叶水ふれあい生物村」という名のビオトープづくりを始めた。トンボ池、ドジョウの水路など。地元の小中学生などが参加して自然観察会やビオトープ整備が。
余地
(よじ)
長野県
カタクリの移植大作戦
余地ダムの建設により、カタクリの群生地が水没する。2002年6月20日、これを守るため「カタクリの移植大作戦」を実施。前年に続き2回目。県建設事務所、役場、みどりの会、商工会、観光協会が協力。