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ダムインタビュー(66)
神馬シンさんに聞く
「Webサイト上ではいろんなダムを紹介する百科事典的な感じにしたい」

 神馬さんは、ダムの百科事典を目指すWebサイト「ダムペディア」を運営されておられます。ダムについての基本的な知識をまとめられている他、主に中部地方を中心としたダム巡りの記事をアップ。さらには地元の新聞やTV等に精力的に登場し、ダム情報の発信をサポートされています。また当協会が任命したダムマイスターのお一人でもいらっしゃいます。

 今回は、神馬さんがどういったきっかけでダムの百科事典を作成しようと思い立ったのか、どういう情報を集めようと考えられたのか。サイトを開設してからどんな反響があったのか、あちこちのメディアから引っ張りだこになっていった経緯等々、神馬さんとダムとの関わりについて、お話を伺いたいと思います。
(インタビュー・編集・文:中野、写真:廣池)



きっかけはドライブ途中に見た 矢作第一ダム

中野: 神馬さんがダムへ行くようになったきっかけについてから、お話をお聞きします。ご自身では、ドライブの途中で見た矢作第一ダムがきっかけになったとのことですが…。

神馬: ええ、ダムに行き始めたのは2000年頃になりますか。当時、ちょうど職探しをしている時期でお金もなかったので主に車で移動していたのですが、たまたま友達とドライブに行った先に矢作ダムがあったというわけです。
 2000年9月に東海豪雨があり東海地方で死者が出る大水害が起きましたが、まさにその日に面接を受けていたのでよく覚えています。

 矢作第一ダムは、豊田市から矢作川沿いにずっと山道を走って行って、途中でドーンとアーチダムが出てきたのを見て、自然の中にこんなに大きなモノがあるというのに驚いて、その時、初めてダムの存在を知りました。当時は現在のようなスマートフォンの環境やSNSもなかったので、仕事で使っていたアルプス社の地図の本を見ながら、池や湖があるとこれはダムじゃないかと確かめに行くようになったのです。
お気に入りのダムには何回も通う

中野: なるほど地図からダムを探して行くようになったということですね。それで行ったのはどこですか?


矢作第一ダム
神馬: 愛知県内では三河湖の羽布ダム。これは豊田市にあるのですが、当時は高速道路も今ほど発達していなくて、結構遠かったという印象かな。最初のうちは、まずは愛知県のダムを廻ってみようという感じで行き始めました。

中野: 今までに見たダムの中で一番のお気に入りというのはどこですか?愛知県にはありますか?

神馬: ダム愛好家の皆さんは、どこのダムが一番好きかといわれると、結構悩まれる質問だとは思うのですけど、ご多分に漏れず私も悩みますね。何回か行っていると結構愛着がわくというダムもあります。そういう意味では、最初、ダムを意識し始めた矢作第一ダムも気になる存在ですし、徳山ダムは建設途中から何回か通っていて、完成後もいろんな縁があって当時の所長さんとも懇意にさせて頂き、細かい場所まで見学させて貰っているということもありお気に入りのダムの1つです。

中野: 何度も行くとやはり愛着が湧くということですね。ダムの型式はどうですか、アースとかフィルとか好きなものはありますか?

神馬: やはりアーチ式が一番好きですね。規模が比較的大きいのと曲線がすごくきれいなので、美しさに惚れるというか、惹かれるところです。

中野: ダムドライブは、だいたいお一人ですか?

神馬: 初めは友達と行くことが多かったですね。だんだん変わってきましたが…。

目的地をダムにして行く

中野: ダムに行かれる時は写真を撮るのが中心派ですか、とにかく行ってみる派などありますが、神馬さんはどんなタイプですか?

神馬: ダムの写真は当時から撮っていました。ダムに目覚める前からデジカメは、ホームページに写真を載せたいのでよく撮ってはいました。これまで自分のホームページを作っては壊しというのをずっとやって来ました。当時はホームページを作ってもなぜか飽きるんですよね。

中野: ダム巡りの醍醐味として、山の中に突然現れるのが良いというのは、よく聞きます。やはりそこは重要ですか?

神馬: 普通の人からすると、たまたま行った先にダムがあるというのであって、知り合いに「自分にとってダムは通過点だけど、君は目的地にするね」と言われたことがありますが、もちろん好きだから行くのですが、ダムは通過点ではなくそこを目指して行くのです。

中野: ダムを目的地にしてドライブに行こうと思われることは昔も今も変わりませんか。

神馬: 最近は、出掛けるきっかけにもよりますね。例えば家族旅行だと、ダムを目的地にしてしまうとちょっとまずいなという気持ちがあるので。「途中でちょっとダムに寄っていい?」と言いながら行きますが(笑)。本当は、真っ先に回りたいけれども、さすがにダムに行くだけではちょっと家族に申し訳ないという思いがあります。ただ現地に行って、いろんなモノを見て、観光に行きつつダムも絡めると、それはそれで面白いのかなと最近気づきました。

子供と一緒のダム巡りは興味の対象があること

中野: ダム好きさんの中には、子供連れという方もいますね。ダム愛好家仲間のNOW2000さんはお子さんとダム巡りをされているのですが、どちらかというとお子さんの方がすごく一生懸命なようですね(笑)。

神馬: 知っています。NOW2000さんのところは出かけ易くて良いですよね。

中野: 神馬家はどうですか。車で出かけると子供って結構喜ぶじゃないですか。

神馬: だいたいは喜ぶのですが、ダムによるかな。感動出来るダムだと車から出てきて遊んだり一緒に歩いたりしますが…。あと、ダムカードがあるとさらに良いですね。

中野: 例えば、小規模な発電ダムだと、いくら珍しいダムでも「車で待っている」と言われることもあるのですね。子供はそういうカード集めとか好きだし、水泳教室でも休まずに行ってスタンプが溜まるとバッヂが貰える等があると頑張る目標になりますからね。

