群馬県の丸沼ダムでダムカードの配布が始まりました。発行主体は管理者の東京電力ではなく、地元の片品村観光協会です。国内に6基しか現存しない貴重なバットレス型式ダム(右下記号『B』)のダムカードは、このところ力を入れている中国地方で第1号が出るものと思っていました。ところが予測に反して、丸沼ダムが先陣を切ることになりました。
丸沼ダムのカードは、全国統一デザインのダムカード(通常版)と、統一デザインではないキラキラカード(特別仕様版)の2種類が作られました。通常版は、丸沼ダムに行ったことを証明する写真を提示すれば、公式ルール通り1人1枚(無料)もらえます。一方、特別仕様版(プレミア)は写真に加えて片品村内の旅館や民宿などに宿泊したことを証明する(領収証など)ものを提示する必要があります。キラキラカード自体に対価を支払う必要はありませんが、実質有料のダムカードということになります。
丸沼ダム 現在、東京在住の私にとって、群馬県片品村は日帰り圏内です。特別な事情でもない限り宿泊する必要のない距離です。片品は、夏は避暑地、秋は紅葉狩り、冬はスキーで観光客が訪れるものの、春から梅雨の時期は閑散期ともいえるのかもしれません。
かたしな高原 ホテルや飲食業などおよそサービス業といわれる業界は、施設を遊休化させておくことが最大の無駄といえます。片品村観光協会が、この比較的閑散な時期に丸沼ダムを活用して販売促進を企画したのですから、ダム愛好家としてはそれに応えなければなりません。
おまけのシールが欲しいのでチョコレートを買う子どものような心境です。しかし、ダムカードが欲しいので不要不急の宿泊をするのはご指摘を受けるまでもなく事実です。オフシーズンとはいえ、あまり宿泊施設に迷惑をかけることはできませんので土日前夜を避け、平日に休みを取ってその前日、仕事終了後に片品村に向かうことにしました。いつも渋滞のイメージしかない関越自動車道も、平日の夜は快適です。こうして、夜遅くのチェックインとなってしまいましたが、無事宿泊することができました。大きな天然温泉の湯船に一人つかってから、大きな部屋に大の字になります。繁忙期には10人くらい収容できそうな部屋でした。
昭和天皇ご家族 案内された部屋には、昔懐かしい昭和天皇ご一家の額が飾られていました。中央の写真が当時の継宮明仁様、後の皇太子(今上天皇)のご幼少期のものです。その下にも幼少の皇族の写真がありますが、私の知識では全くわかりません。その昭和天皇が即位した直後に、この丸沼ダムは竣工したことになります。歴史の重さを非常に強く感じます。
国の重要文化財 丸沼ダムについては、現地に説明板等がいくつも設置されていますので実際に見学してその素晴らしを味わって欲しいと思います。なお、ダム直下まで降りられる方は、熊鈴かボリュームが大きく出るポータブルラジオを持参された方が無難です。
こうして、丸沼ダムを訪れて写真を撮影、観光協会の事務所で写真と領収証を提示して2枚のダムカードをいただくことができました。また、職員の方にも大変親切に対応していただきました。
プレミア版のキラキラカードは、かつて真名川・九頭竜で配布されたカードのように銀箔(ホログラム)が枠に貼られているものかと思っていました。実際に受け取ってみると、全面がキラキラ輝く加工となっています。このキラキラ感は本当に手に取ってみないと伝わりません。
ダムカード 丸沼ダムは、群馬県と栃木県の県境に近いところに位置しています。丸沼ダムから群馬県内方面に向っても、逆に金精峠を越えて栃木県内に向っても(ただし、金精峠は冬期閉鎖期間あり。)ダムの宝庫です。ご都合のつく方は、片品村をベースにダム巡りを検討してみてください。
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