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ダムインタビュー(39)
角哲也先生に聞く
「ダムのアセットマネジメントの話をするときに何か目標がいる、千年ではどうかと」

 角 哲也(すみ てつや)先生は、現在、京都大学防災研究所水資源源環境研究センター教授として学生や研究者の指導にあたっておられますが、かつては建設省職員としてダム建設の現場に携わられたご経験があるほか、ダムに堆積する土砂をいかに河川や海の環境に負荷なく排出させることができるかといった実践的な研究にも取り組まれてきました。
 近年では、既設ダムをいかに永続的に使用していくかという観点から、ダムの維持管理にアセットマネジメントの手法を取り入れるという独自の発想で、インフラの持続可能な管理システムの構築を提唱されておられます。また、洪水発生のメカニズムの解析のほか、東日本大震災での津波被害調査や平成23年の台風による洪水被害調査などについてもご専門のお立場から迅速に活動され、貴重なデータを収集・分析されておられます。
 今回のインタビューでは、ダムとは切っても切れない堆砂問題を考える中、どのようにしてアセットマネジメントという発想に至ったか、また環境変化と河川災害の関係についてのお話、洪水被害におけるダムの役割についてなどのお話を伺い、我が国における水資源の現状と将来について、新たな視点からご提言いただこうと思います。

(インタビュー・編集・文:中野、写真:廣池)



ダムとの関わりは、土木研究所

中野: まずダムとの関わりについてお伺いします。先生がダムと関わるきっかけはいつ頃、どういう事からでしょうか?

角: 私が建設省に入った際に、採用試験の面接の時に黒部ダムの話をして、面接官の中に当時土木研究所の所長をされていた飯田隆一先生がおられ、引っ張っていただいたのではないかと勝手に推測しています。それがダムとの付き合いの始まりだと思います。まず、つくばの土木研究所の研究員に配属になりました。当時、つくば辺りは田舎でたいへんな場所と聞いていたのですが、昭和60年は『つくば万博』の年でしたから、万博を契機に都市化され、交通網などインフラ整備がされて非常に快適でした。
 始めは構造系の研究をするのかと思ったのですが意外にもダム水理でした。学生時代の研究内容とはちょっと違いましたので少し面食らったのですが、結果的に非常に良い経験をさせていただきました。

中野: ダム水理ですか?具体的にはどのような研究をおやりになったのですか?

角: 主に水理模型実験です。実際に計画されているダムの洪水吐きの形を木材やアクリルで実物の何分の一の大きさで模型を作り、実際に水を流してはああでもないこうでもないと、いろんなデータをとるのですが、私が入った時に動いていた模型は、富郷ダム、大滝ダム、摺上川ダム、胆沢ダム、竜門ダム、長島ダム…こういうものがありました。直接、実験を担当したのは、富郷ダム、中筋川ダムです。これらは現地の工事事務所から委託を受けて、実物そっくりの形状を作って水を流して実験しました。仕事としては、そういうのが半分で残り半分が基礎的なものという感じです。

水理模型実験でわかること

中野: その頃だと、かなりダム計画が進行していたので模型実験もたくさんあったのですね。

角: 模型実験というと、大学では主に数値計算をやっていたので、土研に入った時は、わざわざ模型を作って実験をやるのかと思ったのですが、いざやってみると水の流れはすごく複雑で、三次元的モデルを再現するような計算は、今でも難しいものがあります。こうして模型を作るというのは設計する側の人だけではなくて、地元の人にとっても有益でした。例えば、自分の家の前の川にダムができたことで流れがどう変わるかとか、どこにどれだけ水が飛んでくるかとか、そういう事を説明するのにミニチュアの模型を見せるというのはすごく重要です。もちろん技術者も理解が深まりますし、地元の議員さんや町長さんなどが見学に来られた時にもすごくメリットがあります。

中野: コンピュータ全盛の時代ですが、やはり実験してみるというのは大切なのですね。模型を作って何か面白いと思われた事はありますか?

角: 担当した中でトピックス的なのは中筋川ダムの模型です。現物は堤高70mくらいのダムで標準的クラスです。形としては堤趾導流壁タイプで、両方の袖部分に堤趾導流壁というコンクリート壁が全面にありますので、水が落ちてきて壁に当たり、どれだけ跳ね上がるかを模型実験して検証しないと、その壁の高さが決まらないという理由から実験をやっていました。そうするうちに景観的な面から堤体の下流面にステップをつけるという案が、最後に四国地方整備局から出てきたので、そういう要望も実験で確認したいという期待がありました。その内容は、案としてステップの高さが、75cmと1m50 cmという二つの選択肢がありました。ダムを造るときのリフト高が75cmだったので、工程としてワンステップにするか2ステップにするか、ということだと記憶しています。
 最終的には、流れのスムーズさと景観的に見たときのアクセントとして、見栄えが良いかどうかで決められたのですが、結果は75cmでした。1m50 cmだと水が跳ね過ぎるという理由です。ダムからの水の流れの勢いを減らす、減勢といいますが、水が落ちていく間にステップを通過していくとだんだん弱まりますが、そういう効果が良かったということと見た目にも美しいという選択になりました。施工的には多少苦労されたと聞いていますが、結果的には良いものができたと思います。


水の流れで起きる低周波音を低減

中野: そういったきめ細かいことは、やはり模型実験のメリットでしょうね。他に何か、特徴的なものはありますか?

角: 私が関わったものの2つ目に『瀬田川洗堰』というのがあります。琵琶湖から流れ出ている大きな川は、瀬田川一つだけですが川床に土砂が溜まって浅くなると洪水になりやすいので、地元ではたびたび川ざらえをして流れをよくしていました。しかし、流れが良くなると大量の水が流下するので今度は下流の地域で洪水が起こる心配が出てきます。だから、それを防ぐために堰を造って流量を調整したのですが、この堰にバイパスゲートを造るという話が持ち上がります。もともと瀬田川洗堰は大昔からあったものと、近年改築されたものが二つあり、さらにバイパスゲートを設けるというのですが、こうした堰とか農業用の頭首工(とうしゅこう)のオーバーフローのゲートから水を越流させると、水が振動するという現象があるのです。これは砂防ダムから水が出たときも同じですが、水がバタバタ振れて低周波音が出るというのが昔から言われていました。
 当時、ダム技術センターで検討委員会が立ち上がっており、土木研究所で基礎研究をしてくださいと指示を受けました。検討委員会は中川博次先生が委員長、土木研究所は高須修二室長、竹林征三さんもメンバーで、そうそうたる方々がいらした。現地で実際の堰を使って実験をやったり、土木研究所で基礎実験をやったりというのをドッキングさせて、このバイパスのオーバーフローゲート、これは実は三段式ですが、振動を起こさないように越流部に水切りのスポイラーを設置したデザインを提案しました。
 それとほぼ同様の成果が寒河江ダムのフラップゲートにも活かされています。模型実験が役立つという印象深い例です。

中野: ダム工事にも携わられたことがおありですか?

