黒部第四発電所 作詞・作曲 服部勇次 1.雪また雪の 黒部川 トンネル掘って 地下工事 道なき道を 一歩ずつ 力合わせて 突き進む ああ黒部川 第四発電所 2.雨また雨の 難工事 築いた歳月 7ヵ年 黒部ダムから 水流れ しぶきとなって 虹の橋 ああ黒部川 第四発電所 3.立山連峰 眺めつつ 走る鉄道 谷越えて 人は叫ぶよ 黒四と 世界に誇る アーチダム ああ黒部川 第四発電所
この歌は、服部勇次著『ダムと水の歌102曲集 −ダム湖碑を訪ねて−』(服部勇次音楽事務所・昭和62年)所収。 黒四ダムは、難航を重ね、重ねて昭和38年6月5日に完成した。破砕帯に遭遇した大町トンネル工事が大きくクローズアップされるが、ダム掘削、黒部ルート・水路トンネル、インクラインの掘削などもまた難工事であった。道なき道を一歩ずつ、力を合わせた結果であった。おそらく工事担当者は7ヵ年の間、緊張の連続であったであろう。世界に誇るアーチダムと高らかに歌っているが、その一方で、「ああ黒部川 第四発電所」の表現には仲間を失った悲しみが込められているようにも思える。平成21年4月現在、完成からすでに半世紀の歳月が過ぎようとしている。今日日本のダム建設は曲がり角にきていると言われるが、黒四ダム建設のその輝きはいつまでも消えないだろう。
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