《このごろ》
ダムをうたう(36) -ダム灼くる-

→ 「このごろ」一覧   → 「このごろ」目次
 
  ダム灼くるダム建設の慰霊碑も   森田かずを

 この句は、ザ・俳句歳時記編纂委員会編『ザ・俳句歳時記』(第三書館・2006)に掲載されている。季語は夏、灼くるは、「やくる」と読み、灼熱、熱砂と同じで、真夏の太陽の直射熱で地上のものがすべて熱せられることである。この句は、慰霊碑に真夏の陽が降りそそぐ、そのさまを詠んでいるが、ダムの名を記していない。

 現在では、近代的なダム施工が進み、命をなくすことは、極めて少なくなった。かつては、ダム犠牲者が出現した。昭和46年4月筑後川上流に完成した松原ダム、下筌ダムでは21名の殉職者がでた。下筌ダムのダムサイト左岸側に、犠牲となった方々の慰霊碑が建立されており、静かにダム湖を見下ろす。合掌。


慰霊碑


下筌ダム

[関連ダム] 下筌ダム(元)  下筌ダム(再)  松原ダム(元)  松原ダム(再)
(2014.4.11、古賀邦雄)
【 関連する 「このごろ」「テーマページ」】

 (ダムをうたう)
  [こ] ダムをうたう(1) -ダムの底-
  [こ] ダムをうたう(2) -雪に眠る-
  [こ] ダムをうたう(3) -ダム湖に浮かぶ湖上駅-
  [こ] ダムをうたう(4) -湖底の村-
  [こ] ダムをうたう(5) -慰霊碑-
  [こ] ダムをうたう(6) -東京沙漠-
  [こ] ダムをうたう(7) -感謝をこめて-
  [こ] ダムをうたう(8) -水源祭-
  [こ] ダムをうたう(9) -静寂な湖面-
  [こ] ダムをうたう(10) -戻れない故郷-
  [こ] ダムをうたう(11) -補償交渉の精神-
  [こ] ダムをうたう(12) -小春かな-
  [こ] ダムをうたう(13) -春の光をあびて-
  [こ] ダムをうたう(14) -未来を信じて-
  [こ] ダムをうたう(15) -ああ黒部川 第四発電所-
  [こ] ダムをうたう(16) -感謝の水・愛知用水-
  [こ] ダムをうたう(17) -故郷への回帰-
  [こ] ダムをうたう(18) -ダム竣工を祝う-
  [こ] ダムをうたう(19) -渡鳥さえ巣は恋し-
  [こ] ダムをうたう(20) -県を分かつ-
  [こ] ダムをうたう(21) -補償妥結の寂しさ-
  [こ] ダムをうたう(22) -大井川上流へ-
  [こ] ダムをうたう(23) -鳥たちの安らぎ-
  [こ] ダムをうたう(24) -風薫るダム-
  [こ] ダムをうたう(25) -大斜面を仰ぐ-
  [こ] ダムをうたう(26) -ふるさとが映る-
  [こ] ダムをうたう(27) -こころ休まらず-
  [こ] ダムをうたう(28) -さくら吹雪-
  [こ] ダムをうたう(29) -大鶴湖と鳴く蝉-
  [こ] ダムをうたう(30) -水を巧みに捌く-
  [こ] ダムをうたう(31) -渡る老鶯-
  [こ] ダムをうたう(32) -オスプレイ-
  [こ] ダムをうたう(33) -下久保ダム-
  [こ] ダムをうたう(34) -耕す-
  [こ] ダムをうたう(35) -奈良俣ダム-
  [こ] ダムをうたう(37) -四季の風光-
  [こ] ダムをうたう(38) -鏡ダム-
  [こ] ダムをうたう(39) -新区画ダム-
  [こ] ダムをうたう(40) -滝沢ダム-
  [こ] ダムをうたう(41) -奥利根水源憲章の歌-
  [こ] ダムをうたう(42) -下筌ダム-
【 関連する ダムマイスター の情報】

 (古賀 邦雄)
 「このごろ」の関連記事(55 件)
 「テーマページ」の関連記事(159 件)
ご意見、ご感想などがございましたら、 までお願いします。