神馬: 単純ですが、我々もとにかくダムがあれば良いので単純さでは同じですね。


Webサイトを「ダムの百科事典」にしようと思った

中野: 神馬さんのホームページは「ダムエンサイクロペディア」で、いわばダムの百科事典。これを立ち上げられたのはどうしてですか、制作の経緯を教えてください。

神馬: 名称としては、当時はダムに関連するWebサイトとして、ダムマニア(宮島さん)、ダムサイト(萩原さん)の他に、Dam master(あべべぇーさん)、水力ドットコム(Hisaさん)等々があって、いざ自分がやるとしたら、どんな名前にしようかなと迷っていました。もともと、自分はいろんなホームページを作っては壊しをやってきたという経緯があったので、せっかくダムに行って自分で写真を撮ったり、パンフレットも貰って来るのだったら、Webサイト上ではいろんなダムを紹介する百科事典的な感じにしたいと考えたのです。当時はダムに関して、まとまった情報を提供しているところがなかったので、自分で作ろうと始めたのですが、後でダム協会が「ダム便覧」をやっているのを見て本家があったのかと思ったのは覚えています。

ダムペディアに名称変更した訳は

中野: 確かに「ダム便覧」は「ダム年鑑」に収録しているデータを基礎としていますから、個人レベルよりも情報量が多いのですが、開設したのが2002年からなので、ダムの百科事典を目指したのは神馬さんの方が少し早かったと思いますよ。2010年にサイト名を変更されていますが、どうしてですか?

神馬: 早かったから良いかというと…(笑)。途中で「ダムエンサイクロペディア」から「ダムペディア」に短くしました。ちょうどその頃ウィキペディアが、普及し始めてきたのと、ホームページも独自ドメイン(.com)でやった方が信頼性を得られるというので、宮島さんなども取得されていました。
 かといって「damencyclopedia.com」じゃ長いので、スペルを覚えられないということで、ドメインだけ「dampedia.com」にしました。でも、サイト名は「ダムエンサイクロペディア」だったのですが、どうせなら同じにしようと思って、結局、短くした。そうした経緯があります。

中野: 百科事典的なニュアンスがある名前なので、最初から内容構成とか項目、そういうのを設定されていたのですか?

神馬: 将来的には百科事典を目指したいというのであって、百科事典的に使えるようにというと大きな話になってしまうので余り言いたくないのですが、一応は目指しているということです。ダム用語の解説があったり、各ダムの紹介ページもなるべく細かく書いたりとかしています。

SNSで拡がるダム情報

中野: サイトの情報量としては、当初の目標に比べて現時点でどれぐらいになりましたか。

神馬: サイトには自分が行ったダムについて、写真は全部出したいです。もちろん、公開したらだめというダムもあるので、そういうところは置いておいても、基本的には写真を撮ったところは全部公開したいと思っていています。諸事情あって非公開にしたものもありますが、最近は細かく数えていないのですけど訪問基数でいったら、300基ぐらいあると思います。

中野: Webサイトを運営してみて良かったこと、あるいは苦労したことはありますか。

神馬: 良かったのは、いろんな人に会えたというのがありますね。宮島さん、あべべぇーさん、夜雀さんとか。最初にみなさんに会ったのが佐久間ダムでのオフ会ですが、それが縁でもう10年以上のお付合いになります。それといろんな人との出会いがさらにつながって、ダムマイスターという肩書きを頂けたり、あと新聞やテレビなどのメディアにも出させていただくようになりました。
 一方、苦労したというのは特にないです。Webについての批判というのも経験はないですが、自分としては更新する時間を捻出するのが難しいと感じています。今は特にそうですが、ダム巡りもあくまで趣味なので、いかにその趣味の時間を割くかというところは常に考えています。ダムに行って写真を加工してWebにアップするというところまで至らず、どんどん情報のストックだけが溜まっていく状態に陥っているので、どこかで更新をかけたいなとは思っていますが、それがなかなか大変です。

中野: でも、SNSでは神馬さんはよくシェアされたりしていますよ。

神馬: SNSの良いところは、TwitterやFacebookでは更新情報がすぐに反映されるようになっているので、ダムペディアを利用したいという要望が寄せられることもあります。例えば、東京都水道局や長崎県の大村市の観光協会から、いついつこういうイベントがあります、今度、特別見学会をやるので告知して欲しい、というメッセージが来たりしますよ。

ダムマイスターに応募したわけは

中野: そうなんですか。結構あちこちのメディアで神馬さんのお名前を拝見するので、ご活躍だなと思っていました。先ほども話に出ましたが、ダムマイスターに応募しようと思った理由をお聞きしたいのですが。

神馬: 大きくは、2つあります。まず、何かダムに関係する肩書きが欲しかったということ。萩原さんは、ダムライターとかダムフォトグラファーとか、いくつかの肩書きで出ておられますが、私は、特に何も名乗れるものがないので、何か世間に通用する肩書きが欲しいなと思っていたのが1つ。会社でも、私はダム愛好家だというのは伝えてあって社長も知っているぐらいですから、「今度、休みをください」と言うと、「ダムですか」と聞かれるほど、うちの会社では社員が私のことをほぼ皆知っています。

中野: なるほど、休みを取るにもダムマイスターという肩書きがあったほうがいい訳ですね。

神馬: ないよりも、あった方が相手に伝わりやすいですからね。ダムについて詳しいといっても、一般の人より少しかじっているぐらいだとは思っているんですけれど。個人で、ダム好きで、それでダムの情報を発信していることが解って貰えればいいという理由で応募させていただきました。もう1つの理由としては、単純に「ダム日本」を読みたかったということです(笑)。

