つい最近もTVで放映された人気の「ダムカレー」。一体どういうものかを、ダムを施工する人達にも紹介してみると、是非見てみたいし、食べてみたいということになり、CMED会関係者や専門技術者も交えてのカレーツアーが企画されました。今回は、特別にダムカレーの施工現場を、間近で見学させて頂けるとういうことになり、これは放っておけないと、今回で3度目の私もダム好き料理人が経営する「三州家」に出かけてきました。
ご存じのとおりダムカレーは、正式のメニューには書いていない隠しメニューで、こっそり注文します。(が、最近は人気が出たためか要求するとちゃんとしたメニューがでてきますが・・・)カレーは美味しくて丁寧に作られている感じ。どちらかというと和風味のカレーです。ご飯の盛り形状は、ダムの型式によってアース、ライスフィル、アーチ、重力式の4種類あり、それぞれご飯の量が違うので値段が違います。中でも人気があるのは、見た目も美しいアーチ式ダムカレー。真っ白なご飯の堤体の中央部に盛り付けられた福神漬けは洪水吐を模しているとのことです。 ■実際の施工手順をご紹介します。
施工するにあたり、ヘルメットに見立てた白い布を頭に巻き、首からタオル、両手にシャモジを持って「宮島氏」が登場。今回の施工例は、アーチ式ダムカレーです。
(施工現場レポート)
・ご飯をどんぶり型に流し込み、手早く大小のシャモジローラーで少しずつ締め固ていく。
・周りから「オーバーハング」がすごい!との声があがる。
・難しいのはフーチングの部分、端にご飯が寄ってしまってなかなか真ん中にいかない。(これは実際の施工でも難しいとの声があがっていました)
※フーチング:擁壁などの構造物について、安定させる目的で基礎の部分を大きくしてあることがあります。この部分のことをフーチングといいます。ダムではコンクリートダムの減勢工の側壁や堤趾導流壁、またフィルダムの洪水吐の側壁にフーチングが設けられます。
・見た目にきれいに仕上げるには天端を揃えないといけなくて、滑らかにするのが難しい。ここが腕のみせどころ。きれいに仕上がると美味しさも増します。
・アーチ式ダムのオーバーハングを作るのはシャモジを寝かせて作るのがコツとのこと。
・堤体の施工終了後、カレールウをダム湖に流し込んで完成。あとは、おいしく食べるだけです。(食べ始めには「いただきます」ではなく『ダム決壊!』と声を上げるのがダム好きさんの中でのお約束か?しかし、これだといくら掛け声でも縁起でもないので別バージョンでは『ダム放流!』とかも言うそうです。)
・最近の改良点は他のダムとの違いを出すためにアース式に「犬走り」ができたこと。残念ながら「キャットウオーク」はできていないそうです。
※犬走り:フィルダム下流面の傾斜の途中にある平らな場所。 ※キャットウオーク:アーチダムの主に堤体下流側に設置された、狭い鋼製の通路のこと。
施工中に、周りから「カレーは、現場ではよく作ってみんなで食べるメニューだ」との声もあがってました。そういえば、グーグルで検索すると「ダムカレー」でヒットした件数は、4,890件もありました。本物の「黒部ダム」のレストハウスにも、ダムカレーというメニューがあり、たくさんの観光客が実食してブログに書いているし、実は裏メニューのはずの「三州屋」のダムカレーも、多くのダム好きさんが食べており、写真入りブログで紹介しています。
やはりカレーは、ラーメンについで日本人の国民食なんでしょうか?ただのカレーで大の大人がこれだけで盛り上がれるのは面白いと思います。 最近では、ダムカレーを食べた人には特性のダムカレーカードがついてくるらしいのですが、この日は、施工見学に夢中たっだためもらい忘れてしまいました。(残念) とにかく、ダム好きの料理人が遊び心で作ったカレーが、ダム好きさんには、これもまた楽しみの一部となっていることがよ〜くわかりました。恐るべしダムカレー。
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