角: 3つ目の例が、大滝ダムです。大滝ダムとの関わりも深くて、土木研究所時代に模型実験を担当したのですが、その後実際に現地事務所に配属されて調査設計課長をしました。平成2年の台風19号の暴風雨の中をつくばから奈良まで引越しで移動したのを印象深く覚えています。私にとっては、研究と設計とそれに現場を経験した思い出多いダムです。
 大滝ダムは私がいた時に転流したのですが、本体工事が発注された頃に宇奈月ダムの左岸側が滑ったりしたため、本体掘削の安全性に再検討が必要になりました。大滝ダムも左岸側に大きな断層があったため、左岸側の地滑り箇所を手当てしてから本体工事に入るという対策をとりました。私は本体工事が始まる前に転勤になってしまいましたが、そういう意味でも大滝ダムは思い出深いダムとなっています。

中野: その後も大滝ダムとはつながりがあるのでしょうか?



角: 2回目に土研に戻った平成5年以降も、放流管、放流設備の合理化などの模型実験をかなりやりました。当初の計画では穴が5本あったのですが、それを3本に集約しました。当時の感覚ではこれが大き過ぎるのでは?という疑問があり判断が難しかったのですが、長島ダムで同じようなものでいけるという判断が出ていたので、大滝もそれと同じくらいにコンパクトにできました。
 それと、大滝ダムの流入河川は雨が多く、流量変動が大きいとダムの水位を維持するのに管理が大変だということで、通常の選択取水設備とは別に水位維持のため高圧スライドゲートを採用し100m3/s級の放流管も作ろうということになりました。大滝という名のダムですからせっかく放流した水をそのまま流してしまうのは面白くないので、下流の減勢工を本体の減勢工に平行な形にして横からすだれのように流すのを考えました。カスケードといわれているもので、その模型実験もやりました。それがようやく完成したので、すだれ状にちゃんと音も出さずに流れてくれるかというのが楽しみです。
スイスへ留学、堆砂問題を学ぶ

中野: 土木研究所でこうした実験に取り組まれてから、スイスにダム留学をされたのですか?どういう内容の研究をされたのですか?

角: スイスには、近畿地方建設局河川部に席を移してから、人事院の短期在外研究員制度に応募して、平成4年から5年にかけて6ヶ月の間行かせていただきました。当時の大ダム会議のレポートをみると、ヨーロッパ、とくにスイスのダムで土砂を出し、いろいろな課題があるというのが掲載されていて面白そうだと思いました。
 ダムにはどうしても土砂が流れ込んで溜まります。その堆砂をどうやって出すか、土砂を流した時に下流の川がどういった影響を受けるか、が大きな問題になります。こういうダムの排砂をテーマとしていこうと思ったのは、出し平ダムの排砂実験が行われたからです。土砂を出したときに下流の川がどうなるか、その頃の日本ではまだ十分にわかっていませんでしたから。このスイス留学が随分良い経験になり、今の仕事に繋がるいろんなきっかけができました。


スイス連邦工科大学水理・水文・氷河学研究所にて
土砂が溜まるのはダムの宿命

中野: 当時、自然環境を破壊するというので、出し平ダムの排砂問題はかなり話題になりましたね。

角: ダムから土砂を出すとどうなるかまだわからないことだらけでした。スイスは水力発電の国ですから発電ダムがたくさんあります。川の上流にはアルプスの氷河があり、氷河がじりじりと押し出してくる土砂が次第にダムに溜まってくるので定期的にダムから土砂を下流に出してやらないといけないのがスイスのダムの宿命です。下流の川には当然濁りが出てきます。水質と生態系に影響が起きて、すごく問題になるというのがわかってきた頃で、帰国後、ダムの排砂問題を取り上げた「流れ下る氷河」というタイトルの文章を『ダム技術』に発表させてもらいました。

中野: 欧州でも始まったばかりで、日本ではまだ研究はされていなかったのですね?

角: 新しい分野でした。スイスの川の水系は、大きく四つに分かれています。北の方は、最終的にライン川になります。南の方、南西側は、レマン湖を通ってフランスに流れていきます。東側は、オーストリアからドナウ川になります。南側はイタリアに流れる、ポー川になります。私が行ったのは、チューリッヒにある連邦工科大学です。主にライン川を重点的に見せてもらいました。それと、ローヌ川には有名なグランディクソンダムがありますが、ここも見せてもらいました。非常に特徴的だったのは、ローヌ川の最上流のほうにあるゲビデムダムでは、日本でいう黒部のようなところですが、毎年一回ダムを空にして溜まった土砂を出していて現在も続いています。


排砂ゲートがついているゲビデムダム

中野: 年に一回ダムを空にして水と土砂を出すのですか?すごく大掛かりなことを頻繁にするのですね。

角: 土砂を出さないとどうしようもないので、やむなく出すのです。ゲビデムダムは真下に排砂ゲートがついていて、そこから水と土砂を出しますが、コンクリートの磨耗の問題、下流への濁りの問題など、様々な問題が山積しています。下流には水質基準がありますが日本でいう環境基準というのではなくて、どれくらいの濁りまでだったら放流してよいかという基準になっています。これもかなり経験的に積み上げてきたものですが、そういう手法で管理しています。濁りと言っても、実際にはものすごい濁りですが、それを計測する技術を開発しながらやっています。
スイスの研究成果を出し平ダムで再現

中野: スイスで見てこられたことが、出し平ダムでも役立ったのですか?

角: 大変参考になりました。当時、富山でダム排砂に関する国際シンポジウムを開催した時に、特にスイスとフランスがこの分野で進んでいるので、私がお世話になった専門の人たちを招いて、日本の現状をみてもらい、土砂を出す際に、放流基準のようなものを作るとすればどういう作り方があるかということを話し合いました。現在も黒部川のダム排砂評価委員会のメンバーですが、どういう項目で、どこでモニタリングすればいいか、計測のやり方、排砂をする時期、どういう雨が降ったときにやるかなどがポイントです。当時はダム排砂がかなり問題になりましたが、今は理解も深まってきて、現地に受け入れられてよくなっています。スイスの経験は、そういうところで反映されています。

中野: ダム管理で役立ったことはありますか?

角: レマン湖から下、ジュネーブの下流にヴェルボアダムという堤高30mくらいの小さなジュネーブ市の企業局の所有する発電ダムがあります。さほど特徴はないのですが、実は最初から土砂を出すように設計されています。レマン湖から来る水は土砂を含まない澄んだ水ですが、モンブランの山あいにあるシャモニーから流れてくる川は、相当の土砂が流れて、これが合流するので、3年に一度は土砂を出すというのをやっていました。このダムの特徴的なのは、この下流にずっとダムが続くことです。そして川は、国境を越えてフランスに入り最終的にリヨン辺りにまで、その濁りがずっと伝播していくので、国際的な問題になります。ですから、土砂を出すにも、スイスだけで決められず、フランスと話をして、いつ頃やりますか、濁りをどうしますか、計測データはどうやりとりしますか、基準はどうしますかなど、なにかにつけて政治的な問題が発生します。排砂が、国際問題となっているのです。

排砂問題は、国際問題

中野: 日本だと、上流と下流の受益者同士の問題になりますね。

角: 欧州ならではの問題です。これらのダムでは、しばらく排砂を中断していました。環境面で非常に問題となってしまい、濁りがきつすぎるということです。今年中に再開するといわれていますが、機会があればまた見に行きたいと思っています。

中野: ヴェルボアダムは、日本だと天ケ瀬ダムと似ているということでしょうか?

