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ダムインタビュー(14)
藤野浩一さんに聞く
「欧米では水力を含む再生可能エネルギーの開発に重点を置いています」

今回は、藤野浩一さん(前電源開発滑ト査役、滑J発設計コンサルタント 代表取締役社長)にインタビューしました。

藤野さんは、電源開発鰍ナ開発・設計・施工から運営、保守など、ダムによる水力発電のAからZまで幅広い業務に携わって来られた方で、現在は電力土木技術協会会長としてのご活躍をはじめ、経営トップとして組織運営にも手腕を発揮しておられます。また、IEA(国際エネルギー機関)で世界的なエネルギー問題への取り組みにも重要な役割をはたしておられます。

さまざまなダム造りに関わってこられたご経験を踏まえ、熟練エンジニアから見たダムと水力発電の将来について、グリーンニューディール関連の政策が世界的な注目を集める中、新たな取り組みへのヒントを伺ってみました。

(インタビュー・編集・文:中野、写真:廣池)



電力会社に電気を卸している会社、電源開発(J-POWER)

中野: まず電源開発に入社されたきっかけをお聞きしたいと思います。学生の頃から、すでに土木技術者としてダムを造ろうと思われていたのでしょうか?それとも会社に入ってからダムの担当になられたのでしょうか?

藤野: 私は、ダム好きというより山好きでして、学生時代はワンダーフォーゲル部におりましたので授業を受けているより、山に行っている時間の方が長かったのではないかという状況でした。なので、山に行くことが仕事に繋がればいいなと思っていたんです。その頃は、海外に行くこと自体が難しい時代でして、山登りで外国に行くなんて夢みたいなものですから、海外の山の中にいて仕事になればいいなとぼんやり考えていたんですね。そういう時、後に入社することになる電源開発会社から就職説明会で学校に来られた説明役がたまたま同級生のお父さんだったこともあり、親近感をもって話を聞くことができました。

水力発電所の建設ブームはすでに一段落していて、もうダムを伴う大規模な水力発電所の仕事はほとんどないというのが一般的な受けとめでした。しかし、その先輩が言われるには、世の中の流れはそういう方向にあるが、我々の会社が取り組んでいるのは「社会にエネルギーを供給していく」ことなので、形は変わるが土木の仕事は今後も必ずあるし、やりがいがあるので是非入社したらいいと。そのスケールの大きさになるほどと思い、水力でエネルギー開発をやりに海外の山へ行きたいと思って入りました。ダムについては、小学校の先生がダムの効用について熱く語ってくれた思い出があったのと、たまたま学生の時の勉強会でダムの基礎を担当したので若干の予備知識があった程度です。


中野: なるほど、社会にエネルギーを供給する会社ということですか、電源開発は。どういう事業展開をされておられるのでしょうか?

藤野: 電源開発という会社は最近はJ-POWERというコミュニケーションネームで知られるようになりましたが、簡単に言うと「電気の卸売会社」なんです。一般の電力会社は、電気の製造、卸、流通と全部やっているのですが、これが全国に10社ありまして、地域ごとに1社、地域独占が公益性という面から許されている特殊な業種です。しかし、一般の電力会社だけでは、資金力が足りない、独占状態が良くない、などいろいろ問題が出まして、「電気の卸売」をする国策会社をつくるべきだということになって、昭和27年に電源開発会社が発足しました。つまり戦後まもなくできた特殊法人なんですね。今から5年前に完全に民営化して上場会社になりました。これまでに造りました水力発電所は59ヶ所で最大出力は856万kW、 火力発電所が8ヶ所で782万kW、合計すると1,638万kWの発電所を、北海道から沖縄まで全国にもっていて、また2,400kmに及ぶ送電線網も別途もっていて、そういう設備を使って各地域の電力会社に電気を製造し卸売りをしています。おおざっぱに言って全国の10%弱のシェアになりますが、水力だけ取り出すと日本の電力会社の中で一二を争う規模だし、大きな発電用貯水池のほとんどはJ-POWERが所有し運用しています。電力各社と競争する面もあり、互いによくなっていくことが期待されています。また、海外でも様々な活動をしており、設立当初は国ベースの技術協力を主にしていましたが、最近では、外国で直接発電事業を営む事も多くなっています。

私が入社した時は会社創立15年目で、水力発電が華々しい時代はすでに一段落しておりましたので、会社に入った時には、なんで今頃こういう会社に入ってくるのかと不思議がられました。あまり人が行かない時期に入社したので、私たちの年代の土木屋はどこの電力でも比較的少なく、お陰でやりがいのある仕事に関与できたと思っています。
ダムとの出会い

中野: 電源開発のダムとしては、どのようなダムを開発・運営しておられますか?

藤野: 一番有名なのは、佐久間ダムですね。これは1953年に着工し1956年に完成しました。当時は、日本が戦後の疲弊した状況のなかから復興していくのに必要とされている電力を迅速に供給しなくてはならないという社会的な使命がありました。しかも、技術的に難しい、とても短期間では出来ないだろうといわれていた地点での工事でしたが、そこにアメリカから大型の土木機械を導入してわずか3年で完成させました。国家的な大工事でしたので、完成した時には記念切手が発行され、昭和天皇にご視察頂いたという、日本を代表するダムです。


佐久間ダム(撮影:Dam master)
そのほかは、奥只見とか、御母衣とか、大規模な水力発電所に取り組みました。どれも大きな貯水池を伴う発電所ですね。ちなみにその頃は、ダムのコンクリートを打っている最中に湛水をし発電所の運転を開始しているのです。その後でダムが完成します。これは世界の常識ですが、今の日本では非常識になりました。

奥只見ダム(撮影:安河内孝)

