《このごろ》
ダムをうたう(26) -ふるさとが映る-

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   鷲ダムの歌
                 作詞・作曲 服部勇次

  1. 美濃の国から 油坂
  峠を越えて バス走る
  大谷野尻 朝日など
  ダム湖に沈み 今は無し
  ああ鷲ダムに ふるさとが映る
  
  2. 穴馬総社に 十七の
  氏神集めて まつられる
  夢のかけ橋 しなやかに
  湖畔の桜  一万本
  ああ鷲ダムに ふるさとが映る
  
  3. ふるさと去って やっとかめ
  会いに来ました 山や川
  ダムに発電 休養地
  自然の中に 生きている
  ああ鷲ダムに ふるさとが映る

 この鷲ダムの歌は、服部勇次著『ダムと水の歌102曲集−ダム湖畔を訪ねて』(服部勇次音楽事務所・昭和62年)に収められている。

 鷲ダムは、JR福井駅から越美線に乗って、終点九頭竜湖駅で降り、九頭竜川沿いの国道158号線をのぼると、ほどなく美しいアーチ式の鷲ダムに着く。鷲ダムは福井県大野郡和泉村朝日(現・大野市鷲)に位置し、発電を目的として、電源開発(株)によって、昭和43年5月に完成した。ダムの高さは44m、堤の長さ277m、総貯水容量965万m3である。鷲ダムを下池として、上流の九頭竜川ダムを上池として、その両ダムの間にある長野発電所において、揚水発電を行っている。



 この歌にあるように、大谷の集落は59世帯が水没し、水没した17集落の氏神様が、穴馬総社に集められた。油坂を越えてのバス路線はすでに廃止されている。故郷を去っても、やっとかめよ(方言・お元気ですよの意味)といって、鷲ダムを訪れれば、湖に沈んでいる故郷の我が家や田畑、神社、御堂などは脳裡からは消え去らないものだ。懐かしき故郷が映し出される。


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(2011.10.28、古賀邦雄)
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 (古賀 邦雄)
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