はじめに
ダムカードが最初に発行されてから8年以上がたち、今では全国で400種類以上のダムカードが配布されているという。また、ダムカードの評判を受け、最近ではダムカードを参考にしたカードも出始めている。 ダムカードは一般的なトレーディングカードと同じ大きさなので、時折「ダムカードでバトルができないか」という話題が出ることがある。しかし、ダムカードでバトルをするといっても、ダムカード自体はバトルをするために作られたものではないので、トレーディングカードゲームのようにして遊ぶことは難しい。 そこで、「かるた取り」のルールを応用してダムカードで遊ぶ手段を思いついた。
1.「ダムカードかるた」について
「ダムカードかるた」のルールは、お正月などに行う一般的な「いろはかるた」などと同様で、二人以上で遊ぶ。 取り札には自分や、かるたに参加する人が持っているダムカードを使用する。 ダムカードの表面にはダムの名前と写真が掲載されているので、表面が見えるように畳の上など平らな場所に広げれば遊ぶ準備は完了する。
読み札の方だが、こちらは自分が持っているダムカードに合わせて自作する必要がある。 例えば、「利根川の 奥にそびえる 矢木沢ダム」「日本一 堤高誇る 黒部ダム」「直角に 曲がる堤体 下久保ダム」といった感じで、自分が持っているダムカードに合わせた読み文句を考え、読み札にする。読み文句を紙にまとめて書いておき、それをランダムに読み上げるというようなやり方でも十分遊べると思うので、わざわざ札として作らなくてもいいだろう。
読み札に関しては、カード裏面に記載されているダムの諸元や、ランダム情報などを読み上げることで読み札とすることもできる。カード裏面をあらかじめコピーしておき、読み人が記載されている情報を読み上げるというやり方であれば、読み文句を考えなくてもいいので簡単にできると思う。
対戦が始まったら、読み人が読み札を読み上げる。普通の「かるた取り」同様、お手つきをしたら一回休みとし、できるだけ早く取り札(ダムカード)を取る。全ての取り札(ダムカード)がなくなった時、より多くの取り札を取った人が勝ちとなる。 参加者の人数が多い場合は、並べる取り札の枚数を多くして、3人くらいのチームを作って対戦してもいいだろう。
2.「ダムカードかるた」利点と欠点
この「ダムカードかるた」の利点は、自分が持っているダムカードに合わせて誰でも簡単にできること。いろはかるたのように決まった枚数はないので、自分や仲間が集めたカードの枚数に合わせてできる。遊ぶために特定のダムカードを集める必要もない。 読み文句についてもカード裏面のダム諸元や、ランダム情報などをもとに各自が自由に考えればいいので、一つのダムに決まった読み文句がある訳ではない。なので、工夫次第で同じダムでもバージョン違いのカードや記念カードを混ぜて遊ぶこともできる。 また、取り札(ダムカード)を素早く取るためには、ダムの写真とダムの名前を記憶しておかないといけないので、ダムの外観や特徴などを覚えることもできる。読み文句にダムの用語や豆知識などを入れれば、遊びを通じてダムに詳しくなれるのではないか。
逆に「ダムカードかるた」の欠点としては、取り札としてダムカードを使うと、カードが汚れたり、折れたりすることがある。なので、カードを傷つけるのが嫌な人には「ダムカードかるた」はあまりお勧めできない。
3.「ダムカードかるた大会」を実施
上記のようなことを個人的に考えていたところ、2015年8月4日から8月16日にかけて神奈川県立相模湖交流センターで開催された「第3回ダムマニア展」において、実際に「ダムカードかるた」をやってみる機会に恵まれた。 同展をプロデュースした萩原雅紀さんにより、「ダムカードかるた大会」と銘打ったイベントが会期中の8月14日と16日に、会場内で実施された。
14日に行われた第1回目の大会には6人が参加。会場奥のスペースに畳三枚を敷き、中央の畳にはダムカード11枚を並べ、両側に参加者一人ずつが着席し対戦を行った。 この時は、読み人は畳の上に並べた11枚のダムカードと同じカードを持ち、裏面に書かれている河川名や型式、堤高・堤頂長、ランダム情報などや、表面に書かれているダム名、ダムの目的を順不同で読み上げていく方法を採用した。
ダムカードかるた大会の準備
| | ダムカードかるた大会の様子
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実際に「ダムカードかるた」をしてみると、取り札を取った時は読み札と合っているかどうか確認するために、取ったカードのダム名を言った方がいいことがわかった。1セットが11枚だったので、1回ごとの対戦時間もそれほどかからず、トーナメント方式で5試合を行い、おおよそ予定していた時間内に終わることができた。ちなみに、この時の優勝者は「ダムマンガ」を連載している漫画家・井上よしひささんだった。
萩原さんによると、枚数が多すぎても時間がかかってしまうし、偶数だと引き分けになる可能性があるので11枚で1セットにしたとのこと。カードの組み合わせも水系や型式などが同じダムのカードをわざと一緒にし、最初に読み上げる情報だけではダムを特定しにくくするなどの工夫をしたという。 また、「ダムカードかるた大会」に参加した人からは「最後の1枚を取るのが譲り合いになってしまうことが多いので、取り札を読み札より1枚多くすれば最後も2択になって良いのでは?」という提案もあったそうだ。
ダムカードかるたで対戦
| | ダムカードかるたで対戦
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おわりに
ダムカードで遊ぶことができないかと思って考案した「ダムカードかるた」だったが、実際にやってみると盛り上がり、参加者からも好評だったようだ。ルールや枚数などについて、今後も色々な工夫をしながら「ダムカードかるた」で遊んでみると楽しいのではないだろうか。
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