御母衣ダム(撮影:だい)
この他、揚水発電所にも取り組んでいます。私たちの入社直後に始まった画期的なふたつの揚水発電所、ひとつは佐久間ダムを下池とする新豊根発電所、それと500mという高落差で技術的ブレークスルーを成し遂げた沼原(ぬまっぱら)発電所があり、その後もたくさん造りました。沖縄の海水揚水発電所もJ-POWERのものです。さらに最近、比較的規模の小さい中小水力発電所も手がけています。

中野: これまで、いくつもの現場を担当されておられますが、最初に工事を担当されたのは、どこのダムでしょうか。

藤野: そうですね。電力会社の水力土木の仕事は大きく二つに分かれており、一つはダム、もう一つは水路とか地下発電所ですね。初めに担当として行きました沼原発電所の建設現場では、後者を経験しました。下池となった深山(みやま)ダムは、そもそも農林省(当時)が農業用水用に計画していたもので、その計画をいち早く察知して、上池として沼原という湿原地帯に堀込式のダムを造ることで揚水発電所を置くことができるという事を考え、電源開発が計画段階から効率的に開発していったという、いわばヒット作品です。設計段階を含めて私が直接携わったのは、落差が500mを超える大きな水路造りです。そこでは送水のための鉄管が大きな水圧に耐えなければならないので、新たな高張力鋼を導入して、その溶接をどうすればよいかという仕事をやっておりました。鉄鋼メーカーや土木の先生と協力して、トンネルという高湿度で作業条件の悪い現場でどうやって溶接の品質管理をするかが課題でした。溶接部のレントゲン検査のフィルムを5,000枚ほど見ました。という訳で、その頃はダム本体とは直接関係なかったんですね。

沼原ダム(撮影:ふかちゃん)

深山ダム(撮影:Dam master)
その時のエピソードなんですが、非常に危ない目に遭いました。水圧鉄管は傾斜が48°あり、直径は3〜4mなんですがその内側を現場で塗装します。その仕上り具合をゴムタイヤ付きのゴンドラに乗って検査するんですが、途中でどんどん下がっていくんです。上でウィンチを操作している作業員に笛で合図しても止まらない。真っ暗な管の中を下がり続けていきます。下はまだ数百メートルあるのにワイヤーの長さはそんなにないし、だんだんとワイヤーの重みが増してスピードが上がり、最後は抜けてしまうのです。実はウィンチのブレーキがすり減って効かなくなっていたんですね。機転の利く人がいて付近にあったアングル材をドラムに挟みこんで止めたので大事には至らなかったんですが、本当に怖かったのは完全に大丈夫なところに戻る直前でしたね。こういう話は時効にならないと言えないものです。(笑)

携わったダムがグッドデザイン賞に

中野: これまで、いくつくらいのダムに携わってこられましたか?

藤野: 本社にいて計画から設計、工事契約、施工管理や保守管理に関与したダムや発電所は、海外や火力・原子力を含めたくさんありますが、実際に現場に駐在し施工管理したのは3ヶ所です。それが約40年くらいの間にですから、実はあまり多くないんですよ。

中野: 具体的には、どこなんでしょうか?

藤野: 北海道の熊牛水力発電所。十勝川本流に造った屈足(くったり)ダムです。これは高さが27mの小さいダムですが、基礎が固結度の低い凝灰岩でその下は被圧した深い砂礫層という特殊なところで、いかに基礎処理をやれば良いか、非常に苦労しました。そのお陰で、軟岩の透水試験のやり方や基礎処理グラウトについては自信をつけることができました。その工事内容については20年以上前になりますが「ダム日本」(509 S62.3)に論文を載せて頂いたこともあるし、大ダム会議でも発表する機会がありました。


熊牛水力発電所と屈足ダム(社団法人水門鉄管協会「水門鉄管」1987、1988)
中野: その時は、課長をされていたんですね。

藤野: ええ、小さい組織でしたので、所長はともかく、実際の工事管理は40才になるかならないかの我々が主体となってやってましから、非常に勉強になりましたね。
電源開発の現場では、前例がなくてもその場その場で必要に応じ現場の裁量で設計変更して、新しい技術を積極的に取り込むことができます。北海道では周りにある電源開発の既設発電所が維持管理に苦労していましたから、保守員の話を参考に凍害対策など当初の設計にないことも積極的に取り込みました。

技術者としてたいへん勉強になりましたし、やりがいもありました。その時にダムの周囲の景観に配慮することを学びました。ダムの洪水吐ゲートが工事中に吊り上げたままになっています。それが遠くからも見えるので、いつものように黒々としていたのでは奇異であるとの指摘があり、ではどういう色にしたらいいかという議論になりました。景観工学を専門にしている同級生が色彩に詳しい先生を連れて来てくれるということになり、アドバイスしてもらいました。飛行機が着陸する前に景色を見ると、日の光や木の葉や土の色が北海道は本州と違う。ちょうど北欧の国旗のような淡い色でないと合わない、と言うのです。ですからこういうところに塗る色も淡いトーンでないと、という話になりまして、それも一色ではなくて、レモンイエロー、ライトブルーといった色をゲートの部材ごとに塗り分けるということになりました。それなら他も統一しようというということになり、ダムを含め全体として景観にこだわって仕上げました。

中野: そのダムは初めてグットデザイン賞をもらわれたようですが。

藤野: ええ、ダムのゲートだけでなく発電所全体がデザインとして優れているという評価を頂き、1994年度の建築・環境デザイン部門のグッドデザイン賞を受賞し、Gマークが使えるようになりました(1994年度 グッドデザイン賞 受賞 熊牛発電所)。このダムは、左岸が急な崖で右岸がなだらかな牧草地になっていて、左岸側の洪水吐は崖につながるのでコンクリートや鋼材のままでもよいとして、ロックフィル部は下流面に芝を張ることによって右岸の農地へと景観的にスムーズに繋がっていくんです。そういうことは、気球につけたカメラの写真でも確認できました。