中野: 月刊「ダム日本」は、ダムマイスターの方には贈呈させて頂いてますからね。

神馬: それは、結構大きかった(笑)。定期購読しようと思うと、おこづかい制の我が家では厳しいので。

TV局から突然メールで依頼が来る

中野: ダムを訪問した時には、ダムマイスターの証明書を見せていますか。

神馬: それは、勇気がなくてまだ1回も出したことないのです。やはり、管理所の方の反応がどう出るかがちょっと怖いなというのがあって、あえて出してはいないです(笑)。

中野: そうですか。裏面には説明も書いてありますので、ぜひご活用下さい。協会でもダムマイスターさんを通じて、いろいろとダムのことを啓蒙してもらおうと思っていますが、神馬さんは、ダムマイスターとして、メディアにたくさん出ておられますので期待しています。取り上げられたきっかけは、どういうことだったのですか。

神馬: 多分、最初は東海テレビの「girls×girls」という番組だったと思います。お笑いのアンガールズがMCを務める番組で、突然メールが来たような気がします。東海地方に住んでいる人でちょっと変わった人を紹介したいという趣旨で、毎回テーマに添った人物が3人出て、その中で秀でているものの勝負をする。一番優秀だった人に、最後にご褒美をあげますという企画です。「でちゃう!ガールズ」というイベントコンパニオンというかアイドルグループがレギュラーで、ゲストが自分を紹介することになっていました。私の回は、ダム愛好家、ダムマニアが3人集められたのです。

中野: いわば自己PR勝負ですか。


佐久間ダムでTVクルーと

神馬: そうですね。それで一番得票数の高かった人はウクレレが貰えて、あとの人はレギュラーの女子から膝枕と耳かきのサービスがあって、指名できるのですが、残念ながら私は選ばれなかったので何もなしでした。

中野: 収録時間はどのくらいでしたか。

神馬: 放送枠が30分の番組なので、実質1時間ぐらいだったかなと思います。

中野: ダム愛好家、ダムマニアの人たちが3人出た訳ですね、神馬さんと後はどなたでしたか?
神馬: それが、もう名前も忘れてしまったんですけど…。これは余り大きな声では言えないのですが、東海地方でという限定があったのであまり人が集まらず、一応、私もあべべぇーさんとかには声を掛けましたが日時が合わずにダメだった。もう一人、あつダム宣言!さんも紹介していたのですが、収録前日にインフルエンザになっちゃって出られないと。結局はテレビ局の関係者の方々が色んな伝手を頼ってダムが好きらしい?という2人が来ました。でも、本当にダム好きなのと聞いちゃいましたよ。一応、好きだとは言っていましたが、その後はダムイベント等でも会うこともなかったので果たしてどうか…(笑)。

ダムマニアがダム巡りを紹介する

中野: 他に、ニュース番組のコーナーも出演されていましたね。

神馬: 夕方の報道番組「news every」ですが、東海地方で放送されている中京テレビのローカルな企画コーナーで、東海地方にはこういう面白いところがあります。こういうすごい人がいますという紹介をしているのです。

中野: 趣旨としては、ダムマニアがダム巡りのやり方を紹介するという感じですか。

神馬: そうですね。当時、中部電力さんが番組スポンサーでしたので、そういう関係でダムが取り上げられたのではないかと思いますけれど。

中野: 神馬さんを知ったというのは何がきっかけだったのでしょうか?

神馬: いろんな番組の中で、幾つかはダム協会経由で話が来たのがありましたね。それが中京テレビかどうだったかは覚えていないですが。

中野: なるほど。どこどこ地方にいるダム好きさんを紹介してと、協会に問い合わせがあった場合、こちらで人選して紹介したこともありますね。あるいは電話取材をするとかも。

神馬: 東海テレビの夕方のニュースに出た時はダム協会さんも電話で出演されていましたよね。私としては東海テレビに2回出演したことになります。

中野: ダムカードのことと、ダムマイスターについて電話で取材を受けました。

神馬: 録画してありますから、未だにデータはとってありますよ、私。あと番組の担当者がネットで検索して、たまたま見付けたのがアンガールズの番組だったと思いますけどね。いろいろやっていると、最近ではテレビ局の人も解ってきたみたいで、こういう人はいませんかと聞いてくることも…。

ダム愛好家との集いを中部でも開催

中野: 日本河川協会発行の雑誌「河川」(2015年9月号)に、神馬さんがお書きになった「愛好家と事業者の共催によるダムの広報について」という記事がありました。その中で神馬さんと水資源機構中部支社が共催で「ダム愛好家との集い」を開催されたということですが、どのような経緯でこういう催しが行われることになったのでしょうか?

神馬: 発端は、夜雀さんが水資源機構関西支社(現関西・吉野川支社淀川本部)「ダム友と語る会」というイベントを開催されていたのです。こういう一般向けの企画を中部地方でもやりたいという話になって、じゃあ、中部については神馬がいいということになったようです。私自身は、イベントについては余りやったことがなかったので尻込みしていたのですが、夜雀さんや機構の職員さん等いろんな方から、熱烈な後押しがあったので、ならば一回やってみようかという感じでした。

中野: 一般の人を連れてダムに行くというイベントですね。これまでに何回ぐらいやっているのですか?

神馬: 現在まで6回開催しています。

中野: もう長く続いているのですね。神馬さんはその全部に参加されているのですか?