角: シチュエーションとしては天ケ瀬ダムと似ています。なぜかというとさっき言った『瀬田川洗堰』がちょうどレマン湖と同じ状況です。流れ出しは湖から澄んだ水が出ますが、横から入ってくる大戸川から大量の土砂が入ってくる。その下流に天ケ瀬ダムがあって、ヴェルボアダムはまさに同じような場所にあります。琵琶湖からの水と大戸川の水を合わせて天ケ瀬ダムになるように、レマン湖からの水とアルブ川の2つの川が合流してヴェルボアダムに流れ込むという感じです。


ヴェルボアダムとレマン湖、アルブ川の関係
中野: 国際河川というのはいろいろ問題があるそうですがどういうふうに協議をしているのでしょうか?

角: 委員会を作って情報交換をしているのが一つと、印象的なのは、排砂をやるのに、いつやるかの日にちを前もって決めていることです。日本の黒部川の連携排砂と比較した場合、日本では6月から7月の梅雨明けくらいまでに、雨が降った日にやるというように幅のある期間を決めていますが、スイスの場合は何月何日と決めています。それは、下流で船が航行し、川を使っているからいつ行うか決めてチラシを作成して配布しています。これがそのサンプルです。(写真)チラシには、この日に土砂を出しますから注意してください。船は丘に上げてくださいと記載されています。排砂のためにレマン湖から澄んだ水を補給してそれで濁りを希釈しながら排砂しています。これができるのはレマン湖があるからです。


ローヌ川排砂時のチラシと下流水質調査地点
連携排砂の方法

中野: スイスにおける土砂管理の手法は、日本と違うのですか?

角: 共通点、相違点ともあります。共通点は、土砂を出す排砂評価委員会を設置して、まさにPDCA(※注1)をしています。それから、実施時期は融雪期で、氷河が溶ける夏前の時期になります。それから、濁りについてもいろんな条件があります。魚に影響するといけないので魚の逃げ場を造ったりします。そういったところが共通です。
 相違点は場所により違いますが、ヴェルボアダムの場合は3年に一度排砂するということです。日本の場合は、雨が降ったときにイベントベースでやりますが向こうは事前に予告して決めてやる点。ヴェルボアダムとは別にもう一つ、下流にフランスの電力会社の発電ダムですが、100mクラスで、完成当時はヨーロッパ最大のジェニシェダムというのがあります。これがすごく大きいので、そのダムの水を使って、上から流れてくる濁りを希釈する役目を果たしています。日本の黒部川の連携排砂というのは、上から流れてくる土砂と下流の土砂を自然に流していくのですが、スイスは先に下流のダムを開けて下流のダムを排砂してきれいにして一旦水を溜めて上から濁りが来るのです。日本とは逆のやり方になっています。同時に開けると、上の濁りの山と、下の濁りの山が合体してより高い濁りになる可能性があります。下流のダムを先に開けて濁りを先に出し、それで水が溜まると上から濁りが来たときに希釈されるというので、いろいろやってみた結果でこの方法が良いということになったみたいです。

 ※注1:Plan(計画)、Do(実行)、Check(検証)、Action(行動)
中野: そういう手法は、日本の連携排砂でも参考にしているのですか?

角: そのままというわけにはいきませんが、黒部川のほかにも、似たような事例は天竜川の佐久間ダムや九州電力の耳川水系の再開発(山須原ダムなど)があります。これらも縦列でダムがありますから、上流から来る土砂を下流にどうやって安全に通過させるかというのを考えています。いろんなパターンがありますが、スイスの手法も共通性がありますから上流、下流の水をうまく使って濁りを流していくというのが良いので、今後いろいろ検討して、効果的な方法を見つけていく必要があります。

中野: スイスの排砂方法が参考になって良かったですね。戻られてから京大の方に行かれたのですか。

角: 排砂をテーマにしたタイミングが非常に良かったと思います。建設省では忙しい時期でしたが行かせてもらえて感謝しています。戻ってからは、外務省に2年ほど出向してODAを担当し、その後土研に3年ほどいて水質、ダム湖の法面緑化、水資源や渇水対策の事をやりました。それから京大に行ったのです。

ダムのアセットマネジメントを提唱



中野: 京大に行かれてから、改めてダムの管理について、ダムを長く使っていくことに関していろいろ考えられたとか。排砂による濁りの問題は、環境や漁業への影響などがありますし、ダムのアセットマネジメントにつながっていくということですね。そのあたりのお話を伺えますか。

角: スイスでは、ダムから土砂を出すにも、そう簡単ではないというのが印象が深かったので、日本でもダムへの堆砂問題がいよいよ煮詰まってから対処したのでは遅いだろう、なるべく早くできるところからやっていかないとと思いました。ダムの世界で、昔からよく言われている100年堆砂計画、ダムの長寿命化という言葉もありましたが、なかなか新規ダムが難しいのが現状ですから、既存の施設を長く使っていくというところに計画論、技術論もシフトしていかなければならないとひしひしと感じていました。ダムの維持管理は、土砂対策が鍵になるので、ダムについてはそういう研究テーマを第一にしていかないと将来像が見えてこなくなると心配していました。
中野: ダムに土砂が溜まるのは自然ですが、より長く使うということは日常的にどういう管理をすれば良いかですが、何十年、百年というスケール感では、想像つきませんね。

角: 実はアセットマネジメントという概念自体は、もちろんダムに限った話ではありません。インフラとしては、道路、橋梁、上下水道だとか、いろいろな分野で考えていかねばならないことです。京都大学には、土木計画がご専門の小林潔司先生がおられるのですが、そうした分野の違う先生と議論をする中で、ダムでアセットマネジメントをやるためにはいろいろ要素があるということを教えていただきました。

ダムをより長く使っていくために

中野: ダムのアセットマネジメントに取り組むうえで大事なことは何でしょうか?

角: いちばん大事なのは、ダムの現状をよく検証し、劣化状態をデータベース化しないといけません。さらに将来予測をしなくてはいけない。モデル化は当然ですが、いくつかシナリオ、オプションを策定・提案して、そこから先はコストや社会的環境とかの影響などを総合的に評価して、どう実施するかを検討する。将来こうなるという姿をわかりやすい報告書にして関係者だけでなく、できれば一般にも公開していくことで、これだけの予算がかかりますが、これだけプラスになる。放っておいたらその間の予算は要らないのですが、いつか将来、莫大な負のコストが発生しますから、なるべく早くやったほうがよいというのがおのずと判ります。ダムの場合、管理者が国や県なら、国民のみなさんに必要な予算づくり、ストーリーづくりが必要です。ダムの長寿命化については、排砂問題を整理しておく必要があると強く感じましたので、これをポイントにしたのです。

日本で初めて『千年ダム』を提唱

中野: ダムをどのように、効果的に使っていくかという事で、まさにダムの資産管理ですね。千年ダムという言葉もそういう発想から生まれたのでしょうか?