中野: なるほど、自然になじむようになるんですね。

藤野: 完成後20年以上経った今でも、世の中にこんなきれいなダムがあるんだと感心させられますが、実はこれには秘密があります。地元の方にダムの緑化管理の仕事を請負ってもらっていますが、ご多分に漏れずあまり費用がかけられない。それでも、どうせやるならといって自分の庭のように毎日行って手入れをして下さっているお陰で、今でもきれいな状態が保たれているというわけです。

中野: ダムでのGマーク指定は、これが初めてなんですか。

藤野: それまでGマークは工業製品が対象で、公共の施設とか大型の建物とかが対象になったのはこの時が初めてです。最初なので制度ができる何年か前の作品まで候補になり、そのおかげで指定を頂きました。

地域に開かれたダム

中野: 今、お話しを伺った屈足ダムもそうでしょうが、ご自身にとって印象深いダム、思い出に残っているダムは、どこでしょうか?

藤野: そうですね。屈足ダムの次に携わった奥清津第二発電所(カッサダム二居ダム)では、景観も含めて、地域に開かれた、お客様に親しんで頂ける発電所づくりをしようということに力を注ぎまして、おかげさまで土木学会技術賞もいただき、土木学会誌でも紹介されました。


奥清津第二発電所(土木学会誌 1996年11月号)
このときの基本的な概念は「実物で勝負する」ということでした。前に話した景観工学専門の同級生が、各地のダムなどで地域共生の委員をしてみると、だいたいは失敗していると言うんです。それはジオラマを見せるからなんだと。ジオラマというのは模型ですから、現場に来てまで模型を見せられて終わるのでは意味がない、本物があるのになぜ見せないのかという話でして、なるほどと思って、奥清津第二発電所では見学者に「見て触って感じて」頂くことにしました。発電所では発電機が回っている所まで誰でも自由に見に行けるし、ダムにも直接上がって行けるんです。ダム天端には柵なんかありません。ロックフィルダムで斜面が緩いので落ちようがないからです。その代わり、万一管理責任を問われた場合を想定した保険に入っています。作業用のトンネルを利用した「水の路」も作り、つきあたりに遊びの暗闇と光があって、途中には高圧の水圧管路も通っていて直接触って脈動を感じることができるなど、遊びと現物を一体化して地域に開かれた発電所を作っていきました。

完成すれば維持管理する人達にバトンタッチすることになるのですが、もし感電したらどうするのか、イタズラされたらどうするのかなどの心配もあって、かなり抵抗がありました。そこでガードマンをつけることにしましたが、維持するお金もかかります。しかしそこは発電所の管理費ということで割り切ってもらうことにし、目の届かない所には工業用のカメラをつけて集中的に管理することにしました。見学者が常時いることを前提に、危ない所だけガードするという逆転の発想です。地域に開かれたダムと発電所を目指して、OKKY(オッキー)という愛称をつけました。奥清津の頭文字をとり、日本一大きい発電所という意味をかけたものです。昨年で運転開始から12年経ち、来館していただいたお客様の数が25万人を超えました。

ダムマニアとのオフ会

中野: 実はダム好きさんたちとも、発電所でオフ会を行われているようですね。そのことについてお話し頂けますか。

藤野: ダムマニアの方たちが活躍しておられるのを知ったのはそれほど前ではないんですよ。奥清津発電所の上池のカッサダムに行く林道は営林署が管理していて入り口にゲートがあってなかなか行けないがどうしたらいいか、という書き込みがダムマニアのサイトにありました。それではこちらでご案内しましょう、ということになり、J-POWERとコンタクトをとり、OKKYに集まってもらってダムまでマイクロバスでご案内しました(ダムを訪ねて!えてやんのホームページ カッサダム)。


カッサダム(撮影:灰エース)
現地に着いてから、しばらくゆっくり見て下さいと言ったら、皆さんなかなか戻って来ないんですね。堤頂長が500m近くあるのを、ずーっと歩かれていたようでして、ついでに私もその時初めて全部歩いて見ることができました。(笑)

中野: そのオフ会に参加されたのは、10人くらいですか。このインタビューにも出て頂いたダム好きさんもいらしたようですが、こうしたダムマニアの方たちとの交流についてお話し頂けますか。

藤野: このカッサダムのオフ会は2005年でしたが、その時は、すぐ次のオフ会の企画も考えていたんです。奥只見ダムのさらに奥の大津岐(おおつまた)発電所にアスファルトフェーシングの大津岐ダムがあるんですが、ここも大変行きにくいところなのでご案内すると言っていたのですが、色々あってなかなか実現できていません。今年はぜひ実現させたいと思っています。



中野: やはりそういった秘境のダムはご案内して頂かないとなかなか行けないですね。

藤野: ええ、案内役がいなくてもいつでも行ける開かれたダムであるべきだと思うんですが、管理面からなかなか踏み切れないようです。

ダムマニアの方々は、普段からダムについてご理解を頂いて、サポーターになって頂けるような心強い皆さん方なので、事業者のおかしなところをご指摘頂いたり、何か問題や不合理な話があった時にお知らせ頂いたりご発言頂いたり、常に助けて頂きたいと思っていますので、万難を排してダムを見て頂けるようにしたいと思っております。実はOKKYでもダムマニアの方々からご指摘頂いたんですが、J-POWERはデータがなかなか出でこないんですね。よろしければ電力土木技術協会のHPをご覧頂くと、ダムを含む水力発電所の諸元をデータベース化してあるのでご活用頂けるかと思います(電力土木技術協会 水力発電所データベース)。
水力発電は優れている

