7月14日(月)の夜、東京人形町の日本橋社会教育会館で「-with DAM☆NIGHT 2014-」が開催された。東京での wD☆N は今回で4回目。最初の wD☆N が開催されたのが、2010年10月。ダム工学会20周年記念として行われた画期的な試みだったが、東京で始まり、その後京都などでも開催され、近く大阪でも、さらに東北、九州と全国へ拡大の兆し。
一筋の流れが、次第に確固たるものとなりつつあるように思える。何を目指して初めたのか、今後の展開は?など様々に興味がわく。そこで、当初からこの枠組みを企画し、運営に当たってきたサブローさんにメールインタビューを試みた。
Q.始めたきっかけは。
市民の方々にダムをより身近なものとして知って欲しいという、ダム広報についてアンテナを張っていました。 5年程前、ダム工学会20周年記念事業の企画を活性化委員会で検討することになり、私から「ダム大研究e図鑑」と「wD☆N」を提案しました。
「ダム大研究e図鑑」を提案したのは、ダムをテーマにした図鑑が未だ無かったからです。そこで、小学生高学年から大人までを対象として、ネットで見ることが出来る図鑑を提案しました。会員各位多くの方々の協力を得て完成し、現在ダム工学会のホームページに掲載されています。まずは、これで予備知識の習得はOKです。
ダム大研究e図鑑(ダム工学会のサイトより) しかし、何と言ってもダムの本当の魅力・迫力・感動を実感するには百聞は一見に如かず、「一度ダムを見に行こうか」という気になって頂くことがダム理解への第一歩です。実際にダムを見て、感じることが大切です。ダムワールドの奥深さにも気付かれることでしょう。 最近の学生から「家の蛇口から水が出るのでダムは要りません」といった声が聞かれるそうです。まさに、「現(うつつ)を抜かす」状況が出てきました。ダム工学会としては忸怩たる思いでしょう。
Q.狙いとかコンセプトについて教えてください。
wD☆Nは、多くの方々がダムへお出かけ頂くための「架け橋」です。魅力的なダム、楽しいダム、感動的なダムを多角的にご紹介します。会場には笑顔と感動の花が咲いています。お勤め帰りの方、ご家族・ご近所・職場の隣人・友人等お誘い合わせの上、お越し頂ければ幸いです。 入場無料、軽食ドリンク付き、途中出入自由、お気軽に。出演者もダムファン、イケメン?そしてダム専門家等多彩です。
Q.東京では今年が4回目になり、そのほかに京都などでも開催され、今年は大阪でもやるようです。こんなに定着すると思いましたか。
20周年記念事業として実施した最初のwD☆Nは、起承転結の4部構成で4夜開催しました。確かな手応えと成果があったのでやって良かったという実感がありましたが、ハードな仕事でした。ところが、翌年「今年もやってください」と学会から要請があったのでとまどいましたが、1夜ならばとお受けしました。
最初のwD☆N(2010年10月、東京大学工学部1号館) wD☆Nの良いところは、コストパフォーマンスの良い点。毎回130名程度の来場者があること。ustream中継で遠隔地の方でも見ることができます。ダム日和さんに中継して頂いたwD☆N2014もネットにアップされましたので、いつでも、海外のダム現場の方でも視聴できます。
多くの方々の関心が高まってきましたので、全国へ広がりそうです。各地区で少しづつスタイルは異なりますが、すでに京都、大阪、名古屋で開催されて好評だったようです。さらに、北海道、東北、九州でも計画が進んでいるようなので全国展開も近いと思います。
wD☆N in Kyoto(2012年6月、京都駅ビル・イベントスペース) Q.今回何か変わったことがありましたか。
国交省の方に「ダムを見に行こう」というテーマで琉さんと競演して頂いたことです。政権の都合で凍結されていたダム事業にも春が訪れて軌道に乗り始めました。国交省関係のダムも開放的になり観光客に門戸を開きました、画期的なことです。
心配なこともあります、会場の都合で軽食・ドリンクサービスの中止要請がきました。来年からは、サービスが出来ないかもしれません。 よりおもしろいものに挑戦しなければならない…と覚悟しているところです。
第4回のwD☆N(2014年7月、東京・日本橋社会教育会館) Q.将来構想は。このまま続くのでしょうか。
長続きしそうな気がします… 平成3年頃、宮城県の宮床ダム建設で地元の治水の民話の主人公サブローを発掘してダムのシンボルキャラクターにしました。大和町の方々に可愛がって頂いて、ダム完成後も地元大和町のアイドルになりました。今も町のシンボル、さらにはゆるキャラ「サブロー」として大和町発展のシンボルとして活躍しています。 平成18年に始めた「ダムなんでも相談室」も後継者の方々に続けて頂き、毎年好評のようです。今年も有楽町国際フォーラムで開催が決まり、多くの親子連れが来そうです。
wD☆Nの歩みにも確かなものを感じます。ダム工学会、CMED会、建設コンサルタンツ協会、ダム協会の方々に支えられて今後益々発展してゆく事を期待しています。 みなさまの、ご支援をよろしくお願い申し上げます。
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