角: それは『建設通信新聞』の座談会で初めて言いました。ダム技術センター理事長、入江洋樹さんたちとご一緒だったと思います。実は、ダムのアセットマネジメントの話をするときに何か目標がいるのではないかと考えていました。いろんな長寿命化がある訳で、どれくらい先を見るかで内容が変わるでしょう。例えば、こちらは当然百年持つと思っていても、一般の人は百年もたないのではないかと思っているかも知れない。また土砂を出すにも目標がいるのではないかということでダムの長寿命化のゴールは何年がいいだろうかと。それで2003年に京都で水フォーラムがありましたが、そのときに貯水池管理の土砂管理セッションがあったのですが、最低でも五百年くらいの目標がいるのではないかと言っていました。だから、それくらいダムが持てば、百年よりは一歩前進かなと思っていたのです。それで座談会で話をするうちに千年ではどうかと。例えば、狭山池とかの例もありますから、決しておかしくない。他の人がもっと先に千年を唱えた方がいらしたかどうかわかりませんが。

中野: いろんな資料を拝見しましたがやはり角先生が最初ではないかと思いますが。

角: いちばんの問題は、『ダムは必ず堆砂するから、百年で使い物にならなくなる』という誤解です。これはぜひ払拭したいと思います。ちなみに、ダムアセットの検討をする中で、先ほどデータが大事と申し上げたのですが、日本は世界で一番、ダム堆砂のデータを持っている国だと思います。今は、国内に3000基ほどダムがありますが、この中で900〜1000について堆砂測量をしています。だいたい全ダムの1/3くらいを毎年、堆砂測量をしてデータを蓄積している国はほかにありません。アメリカもだいたい10年に一度くらいしかやっていません。経年で測ると、ある意味、将来予測ができるのです。データがあれば変動するのがよく判ります。だいたいは、毎年平均的に増えるというのではなく、昨年の台風12号のような大きなのが来ると急に増えます。台風が来ない年は非常に少ない。変動があるというのは毎年データをとっていなければわからないのであって、10年に一度しか調べないと、その間はブラックボックスになるのでそういう意味では貴重なデータといえます。

ダム長寿命化の処方箋を書く

中野: 最近は、気象の変動が激しいのでそれは意味がありますね。

角: 全国のデータをみると、平均的に満杯になるのに400年くらいだと推定されます。これは、総貯水容量で単純に割った場合の全ダムの平均値です。だから100年で満杯になりそうな場所もありますし、1000年経たないと満杯にならないダムもあります。
アセットマネジメントで重要なのは、ダムごとに診断することです。これはそれぞれのダムで処方箋を書く、ダムのお医者さんだと思うのです。風邪をひいたりして医者にかかるといろんなデータ、体温を測ったり血を採ったりして診断します。ダムに対してもそれが必要で、堆砂だけでなく、堤体のモニタリング、クラックとか、ダム湖のなかをみて診断をしなくてはいけない。土砂が溜まるボリュームだけでなく、どこにどんなものが溜まっているか、細かい土砂だとか粗いものだとかがわかってはじめて将来の診断ができると思います。短期的に手を打たないといけないことと、中長期的に考えていかねばならないこととがわかる。段階的に診断するドクターが必要だと考えます。ダムの将来的な課題を診断する処方箋の中身は、堆砂対策としてどういうメニューがあるか、どういうふうにすればいいかそれぞれ違いますから、ダム1基に一つずつ書かなくてはいけない。

既存ダムを再開発しながら使う

中野: 日本は海外と比べてダム再開発などは進んでいますか?

角: 例えば、土砂バイパスのようなものを造って、貯水池を迂回するように土砂を流していこうというコンセプトは、スイスも同じように考えてトンネルを造ってやっていました。日本もやっていますが、山が急峻で勾配が急なので比較的トンネルを造りやすく、短くできるというメリットがあります。この方法ではスイスが先行しています。ダムの中に穴を開けるのは、日本が世界的に先行していると思っています。


中野: 鶴田ダムなんかはどうでしょうか?

角: 堤体に穴を開けるのですが、これは日本的な方法です。日本の場合は容量を増やすだけではなくて、洪水のピークカット能力を高めるという目的があります。洪水のピークが来る前に、なるべく低い水位を維持して、洪水調節をする容量を温存させなくてはいけないという狙いです。堤体の低い場所にたくさん放流施設を持っておいて、水位が上がらないようにしなくてはいけません。これはきわめて日本的なニーズです。海外では、だいたいが嵩上げをして容量をどんと増やしてしまいます。

海外のダム再開発事情

中野: アメリカやオーストラリアの再開発の事例はどうですか?

角: 再開発では、洪水放流能力を増やすという例が結構多い。やはり温暖化なのか急激に雨量が増えると、ダムの安全性を高めるために越流させますが、その能力を高めようとメインの洪水吐きの横に新たに洪水吐きを新設、あるいは増設するというのが多い。あまりお金をかけたくないので、ヒューズ洪水吐きとかプラグだとかいう方法です。国際大ダム会議でも出ていましたが、ピアノキー式といって水位が上がると、パタッと倒れるという形式のものを結構研究してやっています。今年の大ダム会議でもそういう例が多く出るように聞いています。

中野: 洪水調節というか、ダムの目的を変えるという再開発事例もあると聞きますが?

角: 先ほど言いましたが、発電ダムの事例が多い。オーストラリアなどは、普段から水が足らない国なので飲み水としての貯水池が多いのですが、発電できるようにするのが中心です。それと洪水調節に特化したようなダムもアメリカでは造っています。形式は、ドライダムと言っています。古い見本が、オハイオ州のミシシッピー川支流にあります。TVAができる以前に計画されて造られていまして、そのプロジェクトを指揮した技術リーダーのモルガンは、そのあとTVAの初代所長になっています。当時は、治水というニーズがあって、デイトン市の手前に5つの治水専用のダムを造りました。飲み水を溜めるという目的もあったのですが、地元に農地が広がっていてそれを全面買収するのにはお金がなかった。当時はまだダム予算が潤沢ではなかったので、地元の人がみんなお金を出し合って造ったらしいのです。自分たちのダムという感覚で造ったので、土地代にあまりかけられないということから、ダムだけ造って周辺の農地は従来どおり使っていいというコンセプトでドライダムと言っています。


マイアミ川管理局のドライダムと土木遺産認定
100年前のダム構想

中野: なるほど、普段は水を貯めていないからドライなので、洪水の時には貯めるから、農地が浸かってしまうけれど、地元もそれを容認するという方式ですね。

角: 日本では、私も関わっている島根県の益田川ダムの例があります。実はこのアメリカのドライダムの前に、もう一つ欧州に事例があります。これはフランスで川を人工的に狭めて、人工狭窄部を造って洪水のときだけ、一時的に湛水させるというコンセプトだったらしいです。これが17世紀頃にできたもので、非常に歴史的なもので、それを参考にアメリカのドライダムの構想ができた。1900年の初頭ですから、今から100年以上も前のもので、今も有効に機能しています。その発想をお手本に日本で現在考えられているのが流水型ダムです。

中野: オーストリアはどうですか?

