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ダムインタビュー(19)
琉さんに聞く
「時々 "ダム王子" とか呼ばれちゃってますけど」

琉さんは、高校生の頃からお父様といっしょにダム巡りをされていて、ダムのホームページ「Dam Japan」も運営し、高校生のダムマニアと評判でした。現在は大学生になり、免許も取って愛車でせっせとダムを見て回られています。

また「熱中夜話」(NHK BS2)やトークライブにも出演されるなど、このところメディアなどへの露出も増えているようです。一方では、バンド活動もされているそうで、いわばビジュアル系?ダム好きさんです。

どんなきっかけでダム巡りを始めたのか、どういうダムがお好きなのかなど、ダムへのこだわりを伺ってみました。

(インタビュー・編集・文:中野、写真:廣池)



 
ダムとの出会いは…

中野: まずは、ダムとの出会いからお話を伺いたいと思います。
そもそも、どういうきっかけで、いつ頃からダムを好きになったのですか?

琉: そうですね。たぶん中学校の二、三年生とかです。

中野: 中学生の頃からですか。それはお父様の影響とかもあって?

琉: いえ、そうではありません。小さい頃から出好きで、キャンプに行ったりとかがすごく多くて、よくお盆とゴールデンウィークにはキャンプに行ってたんです。たぶん中学三年か二年くらいの時だったと思います。ゴールデンウィークに、キャンプに行っていたんですが、長野県の南部にある小渋(こしぶ)ダムの天端に車で行ったんです。小渋ダムの天端は、今は車は入れませんが、当時は入れました。まだカーナビとかついてなかったのでそこがダムとは知らずに行きました。ダムの天端で車から降りて、アーチダムの上から下を見て、びっくりしたんですね。人もいなくて怖さもあって、たぶんその衝撃みたいなものが記憶に残って、次の時には、もう一度あのダムをちゃんと見たいなという思いになったんだと思います。
それで、いろんなダムを旅行の時に見るようになって、そのうち旅行することよりもダムを見るのがだんだん増えてきて、ダムを見に行くのにキャンプするというようになったのが経緯だと思います。

中野: その時は、ダムのどういうところが気に入ったのですか?

琉: 人がいないところ、普通の観光地では味わえない、なんとも言えない寂しさがあるところでしょうか。

中野: 人里離れたところにある、そういうのに魅かれたというのでしょうか。

琉: 実は山の中にいる時は、あまり怖いとかは思わないのですが、そのダムを見たときはちょっと怖かったんですよ。その寂しい感じと相まって。巨大構造物だけど、人がいない寂しさというか。こういう大きな構造物なのになんでこう人っ気がないのかと、その怖さが妙に頭に残っているんです。

中野: 初めてダムを見たのは、小渋ダムだったのですか?


小渋ダム(撮影:Dam master)

琉: 初めてダムを見たのは稲核ダムとか奈川渡ダムとかのような気がします。そこも、車で道を通りながらダムを見ているんですが、ダムの上が国道でわりと賑やかで、真っ昼間だし、あんまり寂しいということもなくて、あーダムだ、大きいな、すごいなーという感じで終わってしまって。だから、自分の記憶に刻み込まれたダムというのは小渋ダムで、小渋ダムの方がインパクトがあったのですね。

中野: 見た位置も小渋ダムの方が良かったのかも知れませんね。

琉: それを見たのが夕方で、人っ気がもうなかったのと、空も暗くなり始めていたんです。子ども心にそういうちょっとした恐怖がスパイスになって記憶に残っているんですね。

友達にも言えない秘密

中野: 高校の頃は、お友達などはダムについてどう思っていたのでしょうか?
まわりにはダムの事を話す友達はいらしたのですか?