神馬: 第1回目は、2013年の2月でした。最初は私も参加していたのですが、途中から仕事の都合で参加できず、下見だけというパターンもありました。その後も冬の時期はなかなかダムに行けなかったり、御嶽山の噴火や防災業務等で、中部支社が忙しかった時期は開催出来なかったこともありました。

中野: これまでに行った6回の中で、一番印象に残ったダムはどこですか。

神馬: 個人的にはどれもすごいと思います。どれも個性があるので…。第1回の阿木川ダム、2回目の豊川用水の宇連・大島ダム、3回目の三重用水の中里ダム、4回は宮川調整池・加佐登調整池、5回目愛知用水の牧尾ダム、6回目が兼山取水口・丸山ダムです。

ダム愛好家との集い(阿木川ダム)

ダム愛好家との集い(丸山ダム)
中野: このイベントには、どんな方が、どのくらい参加されるのですか。

神馬: 参加者には、いろんな方がいますね。ダムマニアの仲間が来ることも多いですが、一般の方がほとんどです。地元の中部地方の方が多いのですが、遠くは埼玉県から来られた方もおられます。結構遠方から来られる方も多かったです。最初は、中部地方だけだと思っていたのですが、フタを開けてみるとそうでもなかったという印象ですね。

中野: どのように募集されたのですか。

神馬: 募集告知は、WebとTwitter、Facebook、全てネットでの告知ですね。

中野: 毎回、何人ぐらい集まるのですか。

神馬: 回によっては、定員に満たない時もありました。毎回20人で募集していますが厳密に定員というのではありません。当日、急に都合で参加できなくなったという方もいらっしゃったりして、大体20人をマックスとしてやっています。水資源機構さんも私が忙しいというのをご理解して頂いているので、余りきつくやらないで楽しもうというスタンスでやってます。

中野: まずは、一般の人にダムをアピールするという入り口ではあるんですね。

神馬: そうですね。最初は、どういう人が参加してくるかわからないこともあり、余りオープンにせず、告知はTwitter、Facebookぐらいにしておこうということでした。 「ダム愛好家との集い」で、ダムが好きな人ばっかりが来ると逆に変な人は来ないのかなというのもありますが、それでは性善説になってしまう話なので何とも言えない。基本は、ダムを好きな人に参加して頂けているので、まずはよかったと思っています。

今後はシリーズ化していきたい

中野: 毎回、日帰りですね。

神馬: そうですね。基本は、水資源機構中部支社管内のダムに行きますから、見学も調整しやすいというところはありますね。直近の企画で兼山取水口と丸山ダムにしたのは、どんどん愛知用水を上流から下流までずっと見ていくという考え方で、これをシリーズ化していこうという計画がありました。

中野: なるほど。単にダムを見学しに行くというのでなく、そういう企画性があるとより面白いかもしれませんね。

神馬: そうですね。実際に見るところは、取水口やダムという点だけど、トータルで見たらつながって線として見ていったというふうになる。水の流れを線でみていくようにしていければいいなと思っていました。

徳山ダム

中野: 後になって、レポートをまとめるにしても面白いかもしれないですね。

神馬: そうですね。この後の企画案としては、番外編で徳山ダムだけを見たり、長良川河口堰を詳しく見たり、というスポット企画もやりたいという話も出ています。

中野: なるほど。系統立てて企画しましょうということですね。

神馬: そうですね。そうやって考えると、いろいろと思い浮かんでくるものですね。
写真集「ダムを愛する者たちへ」の企画

中野: 企画と言えば、写真集『ダムを愛する者たちへ』を出版されましたが、この時の企画はどのように進められたのですか。

神馬: これは、もともと宮島さんから話が来て、写真集出すけどやってみない?という感じでした。メディア出演もそうですが、基本的に私がやりたいというのではなく、いろいろ話をいただくことが多いという感じです。

中野: なるほど。宮島さんにしても夜雀さんにしても、すでに中部の代表として神馬さんがいるということですね。写真集の中で担当されたダムは、中部のダムが多いのですか?


写真集「ダムを愛する者たちへ」
神馬: 選んだのは、中部のダムというか、個人的にお世話になったダムは絶対載せたいと思っていましたので、まず徳山ダム、その次に新豊根ダムも載せたい思いがありました。もう1つは、私をダムに目覚めさせてくれた矢作第一ダム。これは載せたい、マストだなという気持ちがありました。徳山に関しては、一般公開していない場所とかも特別に見せて頂いた経験もあって、より多くの人にも知って貰うために、しかも写真集という経緯も説明させて頂き、ぜひ掲載させてくださいとお願いをして、オーケーを頂きました。ダムに対して恩返しのつもりで選ばせて貰ったのですが、それがきっかけになって読者の方がそこのダムに行きたいと思ってくれたらいいなというのがありました。

中野: 執筆者の神馬さん他、阿久根寿紀さん、琉さんは、宮島さんが選ばれたのですか。

神馬: 当初は、Dam Web Ringの中だけでやろうという声掛けがあって、それに手を挙げたのがその3人だったのか、あるいは宮島さんが「写真集やる?」と聞いてきたのか、記憶が曖昧なのですが、早い段階で候補は固まっていたと思いますよ。

構成がユニークな写真集

中野: 写真集の構成は、漢字一文字で「楽」「喜」「死」「素」と4つの章から成っていますね。

神馬: それぞれ、その章の漢字に合うダムということでチョイスしています。結構、悩みましたね。この本は、写真集と謳っていますが、テキスト(文章)の方が多いという、ちょっと異色の写真集ではあります。

中野: 出版後の評判はどうですか。

神馬: どうでしょう。こちらとしては、思い入れが強すぎて。というような(笑)ちょっと押しつけだよねという感じですかね。私の方には、ネガティブな意見は聞こえてきません。Twitterでは希に突っ込まれたことがありますが、そこはダムマニアだから仕方ないかなと思っています。



中野: この本は、ダムマニアの人からすればとても面白いのでは?各章、それぞれ分担して書いておられますが結構大変な作業だったのではありませんか。

神馬: どのダムにするかもそうですが、どの写真にするかとかは、かなり考え抜きましたね。単にカッコイイ写真を載せるだけではつまらないので、もうちょっと一工夫して、大胆にトリミングしたりというのがあります。原稿自体は、厳密には4分の1ずつではないのですが結構大変でした。宮島さんは他にも出版を経験されているので慣れているのでしょうが、私にとっては辛かった。

中野: 1つのダムに対していろんなショットを載せて、いろんな角度からダムがみえて、そこにそれぞれの思いが書かれていますから(笑)。
神馬: 実際、文章にするのにはすごく考えました。今までにないくらい。

