四国堰堤ダム88箇所巡り・完走者表彰式に行ってきました。といっても、私が完走したわけではなく、表彰式の取材です。 7月27日、土曜日。朝8時に高知市内でレンタカーを借りて表彰式会場となる(独)水資源機構早明浦ダムへと向かいました。ご存じの通り、早明浦ダムは四国のほぼ中央に位置し、四国4県全てと深い関わりを持つ、文字通り「四国のいのち」のダムです。
高知インターから高知自動車道に乗り、途中南国SAで情報誌をいただいたりして一休み。SAを出て20kmほど走ると早明浦ダムの最寄りのインターである大豊(おおとよ)インターに到着。インターを降りて、左折し、早明浦ダムに向かいます。実は右折してトンネルを抜けて右側に行くと、大豊町の役場があり、その向かいの「ひばり食堂」が集合場所だったのですが、その確認を怠ったために、早明浦ダムとひばり食堂との間を、2往復することとなってしまいました。ダム巡りと同じく、事前の準備は大事ですね。
早明浦ダムには9時半頃に到着。本日の式典関係の場所の下見を行います。天端を通り、左岸側の狭い道を下ったりして土地勘をつかみます。
次に、先程述べた「ひばり食堂」を探して来た道を戻ります。大豊インターからほどなくしてひばり食堂を発見し、ついでに少し走り「日本一の大杉」の道の駅に立ち寄りました。この大杉、美空ひばりと関係があるということで、「ひばり食堂」の名前も美空ひばりにちなんで付けられたと、あとで事務局長・佐藤さんに伺いました。
ひばり食堂の位置も確認できたので、集合時間までまだ一時間あまりあるということもあり、もう一度早明浦ダムに引っ返し、今度は下流側からダムの撮影に入ります。ダムのやや下流の河川敷広場から見るダムは、まさにどっしりと腰を据えて流域を守っているといわんばかりの偉容でした。
撮影していると、佐藤事務局長さんから携帯に電話が入り、そろそろ関係者が集まり始めているが、今どこにいるのか?とのこと。早速ひばり食堂へ向かうことにします。
ひばり食堂に到着すると、関係者が横断幕のようなものを駐車場に広げていたり、いろいろ準備が進んでいる模様。
今回の表彰式では、記念行事もいくつか行われるようになっており、その第一弾が「早明浦ダムカレー料理教室」。それで、集合場所がひばり食堂となっていたわけです。しかも、私は不勉強で知らなかったのですが、この「ひばり食堂」は、知る人ぞ知る「大盛りの店」だったのです。ということは……。
2階のパーティー会場に行ってみると、テーブルの上に、直径40センチの大皿が積み重ねてあります。ここは高知。ということは、この皿は元々「皿鉢料理」用の皿だと見当が付きましたが、それでもこの数は一体……もしや,と思っていると、やはり、この巨大な皿1枚が一人分の「早明浦ダムカレー盛り付け用」の皿なのでした。
しばらくすると、表彰者の皆様も三々五々お集まりになり、いよいよ「早明浦ダムカレー料理教室」の始まりです。事務局の方が、ダムカレーの歴史や種類などを説明されたあと、「ダム仙人」と呼ばれているY氏がダムカレーの「施工方法」について説明をされます。
直径40センチの皿
| 巨大ダムカレー試験施工
| 巨大ダムカレー施工中
| 完成したダムカレー群
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皿が大きいので、ご飯も沢山ないとダムが出来ません。ご飯茶碗2,3杯分で堤体が出来ます。アーチダムならば、ご飯茶碗2杯程度で堤体は出来そうです。そのためか、結構多くの人がアーチ式の堤体にチャレンジしていました。ただ、下流側にルウを入れた方も結構いました。あの形だと、ついつい下流側にルウを入れてしまいますね。でも、そうするとルウの量も半端ではなくなるので、要注意です。アーチダムでもやはりルウは貯水池側に入れましょう。
皆にシャモジが2つずつ渡されており、これで堤体を締め固めるわけです。堤体が出来たらカツでゲート、福神漬けで堤趾導流壁などを作ります。ブロッコリーもあるので、これが「緑化」だそうです。
このような「施工手順」がダム仙人Y氏からおもしろおかしく語られました。 全員の「施工」が終わったところで、水資源機構池田総合管理所長が「いただきます」の代わりに「放流!」とかけ声をかけ、いよいよ試食です。かなりの量なのですが、ほとんどの方がほぼ完食されたようです。
「早明浦ダムカレー料理教室」が終わると、次はほんものの早明浦ダムに移動して、いよいよ表彰式(完走者認定証授与式)です。
何組かに分かれてエレベータで堤内へ降り、2号バルブ室の空間で表彰式となりました。 表彰状を手渡すプレゼンターは、1位が 「四国の川を考える会」の林参与。2位が四国地方整備局・森長河川管理課長、3位が四国運輸局・高橋課長、4位が水資源機構・加納所長、5位が水資源機構・後藤所長(早明浦ダムの管理所長)といったそうそうたる顔ぶれ。
今回の表彰では、完走順に1位〜5位に「四国堰堤ダム88箇所巡礼完走者認定証」及び「四国ダム神」認定証がわたされました。2位の方だけお仕事の都合で欠席で、代理の方が受け取っていましたが、皆さん、四国在住の方でした。 1位 三谷さん、 2位 山本さん、 3位 岩本さん、 4位 森部さん、 5位 鵜飼さん。
1位の三谷さんは、ご家族でダムを廻られたとのことです。 3位の岩本さんは、お子様連れでしたが、6歳のお兄ちゃんはお絵かき帳一杯にダムの絵を描いているというダムマニアで、妹さんも負けず劣らずダムが好きなようでした。一家揃ってのダムマニアというのも楽しそうでうらやましいです。 4位の森部さんは「しょさん」の名前でダム愛好家として活躍されており、先日相模湖交流センターで開催された「第2回ダムマニア展」には四国堰堤ダム88箇所巡りについての展示も出されていました。 5位の鵜飼さんは、ダムの職員だそうで、88箇所巡りの話を知って、仕事柄、これはやらねばと思われたようです。 2位の山本さんは、今回は欠席でしたが、別途文書でいただいたところによると、バイクでのツーリングが趣味とのことで、それに併せてダム巡りもなさったとか。
苦労されたダムはどこか完走者の皆さんに伺ったところ、「大森川ダム」「赤根川第四堰堤」「多治川ダム」「内海ダム(ハンコの在処が分からなかった)」といった答えがありました。これをお読みの方の中には「うんうん」と納得されている方もいらっしゃるのでは?
さて、それぞれの完走者が、それぞれのプレゼンターから認定証を渡され、無事、表彰式は終了。表彰式の間中、中島みゆきの「地上の星」や「ヘッドライト・テールライト」が流されるという懲りようでした。
完走者認定証授与式
| 完走者とプレゼンター記念撮影
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その後、記念行事Aとして堤内見学、下流側に出て、記念撮影が行われました。 更に、記念行事Bは「ダム神様 船乗りこみ」と称して、ボートとカヌーで水上パレードが行われます。これは希望者のみでしたが、2艇のボートと1艇のカヌーで約2q、吉野川を下って行かれました。下る時には、「祝完走!!」「四国ダム88」と書かれた横断幕のようなものと一緒に川を下ってゆきました。
川の水は結構冷たいようでしたが、気温は30度を超える暑さでしたので、水に濡れた方は口々に「気持ちが良かった」と口にしていました。
四国ダム神様 船乗りこみ
| 吉野川を下る神々
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