琉: いえ、全然いませんでした。昔はダムマニアでいることを隠していたんです。特にまわりの人、学校の友達とかでもごくごく親しい人にしか言わなくて。だから、そういう仲の良い人たちの間でも、若干の変人扱いでしたね。なんか、おまえダムが好きなの?という感じでね。そんなものが好きだなんて、おまえ変わっているなあ(笑)という感じでした。

中野: 友達に「ダムが好き」と言うと、ちょっと変人扱いされてしまったとか。

琉: ええ、今でも若干そうなんですけど。あの頃はわりと言ったんですよ、「ダムが好きだ」と。そうすると「えっ、ダム」と笑われましたよ。

中野: それは大学になってもですか?

琉: ええ、今でもけっこういろんな人に言っちゃうんですが、相変わらず笑われます。でも、もう慣れちゃったんで別に抵抗無くなっちゃいました。


中野: 今はダムマニアさんがけっこうおられますが、そういうお友達はいらっしゃっいますか?

琉: ダムマニアさんですか。いますよ。
いちばん仲が良いというか、いろいろやっているのは、あべべぇーさんと宮島さんですね。あべべぇーさんとは一緒にダムに行ったり、二人で行動することがいちばんありますね。

中野: あべべぇーさんは、以前インタビューでお話を伺ったことがあります。
藤野さんにインタビューさせて頂いた時、藤野さんが近くダムマニアさん達とオフ会に行くとおっしゃっていましたが、ダムマニア仲間でどこかのダムに行かれる計画があるんですか。

琉: ええ、今週末、大鳥ダムにいきます。
でも、あべべぇーさんはどうかな。来られるかどうか聞いてないです。
Naganoから始めたブログ

中野: ブログを拝見したのですが、高校生の時に最初はNaganoさんというハンドルネームでやっていらしたんですね。長野県のダムが好きだからという理由でしょうか。

琉: いえ、単に長野県が好きだったんですよ。長野県のダムがということではなくて、長野県自体が好きだったんです。ダムを好きになる少し前から使っていて、まだインターネットでの交流も少ない頃で、気の利いた名前も浮かばなかったので、もう長野でいいやということだったんです。

中野: ご自身のホームページは、現在、休止されているということですが、ダム便覧のテーマページに書かれたえてやんさんへの「伝言が・・・」という記事ですが、これはNaganoになっていて、高校生の時のハンドルネームだったんですね。

琉: ホームページが消えているのは、単なる間違いで消してしまっただけなんですが(笑)その当時は、Naganoで書いていたかも知れませんね。

三浦ダムのオフ会がダムマニアとの交流の始まり

中野: オフ会にもよく参加しておられるようですが、最初にオフ会に参加されたのは?

琉: 最初にダムに行くというオフ会に参加したのは三浦ダムに歩いていくという会ですね。たしか灰エースさんの企画」だったと…。その企画がすべての始まりだったと思います。

三浦ダムオフ会(撮影:琉)

同左

同左
中野: ダムマニアの方たちといっしょにダムに行っていろいろ交流をしはじめたきっかけということですね。

琉: そうですね。その時から始まっていますね。そのオフ会のメンバーは、今の面々とほとんど変わっていないと思います。今はちょっと増えていますが。

中野: それは誰かが、新しい人を連れてくるということですか。

琉: いや、それはダムマニアの掲示板とかで書き込みをして、じゃあオフ会しますとか、オフ会行きます?とか、そんなことでだんだん増えて来ていると思います。今はけっこう回数が多いので、参加者は二十人くらいかな。

中野: まったく知らない方同士で、ダムに興味をもっているという人でも参加できるということですか?

琉: そうですね。

中野: だいたいオフ会というのは、泊まりで行くのですか?

琉: いえ、決まりはありません。泊まるのは、夜の飲み会がしたいからというのもあるんですね。

中野: だいたい一回のオフ会で二、三ヶ所のダムを見るとか?

琉: それはもうまったく会によりけりです。普通はだいたい二ヶ所か三ヶ所かのダムを見ますね。

これまでに200基くらいは行った

中野: これまでに巡ったダムについては、どのくらいの数になりますか?

琉: だいたい200基くらいは行きましたね。
ホームページに載せてるのだけで150基とかですから、実質200基くらいは行っていると思いますが。

中野: どの方面が多いとかありますか?