中野: エネルギー問題という大きな視点から、ご自身は、水力発電をどのようにとらえておられますか。何か考えさせられるようなきっかけになったエピソードはありますか。あるとすれば、それは、どういうもので、どのような思いが下敷きになっているかお伺いしたいのですが。

藤野: 我々の生活に不可欠な電気ですが、どう作っているかというと、主に水力、火力、原子力ということになります。このうち、原子力と火力は非再生エネルギー、水力は再生可能エネルギーでその仲間として風力、太陽熱、地熱なども含まれます。石油、石炭、ガスという化石燃料を使う火力発電や、ウラン燃料を使う原子力は有限の地下資源を燃料として使ってしまうとそれっきりなんですが、水力発電は、太陽の力で海の水が蒸発して雨となって降ってくるわけですから、循環して持続的に利用できるということなんです。今問題になっているCO2排出という点では、原子力と再生可能エネルギーがカーボンフリーと呼ばれる範疇に入ります。

中野: なるほど、水力発電が優れているところは、やはりCO2を出さない、自然エネルギーというところでしょうか?

藤野: その「自然エネルギー」という言葉は、欧米では混乱のもとになるので実はあまり使っていません。石油、石炭、ガスも自然界に存在するわけで、自然エネルギーというとそれも入ってしまうからです。もう一点、日本で混乱する原因に「新エネルギー」という言葉があります。これは役所でも法律でも使うので、非常に概念が混乱する元になっておりまして、風力や1,000kW以下の小水力も入っていますが、地熱や1,000kW以上の水力は除かれていて、技術的に開発しなければ使えないようなタイプのエネルギーという定義になっています。この「新エネルギー」を再生可能エネルギーの代わりに使うことが多いのですが、役所内部でも混乱していている位ですから世の中が混乱すするのも無理はないわけで、水力の利用を推進している立場からすると大変迷惑なことです。
欧米では非常にはっきりしていて、水力を含む再生可能(リニューアブル)エネルギーの開発に重点を置いています。


ヨーロッパでは、トリプル20(トゥエンティ)と言いまして、2020年までに一次エネルギーのうちの20%をリニューアブルエネルギーにして、CO2発生量を現状から20%削減しようということが盛んになっています。それには水力利用を相当推進しない限り実現できません。

アメリカでもオバマ大統領が現在グリーンニューディール政策としてリニューアブルエネルギーを開発しようと言って盛り上がっているんですが、日本だけは、なぜか太陽光発電だけに光が当たっていて、欧米のように再生可能エネルギー全般に注目が集まっていません。その原因は、今申し上げたように、概念とそれを表す言葉の混乱にあると見ています。

中野: ダムによる「水力発電」のメリットについてお伺いしたいのですが。

藤野: 「水力発電」がなぜメリットがあるかというと、一般にエネルギー密度が低いリニューアブルエネルギーの中でも水力は川によって水が集まり落差を得ることにより集中的に電気に変えることができるからです。河川という自然の恵みをうまく使うことによって、大きなエネルギーを作ることができるということですね。そのため、再生可能エネルギーの中では水力発電がもっぱら先行してきました。

中野: 我が国ではダムは造り過ぎという批判もありますが、「水力発電」はリニューアブルなエネルギーとしてやはりメリットがあるということですね。では、あるとしたらデメリットはどういう事になるんでしょうか。

藤野: そうですね。当然、メリットの裏返しの問題もあるわけです。ひとつは環境問題ですね。ダムを造るにしても、発電所を造るにしても、その周囲の環境を変えることになるので、デメリットになります。自然環境だけでなく、社会環境(水没地域等)にも影響を与えます。このデメリットの部分をいかに少なくできるかということが、今後も利用していく知恵になるだろうと思うんです。ただし、少しでも環境影響があるものは排除するという、いわば部分最適化ばかりしていると、地球環境のような全体を最適化することから離れてしまうというジレンマがあることは、できるだけ多くの関係者に正しく認識して頂きたいと思います。

もうひとつは、逆説的な言い方になりますが、水力発電は技術が完成していて政策立案者や技術者の関与を拒絶していると見られる所があり、それが推進のデメリットになっていると考えることができます。要するにかわいくないんです。さらに言えば、贔屓の引き倒しという言葉が、これほど当てはまるものも少ないと思うこともあります。歴史が長いことの弊害ですね。

国際エネルギー機関(IEA)での活動

中野: 我が国でも、また世界の国々においても、脱石油、持続性のある経済発展という大きな枠の中で、エネルギー問題の解決策が求められていますが、国際エネルギー機関(IEA)の委員としては、どのような視点を持ち、どういう方向性を考えておられますか?
また、国際エネルギー機関というのは、主にどのような役割を担う組織なのでしょうか?

藤野: IEAは、昔OPEC(石油輸出国機構)が結束して石油の生産調整をして価格を上げるということをしたので、これに対抗する組織として、OECD(経済開発協力機構)の枠内にエネルギーに関する先進国の情報交換をする組織として作ったというのが始まりです。今では、エネルギーに関する最も権威ある国際機関として、必ずしも先進国だけでなく途上国も含めた活動をしています。IEAの中で様々な形で国レベルの実施協定を結んで活動していて、私が関与しているのは、水力実施協定というものです。



中野: 藤野さんが、この国際組織に関わるようになったきっかけは、どういう事ですか?