角: ほとんど同じコンセプトですが、川が小さいですから規模が小さい。洪水から町を守るために、町の背後にある川から流れてくる洪水の流れを受け止めるダムを造る。アメリカの場合は、集中型の大きなものになりますが、オーストリアでは分散型で渓流ごとに小さいダムを造っていることになります。


オーストリアの流水型ダムと地元関係者
中野: 先生は、いろんな国でダムをご覧になっていますが、日本のダムはどうですか?歴史的に古いのでは、狭山池がありますが、これからダムの再開発を積極的に取り組んでいくということでしょうか?

角: ダムは、ある意味、どんどん進化していくという気がします。例えば後世になって造り替えるとか、時代と共にアップデートされていくことを想定しないといけないと思います。狭山池が最初からそのように想定されていたかどうかわかりませんが、今ではそういうことをどこまで当初から想定して造りこんでおくかということも重要だと思います。

川を洗う『フラッシュ放流』

中野: 日本にはたくさん既存ダムがありますから、今後はますます再開発が重要ですね。

角: 土砂管理のことで一つ言い足したいことがあります。これまでお話したのは、ダムの長寿命化のことですが、土砂が溜まらないようにするというのは、ダムの長寿命化にとって重要なことですが、実は溜まった土砂を出すことも同じように重要なのです。
 これはスイスで強く感じたことで、まず川の下流の環境を考えたときに、土砂を出すことは自然の再生に非常に有効だということ。スイスから帰ったあと、先ほど三年くらい土研に居たと言いましたが、その頃からやり始めたものに『フラッシュ放流』があります。この『フラッシュ放流』というのは、『千年ダム』もそうですがいろいろ考えて私が命名したものの一つです。実は、アメリカのコロラド川にあるグレンキャニオンダム、そこで始まったとされていますが、下流の環境を改善するために人工的に洪水を起こすという放流です。つまり、川の中に溜まった土砂をワ〜と巻き上げて、川の両側に、昔あった砂洲を再生させるということを狙った放流です。

中野: 先生はいろいろなダム管理手法の名付け親になっているのですね。

角: 日本では、ダムの下流は川の環境が悪くなって大変だと言われます。だからダムはダメだと言われる理由の一つでもありますが、それを改善するための放流です。つまり下流の川の自然にとって、時々洪水が起こることは自然のメカニズムを維持することとして大事だという考えなのです。それに対して、ダムは何ができるのかということの一つの答えがこの放流です。それがアメリカで始まったので、ぜひ日本もやるべきだと思いました。当時、そういう事例も考え方もほとんどなかったし、もちろん『フラッシュ放流』という言葉すらなかった。

中野: 最初に取り組まれたのは、どこですか?

角: 鬼怒川上流の五十里ダム、当時、ここで観光放流というのをやっていたのを参考にしました。下流に川治温泉があるので、温泉街から排水がたくさん流れて川床にけっこう汚れが溜まるのです。栄養分が高いですから水質もけっこう悪くなりやすい。夏場に五十里ダムで100トン放流というのを月に一回のペースでやっていました。これがまさに『フラッシュ放流』なんです。当時は月に一回、放流する日にちが決まると、放流する前と後で、どういうふうに川がきれいになるかというのを調査してレポートを出しました。

中野: 『フラッシュ放流』で、川床の汚れを洗い流すのですね。

角: ダムの放流で大きな流れが来ると、水かさが増えて川床の石が動いたりします。それがすごく参考になったので、いろんな場所でやるべきだと考えました。それを広めるには何か名前が要るだろうということになり、アメリカの文献に「Flushing Flow」というのがあったのでこれだなと思ったわけです。よく写真のフラッシュと間違えられるのですが、あれは閃光とか稲妻みたいなものを指しますが、もう一つ意味があって洗い流すというものです。こちらは、配管やトイレのフラッシングという言い方があるのでご存知の方もいると思いますが、洗浄する意味で使われています。これをいただいて『フラッシュ放流』と呼び始めたという経緯です。
 次に考えたのは、川に土砂を供給しないとまずいという話がありまして、当然、これはダムの堆砂対策と関連します。堆砂は掘削して昔は山に埋めていたり、骨材利用もしていましたが、やはり自然を生かすには、土砂を川に戻さないといけないのではということで、『フラッシュ放流』と併せて、土砂を戻すということをやろうとなったのです。今度は『土砂還元』という言葉が良いのではないかと、いろいろ議論して決めました。


真名川ダムの土砂還元とフラッシュ放流
 
川の自然を再生して『千年ダム』へ

中野: ダム下流の川の自然を再生するために『フラッシュ放流』と『土砂還元』ですか。覚えやすいですね。

角: この二つの手法で、環境改善に取り組むという流れにきています。次は、この話とダムの堆砂対策をどう関連させていくかが最大の課題です。つまり、『千年ダム』を実現させるのに必要なダムからの排砂量はどれくらいかという目標と、もう一つ、下流の環境を維持するためにはどれくらいの土砂が要るかという両方の目標があり、特に後者は維持流量正常流量と似た概念でまだ少しぼんやりしていますが、いろんな角度から検討して明らかにしていきたいと考えています。

中野: 既存のダムを再開発から『千年ダム』につなげていくのですね。具体的な方法が見えてきて実現しそうな気がしてきました。


角: 川の環境を維持するためには、土砂の供給量をどれくらい維持するかゴールを決めなくてはいけないのですが、ダムの長寿命化のゴールとどうミックスさせて解決策として整えるか。ダムの処方箋として、ダムごとに、川ごとに提示できるかというのが、今いちばん求められているところです。ダムの土砂管理といったときに、ダムの中だけを考えるのではなく、下流の川の質を向上させるためにどうするかを考えていく必要があります。ダムや川に関わる皆さんにも、議論していただければと思っています。

ダムがあるのに洪水になったという声に

中野: 次に、昨年の台風12号被害に関して調べられたことを土木学会の関西支部で報告されたそうですが、どのような内容でしょうか?