琉: 場所はけっこうバラけてますね。北は青森までは行きました。東日本でダムに行っていないのは千葉県と神奈川県ですね。あとはほとんど行きました。静岡県も山梨県も行きました。宮島さんは近場から攻めていく感じで、時々、「ヤバイ近場でもう行くところがないよ」とか言われてますが、私は、バラバラに遠いところから回っているんで、数が多いのかもしれません。

中野: どこのダムが良いとかありますか。あるいは地域で好きなところとか。

琉: 東北のダムは、わりとマニア向けの物件が多いという印象です。すごく整備されているダムというのは少なくて、人があまりいなかったり、素朴なんですね。関東のダムはPR活動が盛んですが、東北のダムはどちらかというとPRが少ないと思いますね。

隠れダムマニアはたくさんいるはず

中野: ブログで井川ダムをアップした時にアクセスが殺到したということですが。

琉: それは、古い話で、高校一年生の時ですね。その頃はもうダム巡りを始めていましたね。

中野: 記事にダムを載せて、その頃でももう見ている人がいたという事ですか。

琉: ブログの検索ワードというのがあるんですが、そのひっかかりがあって、どこでひっかかっているか詳しくはわからないのですが、時々、なんか突拍子もないワードで検索されていたんです。井川ダムというのは、けっこう検索されているので、いろんな人から注目されていたのでしょうね。

中野: けっこうダムに興味のある人がいるということですね。

琉: そうですね。隠れダムマニアというのもすごい多いと思うんですよ。宮島さんのサイトのアクセス数をみてるとダムに興味がある人がけっこういることが分かるんですけど、でも、私たちのようにサイトを作ってまで、というダムマニアはわりと少ないんです。

中野: ダムナイトとかそういうイベントも、一般の人がたくさん参加してますね。

琉: そうですね。今はにわかダムマニアというのも多いと思います。



 
大学生になってダム巡りの機会が減った

中野: 今はどのくらいのペースでダムを回ってらっしゃいますか。

琉: 昔よりずいぶん減りました。一回ダムに行くと10基とかは見てきますが、今は見に行く機会が減っちゃったんですね。

中野: 大学に行くようになって高校生より忙しくなったという事ですか。



琉: ダムというよりほかの予定が忙しくなって。昔はもう毎週末がヒマだということがあったのに、今はそれがなくなってしまって、アルバイトしたりとか友達と遊ぶとか、週末の予定が増えたんですね。
でも、ゴールデンウィークとか年末年始とか長い休みがあるとダムに行きますね。

中野: 琉さんのブログにダム年鑑を大学の図書館で見つけたということが載ってましたね。

琉: ええ、2008年版だったか2009年版だったか、新しいのがりました。大学の工学部の図書館には定期的に入れていると思うんです。
中野: ご自身の学部は?

琉: 人間環境学部なんです。工学部ではないんです。
学校は、中学、高校、大学とエスカレータ式で行ける学校なんです。だから大学は決まっていたので、どの学部に行くかというのを考えた時に、経済とかも興味がないし、工学部も理系じゃないし、法律もあんまりだから、人間環境学部という事で。その中の学科でデザインに興味があったのでその関係にしました。

中野: ダムを見る時に役立ちますか。

琉: ええ、建築物がどう作られるかを習うので、ダム巡りについても、豆知識みたいな感じで入っていきますね。

父もダム好きに

中野: 大学生になって、ダム巡りの内容は高校生の頃とは違ってきてますか。楽しさとか。変わってきたとかありますか、自分で好きなとこを見たいとか。

琉: 昔からどこに行きたいか、例えば今年のお盆はこの辺りにキャンプに行くというように自分で計画して決めていました。キャンプ場でテントを張ってこのダムを見に行くとか、自分で決めていたんですよ。

中野: それをお父さまにお話しされてご一緒にということですか?