藤野: 14年前にこの実施協定ができる少し前の1993年に、スウェーデンで水力発電に関する国際会議があり、たまたま私も出席しプレゼンテーションをしました。その会議をきっかけにIEAで水力実施協定を作りたいという話になりスタートしたわけですが、最盛期には13カ国が参加し活発な活動が続き、4年前に私が日本の執行委員になりました。10年以上のブランクの後で関与することになったのですから、やはり縁があったということでしょう。

中野: これまでの活動の中での成果というとどんなものがありますか?
藤野: 今は参加国が減りまして、日本、フィンランド、ノルウェー、ブラジルの4カ国が実際に動いています。中国もフランスも参加していますが、今は実質的な活動を休止しています。

この組織はいくつかの分科会をもっておりまして、ひとつは小水力分科会。ここでは規模の小さな水力発電のことを勉強しています。もうひとつは、貯水池からメタンなどの温室効果ガスが出ているのではないかという議論が最近出ておりまして、そういったことを検討する部会を作りました。これは特にブラジルが熱心で、BRICSのひとつでますます発展していく中で、電力需要の旺盛な伸びを水力で賄っていこうとしています。ブラジルはサトウキビなどバイオマスの利用も盛んで、リニューアブルエネルギー先進国を自任しており、水力発電が盛んで電力の80%は水力です。そこに温室効果ガス排出問題があると開発の妨げになるので、良く測定し解析して、予測する技術を確立したいという要請が非常に強いんです。そのためにIEAの水力実施協定に入りまして、この分科会でも主役としてやっています。

中野: では、そのブラジルも含めて水力発電をよく利用している国というのは、どういう国ですか?

藤野: 水力発電が世界で一番多い国は、カナダです。二番目がブラジルで、アメリカ、中国と続き、七番目に日本です。国内資源が世界の10位以内に入るものなどほとんどない日本としては、水力発電は健闘しているといえますが、この順位はすでに開発したものについてなので、今後開発する余力は日本は圧倒的に少ないですね。そのポテンシャルが高いのは中国、ロシア、アメリカ、ブラジルです。日本は水力についても先進国なんですが、開発が残っているのは中小水力で、ますます拡大が難しい状態にあるので、IEAでは新しい技術について各国と情報交換してうまく進めていきたいと思っています。

中野: 先日、ブラジルに行かれたのも執行委員会だったんでしょうか。

藤野: 9ヶ月に一度、実施協定の執行委員会を開いているんですが、今回は、2月に世界三大瀑布のひとつイグアスの滝のそば、フォスドイグアス市で開催されました。つい最近、中国の三峡ダムができるまでは世界一だったイタイプ水力発電所(イタイプダム)が近くにあります。この発電所は流域面積が80万km2と日本の総面積の2倍以上で、流域全体の降雨量は1400ミリ/年で、貯水池の湛水面積だけで1400km2もあり、最大出力は1400万kWです。日本最大の一般水力発電所はJ-POWERの奥只見で4台合わせて56万kWですが、1台でそれよりも大きな70万kWの発電機が20台あるんです。めちゃくちゃ大きな発電所です。

IEA水力実施協定執行委員会(2009/02/12)でプレゼンテーションする藤野さん

イタイプダム(撮影:藤野浩一)
ダムは高さが196mで日本一高い黒四ダム(186m)より高いのですが長さが7km以上あるので見た目には低く感じられるんです(笑)。実物を見て水力発電のすばらしさに改めて感動しましたね。ダム便覧に拙写真を載せて頂きました。

エネルギー効率という考え方

中野: ダムはムダとよく言われるのですが、「水力発電」自体は社会からよりよく見られていくといいですね。

藤野: エネルギー効率という考え方があります。電気にするためのエネルギー源をどれだけ効率良く使えるかということですが、火力発電には原理的な限界がありまして、燃料として入れたものの40%強くらいしか電気エネルギーとしては取り出せないんです。残りは熱エネルギーとして大気中あるいは水中に放出されてしまうんですね。

水力発電所は耐用年数間に必要なものとか建設に必要なエネルギーなども入れてライフサイクルを通じた計算をしてみますと、水が持つ位置エネルギーは別として、入れたものの100倍から200倍の電気エネルギーが取り出せるんです。これと同じ計算を、例えば、風力でやりますと、風は分散しているので効率は水力ほどよくなくて、インプットしたものの10倍から20倍のアウトプットになります。太陽光は、耐用年数などによって変わりますが、最近の技術進歩でやっと1を上回ったばかりといったところです。エネルギー効率からいうと水力発電がダントツに効率がいいんですね。こういうことが社会にうまく伝わっていかないのが問題です。なお、このエネルギー効率は発生電力量あたりのCO2排出量の傾向と相関があり、地球温暖化への影響度合ともつながっています。

中野: なるほど、エネルギー効率で見ると「水力発電」が効率が一番良いんですね。

藤野:水力発電」は、エネルギー効率は良いのですが、利用するためにたくさんの人間が関与しているために市場価格で見ると高いんですね。エネルギー効率の良さとかCO2排出量の少なさが価格に表れて来ないのは、通常の経済原則に限界があり、何らかの人為的施策が必要であることを示しています。例え話ですが、ある兄弟がいて、ともに親から譲り受けた財産や田畑を使って暮らしているとして、兄は蔵にある財産を売って得るお金で暮らしていて、弟は譲り受けた田畑を耕して暮らしている。兄が弟に、なぜそんなに汗水垂らして朝から晩まで働いているのか、自分なんか蔵にあるものを時々町で売るだけですむ、と言う。それに似てるんだと思います。化石燃料は、水力より見かけ上は安価なんですが使えばなくなってしまいます。水力だと、あくせく働かなくては電気ができないので見かけ上高いということです。が、自分たちの子孫のことを考えると、そう簡単に化石燃料は使えないということになりますね。だから、これからの持続的な経済発展、循環型社会の実現あるいは世代間倫理といったことを考えると、大変ですができるだけ多くの水力を開発していくことが大切でしょうね。


