with Dam☆Night 第2夜(10月26日)は、テーマが「水力発電」。前日は、出だしトラブルがあったり、大幅に時間超過で終了が遅くなったりしたので、この日はそのようなことがないよう周到に?準備をしたようだ。この日の進行役は、ダム協会の廣池さん。順調に進んだが、何せ講演者が7人もあり、それぞれ熱演、多少の遅れは致し方がないだろう。講演のトップは、「キーノート」ということで、(株)開発設計コンサルタントの藤野浩一さん。
冒頭、主催者の挨拶があった 藤野さんは、J-POWERで長年に渡って水力発電に携わってこられた方。水力発電の基礎から最近の話題まで、要点を逃さずコンパクトに説明して頂いた。中で、しろうとなりに印象に残ったのは、水力発電は他の電源に比較して優れているにもかかわらず、日本では十分に理解されていないといった趣旨のことを説明された点だ。以下に一部の紹介を試みるが、なにぶん知識不足、記憶も不鮮明で、不正確な点はご容赦頂きたい。
講演の様子
■エネルギーの分類
いろいろな言葉が使われていて、混乱がある。 「新エネルギー」といわれることがあるが、これは日本特有の表現。風力、太陽光などが含まれるが、水力は小規模水力のみが含まれる。 「再生可能エネルギー」を重視するのが世界的な流れ。太陽光、風力、水力、地熱、バイオマス、潮力、波力、海洋温度差などが含まれる。
■電源別ライフサイクルCO2排出量
各電源について、ライフサイクルで見たCO2排出量(2009年時点)を電力中央研究所が最近推計・公表している。火力はCO2排出が極めて多い。水力は最小で、際だっている。2000年のものと比較すると、水力は変わっていないが、他は減少している。前提となった耐用年数を調べてみると、水力は40年。実態はこれより長いだろうから、それを織り込めば水力の数値は、もう少し小さくなるだろう。 いずれにしても、CO2排出量の面では、水力は圧倒的に優位だ。
■OECD国別水力発電量
世界を見ると、ノルウェーは発電はほぼ水力でまかなっている。カナダ、オーストリア、スイスは、50%以上が水力。日本はわずか5.8%。アメリカと並んで最も低い。 水力発電の優れた特性を認識し、サステイナビリティ、世代間倫理などの観点から、さらなる水力活用の道を探るべきだ。
■水力発電所の分類
水力発電の出力は、流量と有効落差と効率で決まる。 水力発電所は多様だが、河川流量調整能力と落差を得る方式によって分類できる。図の○印が多いもの。他に、規模による分類が行われることがある。
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