琉: そうなんですよ。父は君が決めなさいという方だったので。言いようによっては、父が運転手のようになっていたんですね。もともとドライブが好きだったので、行きたい目的地があるんだったら自分で決めてきてということだったみたいですね。

中野: お父さまはもともとダムが好きでいらしたのですか?

琉: そうではなかったのですが、結局は好きになっていましたね。ドライブ好きだったのですが、一緒にダムを見ているうちにけっこう好きになりましたね。父は理系で建築のこともやっていたので興味はあるみたいですね。



 
小さなコンクリートダムの寂しさが好き

中野: ダムのどういう部分が好きなんですか。

琉: 例えば、ロックフィルダムだと、堤体すべてという感じでしょうか。あの堤体自身。石が積み上げられている、なんとも形容しがたい不思議な感じが好きなんですよね。で、ロックフィルじゃなくて、コンクリートアーチダムになると、キャットウォークが好きですね。
重力式ダムだと、ココフェチというような細かいところはないんですが、全体的に形として好きです。種類としてはアーチ式が好きなんですね。

中野: 宮島さんはロックフィルダムが好きとおしゃってましたが、琉さんは…。

琉: 自分はアーチ派ですね。それと多分自分は変わった派です。大きくて賑やかなダムももちろん良いのですが、けっこう小さいダムが好きなんです。小さい、堤高が17m、ギリギリダムだよみたいな。それでコンクリートだとなお良いです。小さくて、50mにもいかないような。寂しさが良いんです。もの寂しい感じというか、真っ昼間なのに誰もいないという感じですね。

記憶が色褪せないように

中野: 「ダムの巡り方」のコツというものは、ありますか?ダムに行くならここを押さえておかないといけないというポイントがあれば教えてください。

琉: ポイントというか、ダム巡りでいつも忘れないことは、撮れそうなアングルからは全部写真を撮っておくということです。
なるべく、いろんなアングルからダムを見られるように。撮れるようにと。ちょこまか動き回りますね。だから、小さいダムでも意外に時間はかかるんですよ。

中野: 写真を撮るのが目的としてダムに行かれるのですか。

琉: それもあります。写真は何か将来使おうとかとくに考えないで、ただ好きで撮っているんです。自分の中の思い出、記憶が色褪せないようにしておくということで、写真を撮って記録に残しています。

中野: 好きなダムには何度も行かれますか。

琉: 同じダムにけっこう行きますね。
小渋ダムは二回くらい行ってます。あと井川ダムも三、四回か。畑薙第一ダムなどは、三回連続で行ったこともありましたね。そうすると違う発見があったりしますね。


畑薙第一ダム(撮影:さんちゃん)
中野: それは見落としがあったりするからですか。

琉: 一回行ったからいいやというんじゃなくて。もう一回行ってみると、それはそれで面白いですよ。

いかにきれいに見せるか


第4回(財)日本ダム協会ホームページ写真コンテスト 最優秀賞をとった作品
「撮ル、撮ラレル。」(川治ダム)

中野: 撮られた写真をダムフォトコンテストへ何枚も応募もされいますが…。ブログでは、たくさん出したのに落ちてばかりと書いてありましたが?

琉: 写真はどれも良いと思うので絞れないですね。自分の可愛い作品たちがいっぱいあって。以前は入選したり、優秀賞も戴きましたが、最近は落選続きです。今まで以上にダム写真の作品のレベルが上がっていて、見ただけでオッというようなのが増えましたからね。

中野: 撮影のこだわりというのは、例えば必ずナナメから撮るとか、そういうのはありますか?