若い土木技術者への助言

中野: ダムによるエネルギー開発の将来性をどのようにとらえていらっしゃいますか、また、これから、そういう次世代のエネルギー開発を担っていく若い土木技術者に対して、どういうことを勉強して、どういうことに取り組んでいってもらいたいか、希望と助言をいただきたいと思いますが。

藤野: 私が入社したときに先輩から、あまり一般的な勉強をするよりも目の前にあるテーマを深く追求しなさい、そして常に疑問を持つことが大事だ、と言われました。徹底的に追求すると原理原則が分かるから、自分でいくらでも応用できるようになるんですね。

何でも言われたままにやればいいと思っていては、進歩がなくなってしまいます。常に疑いを持って自分できちんと考えていくことが必要なんです。一般的な勉強だけだと、後になって技術が進化した時にまた1から勉強する必要が出てしまい、実はつらいんです。

中野: そうですね。今は、分業化というか全体を見るということがなかなかできなくて、高度に専門化していて、自分が企業の中でどんな事をやっているのかわからなくなってしまうということもありますね。

パイオニアとしてやっていけるはず

中野: ダムについては、いろいろ批判もありますが、現在のダム技術者、土木技術者を取り巻く環境については、どのようにお考えでしょうか。
これまでに造ってきたダムは、それこそ永く利用してこそ価値があるものと思いますが、永く使うためのリフォームや改修工事など、どんな事をやっていくべきとお考えでしょうか?

藤野: 今までは建設が主流であったのに対し、これからは、いやが応でも設備の点検保守や更新、つまりアセットマネジメントが主題になっていくでしょうね。構造物が力学的に耐えられるかどうかは、応力を受けた部材が破壊に至る過程を想定し、一般には弾性範囲内でのみ解析し設計します。劣化も同じように最終的に壊れるまでの範囲を想定しますが、弾性範囲に相当する初期劣化ではなく、いつ壊れるかという最終状態付近とそこに至る過程が問われます。これは現象としてはわかっていても、まだ理論的に整理することができていないんですね。条件によって大きく変わりますから。地域や降雨量とかの環境条件や建設および保守履歴を客観的に把握することで、どう対処したらいいかという手立てがはっきりしてくるんです。それはアセットマネジメント、メンテナンスの神髄なんですが、今はまだその一番大事なところがわかっていないのです。努力する価値の十分ある分野が残っているんですから、技術者としては建設するものがないとがっかりすることはないのであって、こちらにも宝の山があるんです。そこに気づくとパイオニアとしてやっていけるはずなんですが…。(笑)

これからのライフワーク

中野: 藤野さんは個人でHPを開いておられてたくさんダムの写真も載ってますが、これからの活動は、どういう分野に力を入れていかれるおつもりでしょうか?

藤野: 仕事で行ったダムや発電所の写真を自分で撮って載せています。確か、ダム便覧にも引用されているはずです。(笑)

ブログとかインターネットの前にパソコン通信の時代がありまして、その頃から数えると20年くらいネット生活をしています。ハンドルネーム「酒中仙」は私です。昔から蘭が好きで、愛好家がネットに集まっていろいろやっていて、その道に詳しい若い人に教えてもらって11年前に作ったのが拙HPです(Orchid Photo Album by SyuTyuSen)。

これからのライフワークとしては、水力発電所をできるだけ回って歩いて写真を撮るとか、HPで紹介するとか、そういうことをやりたいですね。各発電所には様々なエピソードがありますから、そういう話を集めて「日本100名水力発電所」なんかをまとめてみるのもいいなと思っています。ダムマニアさんにもぜひ水力発電所を見てもらいたいですね。まだ実現できていませんが、大津岐ダムもオフ会でぜひ見て頂きたいと思います。

中野: そうですね。今度はダム好きさんたちと発電所の中を見るツアーができると良いですね。
本日は長い時間、どうもありがとうございました。


(参考)藤野浩一さんプロフィール

[現職]
(株)開発設計コンサルタント
代表取締役社長

[略歴]
1943年生まれ
1967年 東京大学工学部土木工学科卒業
1967年 電源開発株式会社入社
1979年 同社 開発計画部開発第一課長代理
1984年 同社 熊牛水力建設所土木課長
1987年 同社 建設部建設業務室工事課長
1990年 同社 開発計画部参事役
1993年 同社 奥清津第二建設所長
1996年 同社 建設部設計室長
1998年 同社 調達部長
2001年 同社 監査役
2004年 現職