ダムに関するグッズの作成

中野: それでは、今日ご持参頂いたものについてお話をお聞きしたいのですが。

神馬: まず「放流注意」というロゴ、これ自体はDam Web Ringのバナーを作るのがきっかけでした。単純に「放流注意」と書くだけでは面白くないので、流行っていたエヴァンゲリオンにこういうフォントが出てくるのをヒントに、おおっと目を引くようなロゴにしたいという軽い気持ちで作ったものですが、結構評判が良くて、いろいろなグッズになって、Tシャツになったりもしています。

中野: ダムに行くと、よく背中にこのロゴが入ってるTシャツを着ている人を見かけます。これ神馬さんがデザインしたのですね。

神馬: 「放流注意」のロゴについてはそうです。ロゴの部分はバナーだったので、Tシャツにそれを流用したということです。ただ「放流注意」は背中にしか入っていませんし、前側は別の人が書いたものなので、これを着て記念写真を撮るときは、わざと後ろ前反対に着たりして目立つようにね(笑)。

中野: このTシャツはすごくインパクトがありますね。

神馬: 最初は、横山ダムで森と湖に親しむ旬間のイベントがあるというので、当時参加していた人たちの分だけ何着か、愛好家のために作ったようです。その後、愛好家がこれを着ているのを見て、欲しいという要望があったためか、宮島さんのサイトで一時的に販売されていたこともありましたが、今はもう残っていないと思います。

中野: ダムマニア展でも星野夕陽さんが設計図Tシャツを制作したそうですが、それも枚数が決まっているから、そのイベントで終わりということでした。

神馬: だいたい、そうですね。

中野: このTシャツは、ある意味、貴重品ですね。


神馬: かなり貴重(笑)。これは保存用です。イベントの時に着用するのに1着あって、もう1着は保存用にとってあるのです。実は、子供に着せるために小さいサイズのやつを一応持っています。お揃いで着て、一緒に出かけようかなと思っているたびにいつも忘れるという…(笑)。

中野: そのうちわはどういうモノですか。

神馬: これは「ダムなんでも相談室」で配ったうちわです。ロックフィルダムと重力式ダムとアーチダムが答えになるクイズをやるので、答えがうちわに載っているような感じで作って欲しいとの依頼を頂いて作成したものですが、実際にイベントに行った訳ではないので、詳しい経緯は知らないのですけど、担当者もいろいろ考えられているみたいです。

中野: 子供たちがうちわを取って「これ、ダムだ」、お母さん方も「ダムなんだ」というところがあって良いですね。

神馬: このうちわに使用している写真は、自分が撮ったもので、どう配置しようかとか、上下変えてみたり、いろいろ考えて…。裏面は裏面で、全部アーチにして、アーチの形状がうちわの形を生かせるようにと思って、意外に苦労したのですよ。

中野: やはりデザインの才能がおありですね。

神馬: 一応、インテリアデザインの学校に行っていましたので。その後、そういう関係の仕事に就いたのですが、デザインでは飯を食っていけないなと思ってあきらめたのですが。だけど、こういうモノを作るのは好きですね。

中野: クリエイティブなことが好きということですね。

神馬: ホームページもそうですが、自分で何か作るというのはデザインにも通じるのかなと思います。でも、私は決してデザインがすごく得意だったのではありません。すごい方は他にもいっぱいおられますし。

中野: 得意分野なら、やっていても苦労ではないとか。


ダムグッズ(Tシャツ、うちわ)
神馬: いえ、苦労はしていますよ。普通に「ダムなんでも相談室」とロゴを入れるよりは、ちょっと面白く、レイアウトもいろいろ考えてやりたいと思い、たまたまですが、数ヵ月前に切目川ダムで試験放流していたので、うちわのこの部分が放流しているようにと思いながらデザインしました。

中野: 裏面には、型式も書いてありますし、夏休みの水の週間の時期で、うちわはちょうどいいですね。

神馬: いろんなところで配っていると思いますが、まだ余っているようです。今日はいくつかお持ちしたので、プレゼント用にしてもらっても良いです。このロゴ「放流注意」は、ステッカーや熊よけの鈴もあります。

中野: ダムの辺りにも、熊が出たりとかしますからね。これは「ダム愛好家」と彫ってあるのですね。

神馬: あとヘルメットも。あれ?ロゴは入ってなかったかな(笑)。

ダムの将来について

中野: 日本全国、あらゆる川にダムが造られてきたのは、たしかに多すぎるという感じもしますが、再生可能なクリーンなエネルギー源でもあり、また安全・安心な水の確保ということからもダムはなくてはならない存在だと思います。そういう面で、もっと理解を得られるようにするには、どうしたらよいのでしょうか?ダムマイスター、ダム愛好家としては、ダムの将来像をどのようにお考えでしょうか。ダムの中の人やダムを造る技術者に何かメッセージはありますか?

神馬: 以前の長野県知事に始まる脱ダム宣言から、ものすごい公共事業に対するバッシングが始まり、ダムにはそういう側面もあったのかもしれないのですが、国のため、県のため〜いや、国というより、国土のために作ったもので、国民のためのインフラなのです。人命に関わってくるようなものを、易々といらないと簡単に言ってのけて良いのかと思っています。せっかく造ったものだったら、永く活用しようよと思いますね。

中野: 小学生のお子さんもいらっしゃるので、親としては、子供にどういうふうにダムの役割を伝えていったらいいとお考えでしょうか?