琉: そうですね。変なアングルから撮るとか、証明写真のようにパシャと撮るとかではなく、いかにしてきれいに撮るかです。写真がきれいというのではなくて、ダムをいかにきれいに見せるかというように、例えば人物写真のようにどう撮ればいちばんきれいに映えて見えるかを考えながら撮っていますね。

中野: 今までのベストショットというのはどこになりますか?
琉: ベストショットですか。三国川ダムの雪の景色は、わりときれいに撮れたと思いますね。


三国川ダム(撮影:琉)
中野: ダムを撮るのに良い季節はありますか?好きな季節とか。

琉: 秋ですね。撮っていてきれいだと思ったのは、三国川ダムの紅葉の景色とか。秋の朝の、7時か8時頃でしょうか。空気が澄んでて、山も色づいていて遠くの方の越後三山とかも見えて、ちょっとそこに雪が見えていて、そういうのがすごくきれいで自分としてもけっこうお気に入りです。景色としてもすごい好きです。ああいうのはまた出会いたいなと思いますね。

三国川ダム(撮影:琉)

同左
中野: スキーとか、そういう旅行に行ったときもダムに行きますか?

琉: ええ、だいたい旅行に行ったらダムにも行きますね。地図にダムがあるともう少し走ればここのダムにも行けるじゃないかと思ったりします。ほっとけない!近くに行ったときには必ずダムは見ていますね。

中野: ダムカードの収集もされてますか?

琉: 一応、集めてはいますが、なぜかあまりやっきにはなっていませんね。みんながすごいいっぱい集めているんですけど、あまりそれに関係なくダム巡りをしてますね。ダムカードが出たからそこに行くみたいなのはないですね。

時間が経つのも忘れるくらい、トークライブは面白い

中野: ダムについて、テレビへの出演とかトークライブに出られてとか、そういう人前で話すというのはどんな感じでしょうか?下調べなども大変そうですし。

琉: トークライブは楽しいですよ。テレビではあんまり言いたいことが思い通りに伝えられない。たぶん宮島さんも同じようなことを話されていたかも知れないと思いますが、テレビは時間が限られて、しゃべったことが切ったり貼ったりで、局の意向次第になってしまったり、伝えたいことが100%伝えきれないというふうになっちゃうんですよ。それを考えるとトークライブに出た方が楽しいし、面白い。テレビだとけっこう断片的な情報になってしまうので誤解も生じやすいし、ダムナイトのようなトークライブの方がナマで伝えたいことが伝えられるので、自分はああいう形式のモノが好きですね。

中野: ダムナイトには続けて出られていますよね。最初に声を掛けたのは萩原さんですか?

琉: そうです。それで出てみない?と声を掛けたらみんな出ちゃって、あれは多すぎましたね。最初のダムナイトの時は6〜7人くらいいたのかな。最後の人まで時間がなくなって話し足らなかった。もう少し絞って2〜3人で良かったという風に皆で話していました(笑)。
けっこう時間がたつのが早くて、あっという間に一時間なんか経ってしまって、自分はまだまだ話し方がヘタだなと思いました。プレゼンテーションのやり方とかも詰めなくてはと思います。
2回目の今回は会場の方からのオファーがギリギリでしたが、みんな、ああいうイベントは大変だけど楽しいと言ってました。みんなダムが好きなんですよね。誰かの日記に書いてあったのですが、「琉くんの天然ぷりが楽しい」とか書いてあって、私はそんなに天然か?と。ねらっていないのに、あのボケッぷりとか言われてしまって、自分ではそんなにボケてはいないけどなぁと思ったりして。


ダムナイト(2009年5月5日)

同上、左端が琉さん
中野: ダムナイトに出られて反響はどうでしたか?

琉: ありましたね。前回のボケッぷりが面白かったらしくて、あべべぇーさんが、おれは今回はいいや、君が出たら絶対萩原さんとの掛け合いが面白いから、君は出たらいいよなんて言われて。

中野: ああいう席では、たしかにみんなが同じくらいの強さでワッーというと疲れるのかも知れませんね。

琉: なんか、7〜8人というのは、意見を言うには数が多すぎましたね。


中野: ダムナイトに、最初に出た時、雑誌にも紹介されたんですよね。

琉: そうですね。「ファミ通」とかですね。

中野: 他に「プレイボーイ」にも紹介されたとか?