角: 台風12号被害についてはいろんな視点があります。土木学会関西支部の報告会以外にも、先日、愛媛大学で開催された土木学会河川災害シンポジウムでも話しました。そこでのポイントは、電源開発の発電ダム、和歌山県の多目的ダム、それぞれの問題点を考えないといけません。

中野: それぞれ目的の異なるダムが、台風に際してどういう問題を抱えていたかということでしょうか。

角: まず電源開発の発電ダムに関しては、いろいろ検討中のことがあるので、確定的なことは言えないのですが、洪水調節についての問題というよりも、どのようにして多量の雨水を通過させるか、いかにして洪水流量ピーク流量を下げられるかが課題なのだと思います。その場合、若干の予備放流をすることができるかや、放流時のただし書き操作がどうか、そのあたりが今回どうだったかを調べないといけないのです。ですが、地元ではダムに対する期待感が強いので、単に「このダムは大雨の時にはこういう操作ルールになっています」という説明だけでは、なかなか納得してもらえない。発電ダムに対しても、多目的ダムのような操作を期待されている部分がありますが、それにどうやって応えていけるかという課題もあります。

地元はダムに頼っている

中野: 下流の住民にしたら、ダムがあるのになぜ洪水になるの?と思ってしまう訳ですよね。

角: 関西支部の報告会の際にも申し上げましたが、そこは情報伝達の問題なのです。管理者側からすると、洪水を通過させているだけなので問題ないと思っているかも知れませんが、地元の住民にとっては上流からどれだけ水が入ってきて、下流にどれだけ出ているか、川で何が起こっているかがわからないということです。ですから、放流量をきめ細かに伝えていく役割が管理者側にあると思われます。ダムが悪く言われるのは、ダムの役割が周辺住民によく理解されていないからではないかと思います。今後、もっとわかりやすく説明していくにはどうすべきかを考えていかないといけません。
 それと今、上流に降った雨がどういうふうにダムにたどり着いてくるかということについて、それを知るにはどうするかという検討会が進められております。流域の雨の予測については、もっと最新のレーダー技術を使って、管理者自らが気象情報をとって、いざという時にあわてなくても済むような対応を考えておくのが大事ではないでしょうか。それができないと、結局、下流に対する情報提供も出来ません。発電ダムのような利水ダムは、本来、洪水調節をしていませんので、従来の操作に加えて、仮にやるとしたら、いわゆるボランティア的にやるのか、それとも、きっちりルール化してやるのか、電力ダムで減電が起きたらどう補償するか等、経済的な面も含めて事前に対応を考えておくことではないでしょうか。ただ、そういう時に、洪水をとるのか水力エネルギーをとるのかという、究極の選択の問題を事業者にさせてしまって良いのかという問題も検討課題ですが…。

ノロノロ台風の悲劇

中野: 和歌山県が管理している多目的ダムについては、いかがですか?

角: この多目的ダムですが、日高川にある椿山(つばやま)ダムです。実は、私にも思い出深いダムで、大滝ダムに似ています。ここは洪水量が大きいので、下部に放流管がたくさん並んでいて、県が管理するダムとしては一級の大きさです。放流試験の時に、縁があって私も立会いました。ここでは昭和28年に紀州大水害があって、それをうけてダムが出来たのですが、ダムの完成後はずっと洪水がなかったのです。今回の台風12号も始めは、洪水災害が起きていませんでした。新宮川の下流や那智川の洪水被害、十津川あたりで山が崩れて天然ダムができた頃には、まだ日高川ではなんとも無かったのですが、今回の台風12号はものすごくスピードが遅くて、ノロノロと四国を縦走して瀬戸内海を抜けて北上していき、日高川が洪水になったのは、最後の最後、9月3日の夜から4日の明け方にかけてです。その時、台風の中心ははるか岡山県辺りにあって、和歌山県の人にとっては、もう台風は行ってしまったという頃にどっと雨が降った。気象の専門家からもごくまれにそういうこともあると聞きましたが、これは本当に意外なことでした。


椿山ダムと流入した大量の流木
中野: 単に台風がノロノロだったというだけではないのですか?

角: 解説がちょっと専門的になりますが、台風の反時計まわりの渦があるのと、反対側に高気圧があって時計回りの渦があると、ちょうど噛み合って大気の渦がローラーのようにぐるぐる回ることがある。すると、南方の湿った太平洋上の空気がどんどんとそこをめがけて流れ込んでくるという現象があるそうです。普通、台風は偏西風の影響で、まっすぐ真北には進まず、次第に東の方にずれて流れていくのですが、今回は、たまたまゆっくりでかつ真北に行ったので、湿った空気がずっと同じ場所に吹き込んで、紀伊半島の山に当たってずっと雨が降り続いたそうです。つまり台風だけじゃなく、行く手をはばむ高気圧との関係もあって長時間、雨が降り続いた。
 だいたい紀伊半島の西側は、台風では雨があまり降らないのです。私も、前に大滝ダムにいましたからわかりますが、大台ケ原から東側は台風の雨がよく降りますが、反対側は山の裏なので普通の台風では雨が降らない。それなのに、今回はよく降ったので地元の人も驚いていました。それでダムが満杯になって、いわゆる『ただし書き操作』となり、下流の人たちもそれで被害が出たので、ダムのせいだと思ったというのが実際のところです。

ダムがあることの安心感に落とし穴

中野: 台風だけじゃなく、高気圧の渦が噛み合って余計に海上から湿った空気が入って雨が降り続いたのですね。

角: そういう経験を踏まえて、今後どうするかというのですが、印象的なのは、ダムができたのが昭和63年ですから、その後の20年以上ほとんど洪水らしい洪水はなかったということです。地元の人も、川との付き合い方を忘れたというと語弊があるかも知れませんが、現実と少しギャップが生じた。洪水というのは大雨が降ったら常に起こる可能性があるものだという、危機意識を持っておかなければいけないということです。とくに今回は、ダムの管理側も地元の人も驚いてしまったほど降った。

水力ならではの発電特性を訴える必要も

中野: 次に、エネルギー源としての水力の役割のようなことについてお伺いします。電力問題に関して、太陽光や風力、地熱はよくマスコミに取り上げられますが、水力発電が話題になることが少ないのは情報発信が少ないということでしょうか?



角: どちらかというと、水力発電はすでにあるものだから、これからの数字という観点からは含まれにくいのかも知れません。一つだけ申し上げると、全体の中の比率の何パーセントかとういう議論からすると、水力はあまり大きなものではありませんが、揚水発電も含めて、電力需要のピークに対する『水力発電の対応力』については、ちゃんと情報発信していく必要があると思います。足らない時にすぐに発電量を上げられるのは、水力をおいて他にはありませんから。
 これは水力発電の特徴ですが、ダムの場合、水をエネルギーとして蓄電しているのと同じで、本当に電力が足らなくなるという時に対応して、極めて機動的に供給できるというのは、他のエネルギー源にない特徴です。だから、電力の全体の何パーセントという議論の中で、もうダムは造れないということになるのはもったいないし、『千年ダム』の話のように、もっとその辺の売りの部分を世の中に訴えていく必要があるのでないかと思います。
 水力発電の価値は、例えば堆砂の問題も含めて未来永劫約束されたものではないですから、世の中に働きかけてダムの再開発等の投資をすることでエネルギー比率について、まだまだ上げられる余地があるということを訴求すること。それに太陽光、風力、地熱などと比較しても、十分に投資効率が高いということを、もう少し電力会社の方に頑張っていただいて、世論に訴えて説明していってもらいたいと思います。

電力のベストミックスをはかるには?