神馬: それは、余り深く考えたことなかったです。まだ低学年ですし。息子が幼稚園の時代とかは、単純にダムカードが欲しいというのはきっかけになったかもしれませんが、誰でも最初はその程度でいいと思うのです。何かそういうのがきっかけでダムを知って貰えたら。最近、うちの息子が変わり始めたのは、ダムの広報、PRの展示館に行って遊んだりしますので、ちょっと私が説明するのです。ここはこういうふうになるから、こうなっているんだよと、模型とかで説明すると、興味を持ってくれます。教える方は勉強しながらになるのですが、ダムは展示館を利用してうまく子供に教えられるようになれればいいかなと思っています。

中野: 例えばジオラマや、ダムの模型があれば、構造についても解りやすいですしね。


九頭竜川流域防災センター

神馬: 子供って、動く模型とかがすごく好きなので、光ったりとか動いたりする模型はすごくよく見ますね。この間、九頭竜川鳴鹿大堰の資料館(九頭竜川流域防災センター)に行きましたが、水が流れていて昔の三角形の堰で止められていて、水かさが増してくると、こちら側の用水路の方に水が流れて行くというダムの仕組みが簡単に解る模型がありました。堰き止められたところから水が流れ出して、流れてくると水車が回る。実際には、うまく回らなかったのですが、もう1個別に大型のゲートの構造がわかるような模型があって、こちらも同様に壊れていました。展示館って、そういったことがたまにあるので残念です。子供って、そういう動くものにはすごく興味をもつので、もう少しメンテナンス費用を出してあげたらいいのにと思ってしまいました。
中野: そうですね。いざ作ったもののメンテナンスまでは手が回らないというのが、ダムにしろ、PR館にしろ、維持管理していくということはすごく大事なことですね。

神馬: 今後、子供が大きくなるにつれて、就職について、将来どういう仕事をしたいかという話になった時に、展示館での経験が思い起こされて、どこかダムに関わるところで働きたいという思いが出てくるかもしれないし、ちゃんとした知識を得ることで誤解が減るということも十分ある訳ですからね。

中野: 次の世代にダムというものを伝えていくということは、解りやすく説明出来るダムマイスターの役割もすごく大事だと思いますので、今後とも活動よろしくお願いいたします。
 本日は、お忙しいところお時間を頂き、楽しいお話をありがとうございました。

(写真提供:神馬シンさん)


(参考)神馬シンさん プロフィール

2006.4.21 日本ダム協会
      「第3回ホームページ写真コンテスト“D-shot contest”ダム本体部門」入選
2009.11.18 東海テレビ「girls×girls
      (ガールズ×ガールズ)」出演
2010.4.10 日本ダム協会
      「月刊ダム日本」グラビア掲載
2010.11.1 日本ダム協会
      「ダムマイスター」任命
2010.11.11 中京テレビ「news every.
      (ニュース エブリィ)」出演
2011.5.10 日本ダム協会
      「月刊ダム日本」グラビア掲載
2011.11.23 相模湖ダムフェスタ
      「第1回ダムマニア展」
      トークショー出演
2012.8.6 中部日本放送(CBC)
      「イッポウ」出演
2012.8.26 中日新聞・ジュニア中日・
      なるほどランド
      「人気集めるダムカード」掲載
2012.9.10 日本ダム協会
      「月刊ダム日本」グラビア掲載
2012.9.19 東海テレビ「スーパーニュース」
      (きにナール)出演
2013.10   竃k川鉄工所産機事業部広報誌
       「HOT LINE」Vol.20 写真掲載
2013.11.18 ダム工学会一般公開シンポジウム
      「with Dam☆Night in Nagoya 2013」トークショー出演
2013.12.10 日本ダム協会
      「月刊ダム日本」グラビア掲載
2014.1.17 「21SEIKI GROUP」
      企業CM出演
2014.6.18 写真集「ダムを愛する者たちへ」出版
2015.3.10 日本ダム協会
      「月刊ダム日本」グラビア掲載
2015.6.13 読売新聞インタビュー記事掲載
2015.8.12 第39回水の週間「水の展示会」内、
      ダム工学会「ダムなんでも相談室」
      ノベルティうちわ作成
2015.9.28 公益社団法人日本河川協会機関誌
      「河川」(9月号)記事掲載
2016.5   水源地環境センター・水源地ネット「ダムマニアからみたダム・水源地」寄稿
2016.5.10 日本ダム協会
      「月刊ダム日本」グラビア掲載
2016.6.7 朝日新聞東海版夕刊
      「地域を潤すダムカレー」紙面協力
2016.6.11 日経新聞朝刊別冊NIKKEIプラス1「何でもランキング」紙面協力