琉: そういえば、高校生の時にダムマニアのオフ会があるので、それについていったら取材があって、初のメディア露出なんでしょうが、写真なんかは後ろ姿だけでした。それで当時のホームページへのアクセスが急増して、面白いもの見たさでしょうか。


ビジュアル系のダム好きさん?

中野: 琉さんは初のビジュアル系のダム好きさんですからね。

琉: うーん、微妙です。友達がBS熱中夜話に出てたのを見たらしいんですが、その時の放送で、びびる大木さんが僕のことを「ダム王子」とか言ったんですね。

それ以降友達には時々「ダム王子」とか呼ばれちゃってますけどね。

中野: 音楽もやっていて、バンド活動もおやりになっているんですよね。

琉: ええ、やってますけど。それは別ですね。


 
一般の人にもダムのことをちゃんと知って欲しい

中野: ダムの将来像、ダム好きとして考えることは、何かありますか?ダムマニアの人たちはダムのことを良く知っておられますが、ダムは一般にはあまり良いイメージで受けとめられていない面もあります。なにか思うことがあればお聞かせください。

琉: やはり、正しいことをちゃんと知ってもらうことが大事じゃないかと思います。ダムって一般の人にとっては、行かないと見えないこともあって、なんか、知ってるようで知らない存在じゃないかなと思います。それに取りざたされる時って、悪いことで取り上げられる、例えばダム建設の談合でどうのこうのとか、悪い方のイメージがつきやすくて、前に萩原さんがダムナイトでやった時みたいにいろんな人にダムの絵を描いてもらったら、アーチの形が逆だったりとか、ダムの形すらも漠然としてて知られていないですよね。みんなすごい浅い知識しかなくて、もう少し正しい知識があればと思いますね。マスコミもなんでダムを叩くことからしか始めないのかと思いますけどね。とりあえず叩くことからしか始まらないのは、どうしてかなと?何かあると悪いことしかなくて、良いことをしてても何も褒めてくれないのはどうかと思います。

やっぱり、ダムがなかったらもっと大変なことになっていたのではないかというのを知ってもらいたいですね。ダムを造るというと、自然破壊にしかならないとか、お金がどうのとか、あまり良いイメージがないのですが、なんでもう少しそういうイメージが変えられないかとは思います。ダムが好きなものですから。

普通の人にはわからないパンフをなんとかしないと

中野: ダムの正確な知識が伝わっていないと言うことでしょうか?

琉: 一般の人にどう見せていくかですね。ダムの資料ってダムに行って見せてもらうと、小学生向けに作られたような資料か、逆にやたらに詳しい技術資料のようなものしかないんですね。普通の人向けに作られたというか、良い意味で要約された資料というかそういうのがなくて、貯水量が何万何千立方メートルとかで、警報装置がどこにあるとか、そういうことが書いてあって。それも良いとは思いますが、もう少し普通の人向けのパンフレットとかがあればと思います。
まれに置いてある所もありますが、全体的にそういうものがないですね。簡単なのは、すごい簡単で小学生が見るみたいなもので、あとは技術的過ぎるというか。普通の人が持って帰りにくいです。ダムの現場でも案内板とか読んでも、あまり長いとスルーしちゃうんです。目の前にダムという大きい構造物があるので読まないんですね。だから、もっとわかりやすくアピールする方法を考えないといけないですね。

中野: ダムナイトの時もそういう声がありましたね。注意書きもただ見たらわからないようなね。

琉: 作った人がわかるようなものでなくて、何も知らない人が見てもわかるようにしないとね。

中野: 普通の人向けにというのも難しいですね。

琉: 中の人と外の人とのギャップが大きいと思いますね。例えば、天端(てんば)と言われても、何が天端なのか、その言葉自体が普通の人には意味がわからないですよね。

中野: 専門用語が多すぎて、そこで引っ掛かってしまうとまずそこから進めない、という事でしょうか。

琉: 簡単にダムの解説するのではなく、まず[天端]の意味を解説して、[洪水吐き]の説明をして、それから[キャットウォーク]の説明をして、というようになってしまう。
キャットウォークなんかは割と初心者用語じゃないですか、こういうものの説明から入るということ自体がもう、中の人の意識になっているように思えてならないですね。

