ダム灼くるダム建設の慰霊碑も 森田かずを
この句は、ザ・俳句歳時記編纂委員会編『ザ・俳句歳時記』(第三書館・2006)に掲載されている。季語は夏、灼くるは、「やくる」と読み、灼熱、熱砂と同じで、真夏の太陽の直射熱で地上のものがすべて熱せられることである。この句は、慰霊碑に真夏の陽が降りそそぐ、そのさまを詠んでいるが、ダムの名を記していない。
現在では、近代的なダム施工が進み、命をなくすことは、極めて少なくなった。かつては、ダム犠牲者が出現した。昭和46年4月筑後川上流に完成した松原ダム、下筌ダムでは21名の殉職者がでた。下筌ダムのダムサイト左岸側に、犠牲となった方々の慰霊碑が建立されており、静かにダム湖を見下ろす。合掌。
慰霊碑
下筌ダム
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