中野: 今あるダムを積極的に利用すれば、より水力の価値が上がりますよね。

角: 聞いた話で恐縮ですが、欧州、地中海をめぐって、北欧では水力発電をものすごく活用していますが、地中海の向こう側のアフリカの砂漠では、太陽熱を使っています。ソーラーではなく太陽熱で水を蒸発させてタービンを回して発電するという方式ですが、この2つをネットワーク化させる構想があるそうです。水力がある国は、揚水発電の能力をアップし、一方は、夜は発電しないので、北と南で欧州全体のニーズに応えるというようにする。こうすることで、水力に特化して能力をあげる地域があっても良いわけですが、同じような発想を日本で行うこともできるのではないかと思います。東西で、周波数の違いがありますが、例えば太陽光や風力で貢献する地域があれば、水力でやる地域というのもあってよいと思います。全部を同じ方法にするのではなく、ベストミックスをはかるというのが良い解決策ではないかと思います。

一般人にも土木を語れる場を

中野: ダムのことを発信していくという観点から、ダムマニアさんとのコラボの話題もありましたね。土木カフェというのも聞いていますが、これからどういうふうに進めていかれるのですか?

角: ダムマニアさんとお付き合いはそれほどあるわけじゃないのですが、いくつかのイベントをやりました。こうした催しは、だいたい東京でやっていたのでなかなか参加できませんでしたが、一昨年のダム工学会の20周年事業で出させていただき、その時に関西でもやりましょうと言ってしまったので、その流れです。また、土木学会の関西支部ではFCC(フォーラムシビルコスモス)というユニークな企画をやっていまして、一般の方からのニーズを受けて、土木をわかってもらえるよう気軽に参加できるカフェトークというようなものを始めました。街中に出て行って、ちょっとした会議室を借りて、外から見えるようなところで集まって、土木に関連したテーマで議論しています。

中野: 今後、土木学会とダム工学会はいっしょになんかやってもいいのではと思います。ダムを身近に感じてもらえることが重要ですね。ダムマニアさんには本や写真集とか出している人もいますが、関西で有名なダムマニアさんはどなたかいますか?

角: 夜雀さんが有名ですね。ただダムの写真をとって造形としてデザインとして美しいというだけじゃなくて、その裏側を見ようとされますね。そのあたりの目のつけどころは我々も参考になります。

大ダム会議でダムマニアの展示

中野: 6月の国際大ダム会議京都大会でも、ダムマニアさんがブースの一角で展示をしますね。

角: 我々も6月3日に京都駅ビルでイベントをやります。大ダム会議の開催中でもあり、国際会議場での会議だけじゃもったいないので、一般の人にも知ってもらうような機会にしたいと考えました。

中野: 当協会も、一般の人にダムを理解してもらうのを手伝っていただくため、ダムマイスター制度というのを試行しています。ここにもたくさんダムマニアさんが登録しています。判ってもらうには、やはり判りやすく解説できるかどうかだと思いますが、その辺りはどうお考えですか?

角: 長寿命化やダム管理の手法については、内部ではいろいろ話されていますが、なかなか外に出て行かない。一般にはまだまだ広まり難いと感じます。専門用語があって言葉が難しいという問題もあります。今後、その辺についてはダムマニアさんとのコラボも一つの鍵だと思います。ダムマニアの人は少なくともダムに対して関心は持っています。第一世代のダムマニアの方ですと我々くらいの専門知識は持っているので分かってもらえるでしょう。新しい、第二、第三世代くらいのダムマニアさんでも容易にわかってもらえるようにしないといけないと思います。

新設ダムのない時代、技術をどう継承するか

中野: ダム技術の継承、技術者の育成については問題が多いようですが、やはり子供の頃からダムに親しむように教えていかないといけないのでしょうか?

角: 参考になるかわかりませんが、ダムマニアさんとコラボしてダムについてトークをする時に、どういうスライドを作って、どういう用語について説明するかを考えると、一般的なダムマニアさんがわかってくれるという水準でみれば、大学で工学部の学生の一、二年生に説明する際と、かなり共通性があります。慣れると、そのもっと前の段階、例えば高校生や中学生、あるいは一般の主婦にも説明するとか、そういう方に説明するやり方のトレーニングになります。
 私もいま大学に居ますが、学生にダムを説明してもあまりピンと来ないようです。つまり、卒業して就職した時に、自分がダムを造るというのがあまり想像できないのです。世の中ではもう新規にダムを造る時代じゃないので、入ってくる情報でももう新規ダムはないとか、造れないというのしかないので、再開発とか、土砂とか、環境再生とか、そうことは学生はほとんど知らない。だから一から説明していくことが必要だと思って居ますが、いきなりそういう方向で説明しても、今の学生は付いてこれないと思うのです。私が今、すごく考えているのは、学生にまずダムに興味を持ってもらうこと。入り口論としては、かっこいいとか面白いとかから入っても良いと思います。ダムの世界は、一度入ると奥行きがありますから、始めるとどんどん深くなる。
 実は、ダムカードですが、ダムマニアの方はすでに収集されていますが、学生も関心をもっています。こういう切り口からでも、興味の対象にしてくれれば、それこそダム一つひとつに個性がある訳ですから、どこかにフィットして考えてくれれば良いと思います。ダムの長寿命化をテーマに、堆砂とか、自然の再生とか絡めていくと、それこそ新規のダムを造るよりも多くのことを対象にして考えないと、とても『千年ダム』など到達できないでしょうから。

中野: ダムを守るにも、管理するにも人がいないと。やはりダム技術者に育てていかないといけないのですね?

角: 今度の京都の国際大ダム会議のセッションの一つに技術継承をテーマにしたものがあります。技術継承というのはまさにダムのエンジニアを、次世代にどう確保していくかという問題です。実は、この問題は日本だけじゃなくて世界共通の問題です。欧州や、オーストラリアとかでも研究されていて、論文が出ています。それを見ていると、学校の現場に、日本でいう出前授業というのをやったり、あとダムに特化したようなカリキュラムを組んだりしてやっています。
 新設ダムをやる、やらないという議論に少し時間を取られ過ぎたのではないかという気がします。おかげで日本は世代ギャップができてしまったようです。これからは、管理というところに目を向けて世の中にアピールして行き、ここにはお金をかけるようにしていかないと。技術者を育てるにはお金も要りますから。
 今でもマスコミは、ダムを造るか、造らないかということで、ほとんどその論調ですけど、私は、そういう時期はもう過ぎたと思っています。

ダム再開発にも高い技術力が必要

中野: 大震災も経験して、やはり「コンクリートから人へ」では命を守れないということが判りましたし。

角: 脱ダムとかが流行った時代を経て、おそらく今までダムに反対されていた方も出来るものは出来る。出来ないものは出来ない。今あるものをどう長く使っていくかの知恵勝負です。おそらく、新設ダムより再開発ダムの方が高度な技術が必要です。まったくの白いキャンバスに絵を描くより、下地のある絵を補修する方がよほど難しい。ダムも補修する際にはまず診断から始めますし、それだけ高い技術力と想像力が求められるのです。最初に造った人がいなくなっては、岩盤がどういう性質かもわからず、今の現場をみて考えていかねばならないというのは、相当にハードルが高いですね。
 それから、大学ではダム工学とか、鉄道工学とか、道路工学というカリキュラムがないのが問題です。私の時代には、道路工学というのはありましたが、今は、全部細分化されてしまっています。ところがダムは、土木計画学があって岩盤力学があって、土質力学があって、水理学があって、構造力学があって、最近は環境とか、水質とかいろいろなものがありますね。そこが総合工学たるところなので、トータルにそういう教え方をどうするか、改めて考えてやっていかねばと思います。

これからのダム技術者にお薦めの3冊

中野: 道路、橋、下水道も50年ほど経つと、相当に手を入れなおさないといけないですね。ダムもそうだとすれば、どれだけきちんと繰り返していけるかが長寿命化への近道になりそうですね。今日は、先生の方からご紹介いただけるダム技術についての書籍があるそうですが、ご説明いただけますか?