そういう言葉を使うというのが、外の人から見たらちょっと違いがあるのかなと。だからパンフレットももう少し工夫があってもいいかなと思います。わかりやすくすると極端になってしまって、すごく平仮名が多い小学生レベルになってしまう。もう少し普通のレベルの意識を考えるということを大事にしないと。
大人向けは専門家とかダムマニアにならないとわからないようなものですし、あとは小学校の調べもの向けのページとかになってしまって、両極端になっているように感じますね。

中野: そうですね、パンフも難しいのとそうでもないのと両極端ですね。

ダムへの道案内もヘタ

琉: ダムがどこにあるのか、ダムへの道案内もヘタじゃないかとよく思いますね。そこのダムに行こうと思っても地図がないと行けないことがほとんどなので、国道の入り口などで、ダムへの案内があるのは良いのですが、あるところから先の案内をしてくれないのがあってなかなか行き着けないことがあります。

中野: 車にナビゲーションシステムがないと行き着けない?

琉: ナビがないとというか地図を見ないと行けないですね。たぶん、案内看板だけを見て行き着けるダムって少ないですよ。最近はわりと見られることに力を入れてきたので、変わってきたとは思うんですが、まだそう多くはないですね。

中野: 一般の人がわかるような言葉で、目線を合わせていくというようなことですか?

琉: そうですね、専門家的というか、理系の方の考え方が多いのか、アピールの方法も時々ちょっとズレているぞと思うような事もあって、一般の人に説明しているのに、ちょいちょい専門用語がでてきて、もう少し一般の方の感覚を理解すれば良いのですが…。
要はプレゼンテーションというか、ダムの看板にしても、こう写真があって、いろいろ書いてあって、降水量、貯水量がどうのとかだけ書かれていてもわからないじゃないですか。パッと見て簡単に内容が伝えられるような、難しいですけどそういう内容にしていければいいなと思いますね。

中野: なるほど、すぐにできそうなものとそうではないものとありますが、大切なことですね。貴重なご意見をどうもありがとうございました。




(参考)琉さん 活動年表

200405/25 ヒガシニホンキコウ設立
 Dam Japanはその中のいちコンテンツとして開始
06/15 Dam Web Ringに参加
08/15 初のオフ会となる三浦ダムオフに参加
11/18 ヒガシニホンキコウから独立
200512/29 掲載基数が100基を迎える
200804/19 東京カルチャーカルチャーで開催された
 「ダムナイト 〜大堰会(だいえんかい)〜」に出演
200905/05 東京カルチャーカルチャーで開催された
 「ダムナイト!!〜ゴールデンウィークにお台場でダム!!」に出演

[関連ダム]  小渋ダム  三浦ダム
(平成21年9月作成)
ご意見、ご感想、情報提供などがございましたら、 までお願いします。
【 関連する 「このごろ」「テーマページ」】

