再開発工事中の浜田ダム(島根県)のダムカードが、つい先日更新されてVer.1.1(2015.08)となりました。表面の写真は工事のための仮設橋台が設置されたものに変更され、再開発工事中らしいものとなりました。また、裏面の記載内容も変更されています。
浜田ダムのダムカードVer.1.0(左)とVer.1.1(右) さらに、浜田川発電所廃止に伴い右上の目的記号から「P」の文字が削除されました。こうして、ダムカードは最新版となりました。ところが、せっかくリニューアルしたこのダムカードもまもなく配布終了を迎えるそうです。
発電所撤去工事中、背後は第二浜田ダム(本体ダム) ダムカードは、2007年の森と湖に親しむ旬間にちなみ国土交通省と水資源機構が管理する全国111のダムで配布が開始されました。このときに「直接ダムに来た人」に「一人一枚」配布し、「郵送はしない」というルールが確立されました。 ほとんどの方は、すでにお忘れかもしれませんが、配布開始当初はもう一つのルールがありました。それは「ダムカードは、無くなり次第配布を終了する。」という決まりです。そして、最後のルールは配布者自身が“おきて破り”をしました。当初作成分が終了しても追加印刷し、配布を継続したのです。 また、当初は管理中のダムのみを対象としていましたが、いつのまにか建設中のダムまで広がりました。その背景には、ダムカードによる一定の効果が認められたからであると思います。その後の人気の高まりについては、ここで逐一述べる必要はないかと思います。
再開発工事中の浜田ダム これまで、再開発によってダムカードの配布が終了したのは「石淵ダム」と「大夕張ダム」の事例のみだと思います。いずれも新規ダムの完成によって、堤体が新しいダム湖に水没したケースです。(菅野ダムは、長井ダム建設により水没しましたがダムカードの配布は継続されています。)一方、浜田ダムの場合は再開発で水没することはなく第二浜田ダムとともに今後も利用され続けます。
再開発でゲートレス化される浜田ダム 上述の通り、島根県土木部の方針では、9月末日をもって浜田ダムのダムカードの配布を終了するということです。すでに県のホームページにも、
【ご注意ください】 浜田ダムは、ダム再開発工事のため9月末で管理所を閉所します。 ダムカードの配布も9月末で終了する予定です。 配布については在庫限りとしますので、配布状況によっては9月末までに配布を終了する場合もありますので、あらかじめご了承ください。 お越しの際は、事前にご連絡を頂くことをお勧めします。 工事による交通規制等にご注意ください。
というリリースがありました。
閉所される浜田ダム管理所 工事のため、配布できる施設がなくなることが、配布終了の直接の理由のようです。また、第二浜田ダムの管理所は建物としては今年3月に完成しているものの、その場所に行くための浜田川右岸道が当分の間、工事車両専用道路となっているため、こちらでの配布も対応できないようです。
第二浜田ダム管理所(ダム建設通信第26号より) 他のダムでは、建設中であってもダムカードが配布されている場合があります。(第二浜田ダムでは、今のところ配布されていません。)また、管理所が無人であるダムでも、少し離れた有人の事務所等で配布している例もあります。できれば、何らかの形で配布を継続して欲しい気持ちでいっぱいです。
道路の規制情報 ダムカード配布の原則に忠実に従って、現地配布にこだわるということでしたら、配布終了もやむを得ないことかもしれません。その場合には、道路が一般開放された暁に、第二浜田ダム管理事務所で、浜田ダムと第二浜田ダムのダムカードを配布して欲しいものです。
現在、島根県内では、浜田ダム(再開発工事中)、第二浜田本体ダム(建設中)、第二浜田鞍部ダム(建設中)、波積ダム(建設中)、矢原川ダム(建設中)と建設ラッシュが続いています。この状況を『夢の国(県)』と思って注目しているのは私だけではないはずです。すでに「ダム建設現場」は観光資源の一つとなっていますので、これからの有効な活用を検討していただければと思います。
波積ダム(江津市)付替え林道工事中
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