毎年実施している「日本ダム協会ホームページ写真コンテスト(D-shot contest)」だが、早いもので今年で11回を数える。今回の入賞作品を、日吉ダム管理所のご協力を頂いて、4月20日から8月末日まで、日吉ダム堤体内のインフォギャラリーに展示し、併せて初日には、日吉ダムを間近に望む道の駅「スプリングスひよし」でオープニングイベントを実施した。これらの準備と実施のために、19、20日の両日、日吉ダムに行ってきたので、その状況を報告する。
■4月19日(土)〜展示会の準備
昼過ぎに「スプリングスひよし」に到着。駐車場に車がだいぶいる。この日は土曜日なので、客が多い。天気もよくて、季節柄こいのぼりが泳ぎ、日吉ダムも間近に望める。
人気の「ゆっぴー」。普段は入口近くに置いてあるそうだが、この日は土曜だからなのか、動き出し、あちこち回ってサービス。昼食はやはりダムカレー。食べるとオリジナルカードがもらえる。
「ゆっぴー」は南丹市観光大使。ひよし温泉がとても好きで、あまりにも温泉の気持ち良さに長湯し、身体がふやけて風呂桶から抜けなくなったひよこなのだそうだ。 |
きれいにできていて、彩りもいい。かなりボリュームがある。ダムカード風のカードが。 |
管理所に行き、打合せ。その後、インフォギャラリーで準備。インフォギャラリーは、相当に立派なもの。監査廊をイメージしていたが、監査廊兼用だろうが、展示スペースとしてよく整備されたスペース。写真の展示には十分だ。作業は、これに限らず全般的に管理所の方が手伝ってくれた。
入賞作品は15点。あらかじめ額装して送ってあった。まず、下に並べて位置決め。 |
順次つり下げていく。つり下げるためのケーブルの位置を左右にずらして合わせるのが結構な手間。 |
作品はセットされたが、あとは照明。これが大変だった。倉庫から照明装置を持ち出して、高いところにセットし、向きを調整する。 |
そうこうしているうちに人が来た。観客第1号? まだ正式には始まっていないが。 |
思ったより手間がかかり、管理所の方の強力なお手伝いを頂いたが、かなりの時間がかかった。でも、整然と展示できて、これで展示会の準備は整った。一安心。
■4月20日(日)〜展示会スタート、オープニングイベント開催
この日は事前の天気予報ではあまり天気がよくなかった。しかし、一時的に多少雨がぱらつくことはあっても、本格的には降らず、支障はなかった。インフォギャラリーは朝10時から一般の人が入れる。そのころ行ってみると、すでに客がいた。正式には、展示会は11時からとしていたが、その前から見て頂いていっこうに差し支えはない。11時には特に何もしないし、我々はイベントの準備でスプリングスひよしに向かった。
朝10時、インフォギャラリーオープンと同時に来客。一枚一枚、珍しそうに見ていく。 |
スプリングスひよしの2階がイベント会場。着くと、椅子が雑然と並んでいる。どこに何を置くか、プロジェクターはどうするか、椅子の配置はなど、試行錯誤で決めていく。総合司会の夜雀さんは、もうすでに来ていた。そうこうするうちに、ダム好きの方々も到着し、椅子を並べるなどの手伝いをしてくれた。スプリングスひよしの職員の方はどなたも大変親切だ。何か頼むとすぐに対応してくれる。
セットが終わり、出演者が事前打ち合わせをしている。 |
スクリーンの下には、さりげなく「2013ダム大賞」のトロフィーが置かれていた。小さいが、精巧にできている。 |
そしてイベントが始まる。総合司会は夜雀さんだが、単純に司会をするのではなく、随所で自ら発言し、出演者を兼ねる。 冒頭、ダム協会から挨拶。まず、出演者変更のお詫び。この日予定では、審査委員長である土木写真家の西山芳一先生が出席することになっていたが、先生の近親の方にご不幸があって、突然来ることができなくなった。急遽、審査委員の埼玉大学教授の窪田陽一先生においで頂いた。その後ダム協会の写真コンテストの特徴、審査の仕方など。
ダム協会から挨拶。 |
続いて表彰式。今回、入賞作品は15点だが、ダブって入賞した方がおられるので、入賞者は11名。この日、そのうち6名の方がご出席。中には、遠路山形県からという方もおられた。一人一人に、窪田先生から表彰状と、副賞として西山先生の写真集「美しい土木・建設中」が手渡された。
表彰式。窪田先生から入賞者へ |
次に、入賞作品の紹介。スクリーンに入賞作品が順次映し出され、それぞれに、窪田先生がコメント。そして夜雀さんがダムについて解説。その作品の撮影者(すなわち入賞者)が出席している場合は、どうやって撮ったかなどを撮影者が自らコメント。窪田先生のコメントは、そういう見方もあるんだなと、見方、感じ方の深さに驚かされた。入賞者の中には、偶然撮れたというコメントもあったが、それぞれがいろいろな意味で大変な努力をしていることが本人の口から語られ、当然だが、やはり入賞は簡単ではないんだとの印象を強くした。
出席した入賞者は、自分の作品についてコメント。 |
そして、今回最優秀賞を獲得し、そのほかに4作品が入賞した清水篤さんが登場、自らの作品について語った。内容は簡単には要約困難で、賞をたくさん取ったのが頷けるようなものだった。紹介できないのが残念。何かの機会に写真コンテストに挑戦する皆さんのために文字にしてくれないだろうか。この場で聞けなかった方のためにも。
最優秀賞を獲得した清水篤さんが、作品について語る。 |
最後は、日吉ダム管理所の稲葉所長が講演。ダム大賞にもなった昨年の台風18号の時の洪水調節が中心だった。如何にがんばったか、ぎりぎりのところまでやって、下流の被害を食い止めた。
稲葉所長が、昨年の台風18号の時の洪水調節について講演。 |
以上でイベントは終了。写真はいろいろな目的で撮られるが、コンテストに出すような写真を念頭に置いたとき、どうすればいい写真が撮れるかについて、他では得られないような話がたくさん聞けたように思う。コンテストを目指す人にとっては、大いに有意義であったのではないか。私も、会場の様子を撮らなければいけないのに、それを忘れて聞き入ってしまった。 展示会をやるのは、昨年の宮ヶ瀬ダムに次いで2回目、イベントをやるのは今回が初めてだったが、ちょっと気が早いが、これなら来年もどこかのダムで是非同じようなことをやりたいと感じた。適当なダムがあったら、ご推薦ください。
写真コンテストはこれからも毎年実施しますので、是非挑戦してみてください。ネット上で応募でき、簡単ですから。 展示は8月末日まで続きます。日吉ダムまで、足をお運びください。 最後に、ご来場頂いた方々、お世話になった方々に感謝しつつ、報告を終わります。
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