(2016年11月作成)
ご意見、ご感想、情報提供などがございましたら、 までお願いします。
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  [テ] ダムインタビュー(4)川崎秀明さんに聞く「ダムファンがいるからプロもやる気になる」
  [テ] ダムインタビュー(5)高田悦久さんに聞く「ダム現場では行動することが一番大事だ」
  [テ] ダムインタビュー(7)takaneさんに聞く「ダムの管理をしている人がブログを立ち上げてくれたら、僕読みますよ」
  [テ] ダムインタビュー(6)さんちゃんに聞く「ベストショットは川口ダムの夜景です」
  [テ] ダムインタビュー(8)土木写真家・西山芳一さんに聞く「いい写真は努力や熱意が伝わってくる」
  [テ] ダムインタビュー(10)水資源機構・金山明広さんに聞く「地元、ダムマニア、ダム管理事務所がコラボレーションできれば」
  [テ] ダムインタビュー(11)古賀河川図書館館長・古賀邦雄さんに聞く「将来は1万冊を目標にしようという気持ちでいます」
  [テ] ダムインタビュー(12)中村靖治さんに聞く「ダムづくりの基本は、""使いやすいダム""を設計するということです」
  [テ] ダムインタビュー(13)江守敦史さんに聞く「ダムについて何時間も語れる萩原さん。彼と本質を突き詰めたからこそ、面白い本になりました」
  [テ] ダムインタビュー(14)藤野浩一さんに聞く「欧米では水力を含む再生可能エネルギーの開発に重点を置いています」
  [テ] ダムインタビュー(15)安河内孝さんに聞く「”碎啄同時(そったくどうじ)”という言葉があります。モノづくりの技術の継承は、教える側と教わる側の力が寄り添ってこなければ、うまくいかない」
  [テ] ダムインタビュー(16)石川順さんに聞く「ふと閃いたのがダムだったんです。」
  [テ] ダムインタビュー(17)杉野健一さんに聞く「経験を重ねるというのはダム技術者にとって大事な財産」
  [テ] ダムインタビュー(3)灰エースさんに聞く「ダムだから悪いという書き方はおかしい」
  [テ] ダムインタビュー(18)だいさんに聞く「ダムを見るいちばんのポイントは機能美だと思っています」
  [テ] ダムインタビュー(19)琉さんに聞く「時々 ""ダム王子"" とか呼ばれちゃってますけど」
  [テ] ダムインタビュー(20)西田博さんに聞く「一部分の経験しかない人が増えることで、ダム技術の継承が心配される」
  [テ] ダムインタビュー(21)緒方英樹さんに聞く「“土木リテラシー”の必要性を強く感じています」
  [テ] ダムインタビュー(22)吉越洋さんに聞く「電力のベストミックスといって、火力、水力、原子力などの最適な組み合わせを考えて、計画をたてています」
  [テ] ダムインタビュー(23)竹林征三さんに聞く「ダムによらない治水と言うが、堤防を強化して首都圏の大都市を守れるのか」
  [テ] ダムインタビュー(24)高橋裕先生に聞く「公共事業を軽んずる国の将来が危ない」
  [テ] ダムインタビュー(25)竹林征三さんに聞く(その2)「風土との調和・美の法則を追求して構築したのが『風土工学理論』です」
  [テ] ダムインタビュー(26)竹村公太郎さんに聞く「未来を見通したインフラ整備が大事で、ダムの役目はまだまだ大きいですよ」
  [テ] ダムインタビュー(27)虫明功臣先生に聞く「八ッ場ダムは利根川の治水・利水上必要不可欠」
  [テ] ダムインタビュー(28)水野光章さんに聞く「水と安全はタダといった安易な考えではいけないと、あらためてそう思います」
  [テ] ダムインタビュー(29)萃香さんに聞く「ダムの魅力を引き出せるような写真を撮って公開していきたい」
  [テ] ダムインタビュー(9)Dam masterさんに聞く「機能と造形と自然の組み合わせが面白い」
  [テ] ダムインタビュー(30)樋口明彦先生に聞く「ひっそりと自然の中に佇むようなダムが美しい、とスペインの名もないダムを見て気づいた」
  [テ] ダムインタビュー(31)宮村 忠先生に聞く「これからは‘線’ではなく‘点’で勝負すべきだ」
  [テ] ダムインタビュー(32)土屋信行さんに聞く「きちんとやるべきことと、そうでないことの本当の仕分けが今こそ必要ではないか」
  [テ] ダムインタビュー(33)沖大幹先生に聞く「ダムは造りすぎではなく最低限の備えが出来た段階だ」
  [テ] ダムインタビュー(34)阪田憲次先生に聞く「技術者には""想定外を想定する想像力""が求められている」
  [テ] ダムインタビュー(35)谷 茂さんに聞く「これからは少しゆっくりと環境に負荷を与えないかたちでダムを造る方法もあるのではないか」
  [テ] ダムインタビュー(36)大藪勝美さんに聞く「インフラの重要性をもっと多くの人に知ってもらいたい」
  [テ] ダムインタビュー(37)武田元秀さんに聞く「四十年来の思いが叶い、『ダムと鉄道』にまつわる話を出版することができました」
  [テ] ダムインタビュー(38)山内 彪さんに聞く「若い人は、ダムを糧として立派な総合技術者として育っていって欲しい」
  [テ] ダムインタビュー(39)角哲也先生に聞く「ダムのアセットマネジメントの話をするときに何か目標がいる、千年ではどうかと」
  [テ] ダムインタビュー(40)唐澤一寛さんに聞く「人にものを頼もうとする時は、こちらも誠意をもって付き合わなければいけない」
  [テ] ダムインタビュー(41)糸林芳彦さんに聞く「今は新規のダム計画がなくとも、ダム技術は常に磨いておくべき。いずれ時代の要請に応える日が来るから。」
  [テ] ダムインタビュー(42)今村瑞穂さんに聞く「ダム操作の定式化と現場適用性の向上は車の両輪」
  [テ] ダムインタビュー(43)本庄正史さんに聞く「ダムの海外展開は、現地社会に貢献するという、貢献がキーワードだと思います」
  [テ] ダムインタビュー(44)石田哲也先生に聞く「何か起きたときのリスクのあるシナリオをきちんと一般の人に伝えていかないと」
  [テ] ダムインタビュー(45)古川勝三さんに聞く「今こそ、公に尽くす人間が尊敬される国づくり=教育が求められている」
  [テ] ダムインタビュー(46)入江洋樹さんに聞く「水を大切にするという日本人の心の原点を守り、継承していけば1000年先もダムは残っていく」
  [テ] ダムインタビュー(47)島谷幸宏先生に聞く「設計をする時に環境設計と治水設計を一体的にすることが一番重要なのです」