角: できれば3冊ご紹介したいと思います。まず一冊目。これは、『貯水池土砂管理ハンドブック』といいまして、全国建設研修センターの副理事長をされていた岡野眞久さんといっしょに編集にあたったものです。もともとは英語の本がありまして、土砂管理をやっている人にはバイブル的な本なので、ぜひいつか翻訳して紹介したいと思っていたものです。

 実は、2003年に水フォーラムをやったときに、この計画を立ち上げましたが出来るまでに5年ほどかかりました。表紙は中国の三門峡ダム、裏から見ると日本の美和ダム、出し平ダムになっています。ちなみにこの中に、日本では難しいのですが、ダムの廃止についても書いてあります。アメリカでエルワ川でのダムの撤去が進行中のことが書いてあります。ダムの廃止(Decommissioning)と撤去(Removal)は内容が相当違います。廃止とは、ダムの使用をやめるというもので、そこにダムはずっとあるわけです。撤去は、ダム本体の構造物を取り去って川をもとの状態に戻してしまうのです。すると、ダムがあった時以上に雨が降ったらどうすれば良いのか。単に撤去すれば良いというものではありません。どこまで考えに入れるか、それこそ想定外をどこまでにするかという難しい問題を含んでいます。


『貯水池土砂管理ハンドブック』
 日本では、ちょうど熊本の荒瀬ダムの問題があります。廃止しても、どこまで撤去するかではいろんな選択肢があります。例えばゲートだけ取って、コンクリートの構造は置いておくとか、途中まで切り欠いて砂防ダムのようにするとか、構造物は全部取るとか、上流の溜まっている土砂がどういうかたちで出てくるかは全然違うわけで、そういう選択肢をどうするか、技術論として非常に参考になると思います。

 二冊目は『ダムと環境の科学T−ダム下流生態系−』です。池淵周一先生が編著作で私が一部書きました。これはまさに先ほど言いました下流の環境を見据えて、『フラッシュ放流』や『土砂還元』をどう計画するかという話です。生態系のほうの先生は水生昆虫が下流でどういうふうに変化しているかという面から調べているので、そのためにダムを管理する処方箋としてはどういう働きかけができるかという話です。最初の本はダムの中の話で、あとのはダムの下流の話でして、両方で一つにつながっています。

『ダムと環境の科学T−ダム下流生態系−』

『生命体「黄河」の再生』
 次に、三冊目は『生命体「黄河」の再生』です。芦田和男先生と一緒に書いたものです。先生はもうお年は80歳を超えられた土砂水理学の権威なのですが、私は以前からダムの土砂管理技術を世の中に普及させるための『ダム流砂技術研究会』を先生と一緒に進めています。
 また、中国の黄河の土砂管理の勉強もしてきました。黄河では、昔から土砂をどうするかについて古くからの経験があります。これは、中国の黄河水利委員会の李国英先生が「維持黄河健康生命」という本をお書きになっていて、黄河で、治水と利水と環境のハーモニーをどうやってとるかという本なのですが、それを和訳しました。私は、日本との対比という視点で、黒部川の連携排砂のことを黄河と対比させて解説しました。スケール感は全然違いますが、黄河もダムが連続していますので、そういう意味では面白いと思います。ぜひ皆さんに読んでいただければと思います。

中野: 本日は、貴重なお話をありがとうございました。
 わかりやすくて、すごく勉強になりました。

 

 
(参考) 角哲也先生 プロフィール

角 哲也 (すみ てつや)
京都大学防災研究所水資源環境研究センター 教授
昭和35年 8月28日生

学  歴
昭和54年 3月10日 福岡県立修猷館高等学校卒業
昭和54年 4月 1日 京都大学工学部土木工学科入学
昭和58年 3月24日 同 上 卒 業
昭和58年 4月 1日 京都大学大学院工学研究科土木工学専攻 修士課程入学
昭和60年 3月23日 同 上 修 了
平成10年 5月25日 博士(工学)京都大学論工博3344号

職  歴
昭和60年 4月 1日 建設省土木研究所ダム部ダム水工研究室 研究員
平成 2年 9月16日 建設省近畿地方建設局大滝ダム工事事務所 調査設計第一課長
平成 4年 4月16日 建設省近畿地方建設局河川部 建設専門官(高規格堤防(スーパー堤防)担当)
         人事院短期在外研究員(スイス連邦工科大学水理・水文・氷河学研究所)
         (平成 4年 9月 3日より平成 5年 2月10日まで)
平成 5年 8月 1日 外務省経済協力局無償資金協力課 課長補佐
平成 7年 8月 1日 建設省土木研究所ダム部水工水資源研究室 主任研究員
平成10年10月 1日 京都大学大学院工学研究科土木工学専攻 助教授
平成15年 4月 1日 京都大学大学院工学研究科社会基盤工学専攻(改組による) 助教授
平成18年 4月 1日 京都大学経営管理大学院 助教授(工学研究科社会基盤工学専攻 併任)
平成19年 4月 1日 京都大学経営管理大学院 准教授(工学研究科社会基盤工学専攻 併任)
平成21年 4月 1日 京都大学防災研究所水資源環境研究センター 教授
         現在に至る

受賞歴
平成 9年 8月 水文・水資源学会優秀ポスター賞受賞
平成18年 5月 ダム工学会論文賞受賞
       「RESCONモデルを用いたフラッシング排砂の適用性検討について」
平成20年 3月 土木学会水工学論文賞受賞
       「PIVを用いたフラッシング排砂時の細粒土砂流出過程計測に関する研究」
平成23年 5月 ダム工学会論文賞受賞
       「洪水に対する合理的な調節手法に関する研究」
平成23年 5月 電力土木技術協会高橋賞受賞
       「発電用ダム貯水池および調整池における堆砂の特性を考慮した堆砂対策」

著  書
自然災害と防災の事典,分担執筆,丸善出版,2011.
生命体「黄河」の再生,分担執筆,京都大学学術出版会,2011.
地域環境システム,第3章(分担執筆),朝倉書店,2011.
図説 日本の河川,分担執筆,朝倉書店,2010.
貯水池土砂管理ハンドブック:技報堂,2010.
川の百科事典:丸善,(分担執筆)第14章,河川に設置される構造物,71-79, 2009.
ダムと環境の科学T−ダム下流生態系−:京都大学学術出版会,(分担執筆)第4, 8章,2009.
多目的ダムの建設,(分担執筆)第7巻 (管理編),ダム技術センター,2005.
防災辞典,分担執筆,築地書館,2002.

(平成24年5月作成)
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