[関連ダム]  Itaipu
(2009年4月作成)
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  [テ] ダムインタビュー(8)土木写真家・西山芳一さんに聞く「いい写真は努力や熱意が伝わってくる」
  [テ] ダムインタビュー(10)水資源機構・金山明広さんに聞く「地元、ダムマニア、ダム管理事務所がコラボレーションできれば」
  [テ] ダムインタビュー(11)古賀河川図書館館長・古賀邦雄さんに聞く「将来は1万冊を目標にしようという気持ちでいます」
  [テ] ダムインタビュー(12)中村靖治さんに聞く「ダムづくりの基本は、""使いやすいダム""を設計するということです」
  [テ] ダムインタビュー(13)江守敦史さんに聞く「ダムについて何時間も語れる萩原さん。彼と本質を突き詰めたからこそ、面白い本になりました」
  [テ] ダムインタビュー(15)安河内孝さんに聞く「”碎啄同時(そったくどうじ)”という言葉があります。モノづくりの技術の継承は、教える側と教わる側の力が寄り添ってこなければ、うまくいかない」
  [テ] ダムインタビュー(16)石川順さんに聞く「ふと閃いたのがダムだったんです。」
  [テ] ダムインタビュー(17)杉野健一さんに聞く「経験を重ねるというのはダム技術者にとって大事な財産」
  [テ] ダムインタビュー(3)灰エースさんに聞く「ダムだから悪いという書き方はおかしい」
  [テ] ダムインタビュー(18)だいさんに聞く「ダムを見るいちばんのポイントは機能美だと思っています」
  [テ] ダムインタビュー(19)琉さんに聞く「時々 ""ダム王子"" とか呼ばれちゃってますけど」
  [テ] ダムインタビュー(20)西田博さんに聞く「一部分の経験しかない人が増えることで、ダム技術の継承が心配される」
  [テ] ダムインタビュー(21)緒方英樹さんに聞く「“土木リテラシー”の必要性を強く感じています」
  [テ] ダムインタビュー(22)吉越洋さんに聞く「電力のベストミックスといって、火力、水力、原子力などの最適な組み合わせを考えて、計画をたてています」
  [テ] ダムインタビュー(23)竹林征三さんに聞く「ダムによらない治水と言うが、堤防を強化して首都圏の大都市を守れるのか」
  [テ] ダムインタビュー(24)高橋裕先生に聞く「公共事業を軽んずる国の将来が危ない」
  [テ] ダムインタビュー(25)竹林征三さんに聞く(その2)「風土との調和・美の法則を追求して構築したのが『風土工学理論』です」
  [テ] ダムインタビュー(26)竹村公太郎さんに聞く「未来を見通したインフラ整備が大事で、ダムの役目はまだまだ大きいですよ」
  [テ] ダムインタビュー(27)虫明功臣先生に聞く「八ッ場ダムは利根川の治水・利水上必要不可欠」
  [テ] ダムインタビュー(28)水野光章さんに聞く「水と安全はタダといった安易な考えではいけないと、あらためてそう思います」
  [テ] ダムインタビュー(29)萃香さんに聞く「ダムの魅力を引き出せるような写真を撮って公開していきたい」
  [テ] ダムインタビュー(9)Dam masterさんに聞く「機能と造形と自然の組み合わせが面白い」
  [テ] ダムインタビュー(30)樋口明彦先生に聞く「ひっそりと自然の中に佇むようなダムが美しい、とスペインの名もないダムを見て気づいた」
  [テ] ダムインタビュー(31)宮村 忠先生に聞く「これからは‘線’ではなく‘点’で勝負すべきだ」
  [テ] ダムインタビュー(32)土屋信行さんに聞く「きちんとやるべきことと、そうでないことの本当の仕分けが今こそ必要ではないか」
  [テ] ダムインタビュー(33)沖大幹先生に聞く「ダムは造りすぎではなく最低限の備えが出来た段階だ」
  [テ] ダムインタビュー(34)阪田憲次先生に聞く「技術者には""想定外を想定する想像力""が求められている」
  [テ] ダムインタビュー(35)谷 茂さんに聞く「これからは少しゆっくりと環境に負荷を与えないかたちでダムを造る方法もあるのではないか」
  [テ] ダムインタビュー(36)大藪勝美さんに聞く「インフラの重要性をもっと多くの人に知ってもらいたい」
  [テ] ダムインタビュー(37)武田元秀さんに聞く「四十年来の思いが叶い、『ダムと鉄道』にまつわる話を出版することができました」
  [テ] ダムインタビュー(38)山内 彪さんに聞く「若い人は、ダムを糧として立派な総合技術者として育っていって欲しい」
  [テ] ダムインタビュー(39)角哲也先生に聞く「ダムのアセットマネジメントの話をするときに何か目標がいる、千年ではどうかと」
  [テ] ダムインタビュー(40)唐澤一寛さんに聞く「人にものを頼もうとする時は、こちらも誠意をもって付き合わなければいけない」
  [テ] ダムインタビュー(41)糸林芳彦さんに聞く「今は新規のダム計画がなくとも、ダム技術は常に磨いておくべき。いずれ時代の要請に応える日が来るから。」
  [テ] ダムインタビュー(42)今村瑞穂さんに聞く「ダム操作の定式化と現場適用性の向上は車の両輪」
  [テ] ダムインタビュー(43)本庄正史さんに聞く「ダムの海外展開は、現地社会に貢献するという、貢献がキーワードだと思います」
  [テ] ダムインタビュー(44)石田哲也先生に聞く「何か起きたときのリスクのあるシナリオをきちんと一般の人に伝えていかないと」
  [テ] ダムインタビュー(45)古川勝三さんに聞く「今こそ、公に尽くす人間が尊敬される国づくり=教育が求められている」
  [テ] ダムインタビュー(46)入江洋樹さんに聞く「水を大切にするという日本人の心の原点を守り、継承していけば1000年先もダムは残っていく」
  [テ] ダムインタビュー(47)島谷幸宏先生に聞く「設計をする時に環境設計と治水設計を一体的にすることが一番重要なのです」
  [テ] ダムインタビュー(48)吉津洋一さんに聞く「先人から受け継いだ素晴らしい‘くろよん’をしっかり守り、引き継いでいきたい」
  [テ] ダムインタビュー(49)足立紀尚先生に聞く「ダムの基礎の大規模岩盤試験を実施したのは黒部ダムが最初でした」