  [テ] ダムインタビュー(48)吉津洋一さんに聞く「先人から受け継いだ素晴らしい‘くろよん’をしっかり守り、引き継いでいきたい」
  [テ] ダムインタビュー(49)足立紀尚先生に聞く「ダムの基礎の大規模岩盤試験を実施したのは黒部ダムが最初でした」
  [テ] ダムインタビュー(50)山口温朗さんに聞く「徳山ダムの仕事はまさに地図にも、私の記憶にも残る仕事となりました」
  [テ] ダムインタビュー(51)安部塁さんに聞く「新しい情報を得たらレポートにまとめてダム便覧に寄稿しています」
  [テ] ダムインタビュー(52)長瀧重義先生に聞く「土木技術は地球の医学、土木技術者は地球の医者である」
  [テ] ダムインタビュー(53)大田弘さんに聞く「くろよんは、誇りをもって心がひとつになって、試練を克服した」
  [テ] ダムインタビュー(54)大町達夫先生に聞く「ダム技術は、国土強靱化にも大きく寄与できると思います」
  [テ] ダムインタビュー(55)廣瀬利雄さんに聞く「なんとしても突破しようと強く想うことが出発点になる」
  [テ] ダムインタビュー(56)近藤徹さんに聞く「受け入れる人、反対する人、あらゆる人と話し合うことでダム建設は進められる」
  [テ] ダムインタビュー(57)小原好一さんに聞く「ダムから全てを学び、それを経営に活かす」
  [テ] ダムインタビュー(58)坂本忠彦さんに聞く「長いダム生活一番の思い出はプレキャスト型枠を提案して標準工法になったこと」
  [テ] ダムインタビュー(59)青山俊樹さんに聞く「相手を説得するのではなく、相手がどう考えているのかを聞くことに徹すれば、自然に道は開けてくる」
  [テ] ダムインタビュー(60)中川博次先生に聞く「世の中にどれだけ自分が貢献できるかという志が大事」
  [テ] ダムインタビュー(61)田代民治さんに聞く「考える要素がたくさんあるのがダム工事の魅力」
  [テ] ダムインタビュー(62)ダムマンガ作者・井上よしひささんに聞く「ダム巡りのストーリーを現実に即して描いていきたい」
  [テ] ダムインタビュー(63)太田秀樹先生に聞く「実際の現場の山や土がどう動いているのかが知りたい」
  [テ] ダムインタビュー(64)工藤睦信さんに聞く「ダム現場の経験は経営にも随分と役立ったと思います」
  [テ] ダムインタビュー(65)羽賀翔一さんに聞く「『ダムの日』を通じてダムに興味をもってくれる人が増えたら嬉しい」
  [テ] ダムインタビュー(67)長谷川高士先生に聞く『「保全工学」で、現在あるダム工学の体系をまとめ直したいと思っています』
  [テ] ダムインタビュー(68)星野夕陽さんに聞く「正しい情報を流すと、反応してくれる人がいっぱいいる」
  [テ] ダムインタビュー(69)魚本健人さんに聞く「若い人に問題解決のチャンスを与えてあげることが大事」
  [テ] ダムインタビュー(70)陣内孝雄さんに聞く「ダムが出来たら首都圏の奥座敷として 訪れる温泉場に再びなって欲しい」
  [テ] ダムインタビュー(71)濱口達男さんに聞く「ダムにはまだ可能性があっていろんな利用ができる」
  [テ] ダムインタビュー(72)長門 明さんに聞く「ダム技術の伝承は計画的に行わないと、いざ必要となった時に困る」
  [テ] ダムインタビュー(73)横塚尚志さんに聞く「治水の中でダムがどんな役割を果たしているか きちんと踏まえないと議論ができない」
  [テ] ダムインタビュー(74)岡本政明さんに聞く「ダムの効用を一般の人々に理解頂けるようにしたい」
  [テ] ダムインタビュー(75)柴田 功さんに聞く「技術者の理想像は“Cool Head Warm Heart”であれ」
  [テ] ダムインタビュー(76)山岸俊之さんに聞く「構造令は,ダム技術と法律の関係を理解するのに大いに役に立ちました」
  [テ] ダムインタビュー(77)毛涯卓郎さんに聞く「ダムを造る人達はその地域を最も愛する人達」
  [テ] ダムインタビュー(78)橋本コ昭氏に聞く「水は土地への従属性が非常に強い,それを利用させていただくという立場にいないと成り立たない」
  [テ] ダムインタビュー(79)藤野陽三先生に聞く「無駄と余裕は紙一重,必要な無駄を持つことで,社会として余裕が生まれると思います」
  [テ] ダムインタビュー(80)三本木健治さんに聞く「国土が法令を作り,法令が国土を作る −法律職としてのダムとの関わり−」
  [テ] ダムインタビュー(81)堀 和夫さんに聞く「問題があれば一人でしまいこまずに,記録を共有してお互いに相談し合う社会になってほしい」
  [テ] ダムインタビュー(82)佐藤信秋さんに聞く「国土を守っていくために, 良い資産,景観をしっかり残していくことが大事」
  [テ] ダムインタビュー(83)岡村 甫先生に聞く「教育は,人を育てるのではなく,人が育つことを助けることである」
  [テ] ダムインタビュー(84)原田讓二さんに聞く「体験して失敗を克復し, 自分の言葉で語れる技術を身につけてほしい」
  [テ] ダムインタビュー(85)甲村謙友さんに聞く「技術者も法律をしっかり知らないといけない,専門分野に閉じこもってはいけない」
  [テ] ダムインタビュー(86)前田又兵衞さんに聞く「M-Yミキサ開発と社会実装 〜多くの方々に支えられ発想を実現〜」
  [テ] ダムインタビュー(87)足立敏之氏に聞く「土木の人間は全体のコーディネーターを目指すべき」
  [テ] ダムインタビュー(88)門松 武氏に聞く「組織力を育てられる能力は個人の資質にあるから, そこを鍛えないといけない」
  [テ] ダムインタビュー(89)佐藤直良氏に聞く「失敗も多かったけどそこから学んだことも多かった」
  [テ] ダムインタビュー(90)小池俊雄氏に聞く「夢のようなダム操作をずっと研究してきました」
  [テ] ダムインタビュー(91)米谷 敏氏に聞く「土木の仕事の基本は 人との関係性を大事にすること」
  [テ] ダムインタビュー(92)渡辺和足氏に聞く「気象の凶暴化に対応して,既設ダムの有効活用, 再開発と合わせて新規ダムの議論も恐れずに」
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 (神馬 シン)
 ダム協会写真コンテスト受賞写真(1 枚)
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