プロローグ 御神輿は、みんなで担ぐから楽しい。ダム工学会20周年記念事業、一般公開シンポジウム“with Dam☆Night”も各方面からの協力を得て全四夜を無事、終えることが出来た。全回、予約時点で満員御礼。参加者総数400名という当初予想を上回る成果が得られた。
活性化委員会 一昨年9月、記念事業の企画を決めるための活性化委員会が開かれたが、なかなか提案が出ずに沈黙が流れていた。意を決して、関連分野と提携して幅広い分野から講師を集めて開く市民参加型の一般公開シンポジウムを提案した。 「全面的に賛成、ぜひ4回位はやりましょう」と隣の委員から強力な支援発言が出た。「4回もやれるかな」と思わず耳を疑った、年に一度の講習会の企画運営でも大変なのに。いつも、提案した者が中心になってやる習いだった。 確かに1回限りでは広報のインパクトが乏しい、数回やればダム広報の新機軸も見えてくるかもしれないと、そんな予感もあった。私を含めた3名の委員も決まった、その後数え切れないメール交信をすることになる。その成果が文殊の知恵となり、成功への礎になっていった。
軌道に乗る 是非成功させたいが、企画内容、予算、マンパワーなどの課題は山積していた。大体、一般市民が来てくれるのだろうか、不安も大きかった。 おもしろい企画立案、コストダウンの徹底、総力体制の構築がこのイベントの成功への鍵だ。ひとつひとつ解決してゆくしかない。 一方、このイベントが当たる予感もあった。 「ダムファン」が100名ほど集まって、飲んで、食べて楽しくダムを4時間も熱く語りあう集いを知っていたからだ。「ダムファン」には大きなパワーがある、数百のダムを見たというスゴイ方々がいる。ダムの知識も豊富で正確、そして若い。観客には20代の女性も参加しているではないか。我々の知らないダムの世界があった、彼らのダムへの熱い思いにひかれた。ダムファンとダム専門家が組む、そこへ市民の方々に来ていただく構図だ、きっと楽しく学ぶ ことができる。 このイベントの目的を「ダムに関心を持って、見に行くこと」とし、「ダムへの架け橋」と設定した。開催時間を仕事帰りを想定して、ウイークデーの夕刻6時から8時半頃とし、“with Dam ☆Night”と命名した。
案内フライヤー(表)
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「起承転結」構成 4回ならば「起承転結」構成にしたい。検討の結果「歴史的ダム構造物」、「水力発電」、「RCD Now , CSG Now」、「利根川・荒川の治水と利水」とした。予算が心配だった、どう見ても百万円はかかる企画だ、足りなければ3回にして「ホップ、ステップ、ジャンプ」にしよう。多くの方々が気軽に参加できるように参加費無料で、軽食・ドリンクサービス付き、100名規模という原案にした。
コストパフォーマンス 会場費の節約では、東京大学が思い当たった。学会の事務局であるダム技術センターから徒歩圏で何かと便が良い、コネクションもあった。調べると通常の貸し会場とは桁違いの安さであった。講師経費では、特に交通費が大きい。ダム現場から来て頂く講師にはCMED会の協力によって、大幅なコストダウンが叶った、ありがたいことである。その他、さまざまな工夫を重ねた結果、百万円を大幅に切る予算で4回開催の目途が立った。画期的なコストパフォーマンスである。
シンポジウム シンポジウムとは古代ギリシャでは酒宴のこと、胸襟を開いて語り合おうという趣旨である。帰宅前に、3時間近くお付き合いして頂くためには、ビール、お茶とサンドイッチは出そう。会場の前室なら飲食OKだ、東大御用達の商店なら会場まで配達してくれる。第四夜を除き、キーノート、ダムファン、プロフェッショナルが三本柱になって、テンポ良く講師が入れ変るプログラムを組んだ。
WEB中継−白馬の騎士現れる− ダムファンの「ダム日和」さんから全四夜WEB中継の申し出を頂いた。会場へ来ることが出来ない方々へのサービスになった。後日、遠方の方から感謝の声が届いた。きっと、海外のダム現場の方々にも見て頂いたことであろう。 これからの、広報メディアとして大きな可能性を感じた。
颯爽と現れた白馬の騎士 参加者構成 開催は10月末と11月末に2回ずつの計4回とした。案内は8月下旬開始、ネットでフライヤー(チラシ)を格安で3,500部調達して利根川、荒川流域1都5県、都内下町8区および9大学に配布。ダム工学、ダム日本及び関連機関のHPにも掲載。参加は申し込み制で前半2回は100名で締め切った。しかし、欠席者が20〜30名出て、空席が目に付いた。後半2回は、前半の歩留まりを考慮して120名まで増員して締め切った。おかげさまで満席になり、当日参加者には立ち見の方もでた。 参加者総数400名余り、講師総数23名という一大イベントであった。参加者構成も一般参加者が半分強、学会員が半分弱と一般公開シンポジウムの目的を達成した。
入江会長の挨拶 御神輿をかついでくださった方々 ダムファン、電力土木技術協会、建設コンサルタンツ協会、ダム工事総括管理技術者会、日本ダム協会、ダム工学会のみなさま 「ありがとうございました」
エピローグ 私のwith Dam☆Nightメール交信数は500通を超した。最初から分かっていれば、きっと尻込みをしていた。 多くの方々が、御神輿をかついで頂いたおかげで達成できた大仕事。 やって良かった、やれて良かったと感慨もひとしおです。
満席立見会場、TV録画とWEB中継も
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