  [テ] ダムインタビュー(50)山口温朗さんに聞く「徳山ダムの仕事はまさに地図にも、私の記憶にも残る仕事となりました」
  [テ] ダムインタビュー(51)安部塁さんに聞く「新しい情報を得たらレポートにまとめてダム便覧に寄稿しています」
  [テ] ダムインタビュー(52)長瀧重義先生に聞く「土木技術は地球の医学、土木技術者は地球の医者である」
  [テ] ダムインタビュー(53)大田弘さんに聞く「くろよんは、誇りをもって心がひとつになって、試練を克服した」
  [テ] ダムインタビュー(54)大町達夫先生に聞く「ダム技術は、国土強靱化にも大きく寄与できると思います」
  [テ] ダムインタビュー(55)廣瀬利雄さんに聞く「なんとしても突破しようと強く想うことが出発点になる」
  [テ] ダムインタビュー(56)近藤徹さんに聞く「受け入れる人、反対する人、あらゆる人と話し合うことでダム建設は進められる」
  [テ] ダムインタビュー(57)小原好一さんに聞く「ダムから全てを学び、それを経営に活かす」
  [テ] ダムインタビュー(58)坂本忠彦さんに聞く「長いダム生活一番の思い出はプレキャスト型枠を提案して標準工法になったこと」
  [テ] ダムインタビュー(59)青山俊樹さんに聞く「相手を説得するのではなく、相手がどう考えているのかを聞くことに徹すれば、自然に道は開けてくる」
  [テ] ダムインタビュー(60)中川博次先生に聞く「世の中にどれだけ自分が貢献できるかという志が大事」
  [テ] ダムインタビュー(61)田代民治さんに聞く「考える要素がたくさんあるのがダム工事の魅力」
  [テ] ダムインタビュー(62)ダムマンガ作者・井上よしひささんに聞く「ダム巡りのストーリーを現実に即して描いていきたい」
  [テ] ダムインタビュー(63)太田秀樹先生に聞く「実際の現場の山や土がどう動いているのかが知りたい」
  [テ] ダムインタビュー(64)工藤睦信さんに聞く「ダム現場の経験は経営にも随分と役立ったと思います」
  [テ] ダムインタビュー(65)羽賀翔一さんに聞く「『ダムの日』を通じてダムに興味をもってくれる人が増えたら嬉しい」
  [テ] ダムインタビュー(67)長谷川高士先生に聞く『「保全工学」で、現在あるダム工学の体系をまとめ直したいと思っています』
  [テ] ダムインタビュー(66)神馬シンさんに聞く「Webサイト上ではいろんなダムを紹介する百科事典的な感じにしたい」
  [テ] ダムインタビュー(68)星野夕陽さんに聞く「正しい情報を流すと、反応してくれる人がいっぱいいる」
  [テ] ダムインタビュー(69)魚本健人さんに聞く「若い人に問題解決のチャンスを与えてあげることが大事」
  [テ] ダムインタビュー(70)陣内孝雄さんに聞く「ダムが出来たら首都圏の奥座敷として 訪れる温泉場に再びなって欲しい」
  [テ] ダムインタビュー(71)濱口達男さんに聞く「ダムにはまだ可能性があっていろんな利用ができる」
  [テ] ダムインタビュー(72)長門 明さんに聞く「ダム技術の伝承は計画的に行わないと、いざ必要となった時に困る」
  [テ] ダムインタビュー(73)横塚尚志さんに聞く「治水の中でダムがどんな役割を果たしているか きちんと踏まえないと議論ができない」
  [テ] ダムインタビュー(74)岡本政明さんに聞く「ダムの効用を一般の人々に理解頂けるようにしたい」
  [テ] ダムインタビュー(75)柴田 功さんに聞く「技術者の理想像は“Cool Head Warm Heart”であれ」
  [テ] ダムインタビュー(76)山岸俊之さんに聞く「構造令は,ダム技術と法律の関係を理解するのに大いに役に立ちました」
  [テ] ダムインタビュー(77)毛涯卓郎さんに聞く「ダムを造る人達はその地域を最も愛する人達」
  [テ] ダムインタビュー(78)橋本コ昭氏に聞く「水は土地への従属性が非常に強い,それを利用させていただくという立場にいないと成り立たない」
  [テ] ダムインタビュー(79)藤野陽三先生に聞く「無駄と余裕は紙一重,必要な無駄を持つことで,社会として余裕が生まれると思います」
  [テ] ダムインタビュー(80)三本木健治さんに聞く「国土が法令を作り,法令が国土を作る −法律職としてのダムとの関わり−」
  [テ] ダムインタビュー(81)堀 和夫さんに聞く「問題があれば一人でしまいこまずに,記録を共有してお互いに相談し合う社会になってほしい」
  [テ] ダムインタビュー(82)佐藤信秋さんに聞く「国土を守っていくために, 良い資産,景観をしっかり残していくことが大事」
  [テ] ダムインタビュー(83)岡村 甫先生に聞く「教育は,人を育てるのではなく,人が育つことを助けることである」
  [テ] ダムインタビュー(84)原田讓二さんに聞く「体験して失敗を克復し, 自分の言葉で語れる技術を身につけてほしい」
  [テ] ダムインタビュー(85)甲村謙友さんに聞く「技術者も法律をしっかり知らないといけない,専門分野に閉じこもってはいけない」
  [テ] ダムインタビュー(86)前田又兵衞さんに聞く「M-Yミキサ開発と社会実装 〜多くの方々に支えられ発想を実現〜」
  [テ] ダムインタビュー(87)足立敏之氏に聞く「土木の人間は全体のコーディネーターを目指すべき」
  [テ] ダムインタビュー(88)門松 武氏に聞く「組織力を育てられる能力は個人の資質にあるから, そこを鍛えないといけない」
  [テ] ダムインタビュー(89)佐藤直良氏に聞く「失敗も多かったけどそこから学んだことも多かった」
  [テ] ダムインタビュー(90)小池俊雄氏に聞く「夢のようなダム操作をずっと研究してきました」
  [テ] ダムインタビュー(91)米谷 敏氏に聞く「土木の仕事の基本は 人との関係性を大事にすること」
  [テ] ダムインタビュー(92)渡辺和足氏に聞く「気象の凶暴化に対応して,既設ダムの有効活用, 再開発と合わせて新規ダムの議論も恐れずに」
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