 (ダムインタビュー)
  [テ] ダムインタビュー(1)萩原雅紀さんに聞く「宮ヶ瀬ダムのインパクトがすべての始まり」
  [テ] ダムインタビュー(2)宮島咲さんに聞く「ダム好き仲間とOFF会に行くのが楽しい」
  [テ] ダムインタビュー(3)灰エースさんに聞く「ダムだから悪いという書き方はおかしい」
  [テ] ダムインタビュー(4)川崎秀明さんに聞く「ダムファンがいるからプロもやる気になる」
  [テ] ダムインタビュー(5)高田悦久さんに聞く「ダム現場では行動することが一番大事だ」
  [テ] ダムインタビュー(7)takaneさんに聞く「ダムの管理をしている人がブログを立ち上げてくれたら、僕読みますよ」
  [テ] ダムインタビュー(6)さんちゃんに聞く「ベストショットは川口ダムの夜景です」
  [テ] ダムインタビュー(8)土木写真家・西山芳一さんに聞く「いい写真は努力や熱意が伝わってくる」
  [テ] ダムインタビュー(9)Dam masterさんに聞く「機能と造形と自然の組み合わせが面白い」
  [テ] ダムインタビュー(10)水資源機構・金山明広さんに聞く「地元、ダムマニア、ダム管理事務所がコラボレーションできれば」
  [テ] ダムインタビュー(11)古賀河川図書館館長・古賀邦雄さんに聞く「将来は1万冊を目標にしようという気持ちでいます」
  [テ] ダムインタビュー(12)中村靖治さんに聞く「ダムづくりの基本は、""使いやすいダム""を設計するということです」
  [テ] ダムインタビュー(13)江守敦史さんに聞く「ダムについて何時間も語れる萩原さん。彼と本質を突き詰めたからこそ、面白い本になりました」
  [テ] ダムインタビュー(14)藤野浩一さんに聞く「欧米では水力を含む再生可能エネルギーの開発に重点を置いています」
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  [テ] ダムインタビュー(16)石川順さんに聞く「ふと閃いたのがダムだったんです。」
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  [テ] ダムインタビュー(23)竹林征三さんに聞く「ダムによらない治水と言うが、堤防を強化して首都圏の大都市を守れるのか」
  [テ] ダムインタビュー(24)高橋裕先生に聞く「公共事業を軽んずる国の将来が危ない」
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  [テ] ダムインタビュー(26)竹村公太郎さんに聞く「未来を見通したインフラ整備が大事で、ダムの役目はまだまだ大きいですよ」
  [テ] ダムインタビュー(27)虫明功臣先生に聞く「八ッ場ダムは利根川の治水・利水上必要不可欠」
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  [テ] ダムインタビュー(29)萃香さんに聞く「ダムの魅力を引き出せるような写真を撮って公開していきたい」
  [テ] ダムインタビュー(30)樋口明彦先生に聞く「ひっそりと自然の中に佇むようなダムが美しい、とスペインの名もないダムを見て気づいた」
  [テ] ダムインタビュー(31)宮村 忠先生に聞く「これからは‘線’ではなく‘点’で勝負すべきだ」
  [テ] ダムインタビュー(32)土屋信行さんに聞く「きちんとやるべきことと、そうでないことの本当の仕分けが今こそ必要ではないか」
  [テ] ダムインタビュー(33)沖大幹先生に聞く「ダムは造りすぎではなく最低限の備えが出来た段階だ」
  [テ] ダムインタビュー(34)阪田憲次先生に聞く「技術者には""想定外を想定する想像力""が求められている」
  [テ] ダムインタビュー(35)谷茂さんに聞く「これからは少しゆっくりと環境に負荷を与えないかたちでダムを造る方法もあるのではないか」
  [テ] ダムインタビュー(36)大藪勝美さんに聞く「インフラの重要性をもっと多くの人に知ってもらいたい」
  [テ] ダムインタビュー(37)武田元秀さんに聞く「四十年来の思いが叶い、『ダムと鉄道』にまつわる話を出版することができました」
  [テ] ダムインタビュー(38)山内 彪さんに聞く「若い人は、ダムを糧として立派な総合技術者として育っていって欲しい」
  [テ] ダムインタビュー(39)角哲也先生に聞く「ダムのアセットマネジメントの話をするときに何か目標がいる、千年ではどうかと」
  [テ] ダムインタビュー(40)唐澤一寛さんに聞く「人にものを頼もうとする時は、こちらも誠意をもって付き合わなければいけない」
  [テ] ダムインタビュー(41)糸林芳彦さんに聞く「今は新規のダム計画がなくとも、ダム技術は常に磨いておくべき。いずれ時代の要請に応える日が来るから。」
  [テ] ダムインタビュー(42)今村瑞穂さんに聞く「ダム操作の定式化と現場適用性の向上は車の両輪」
  [テ] ダムインタビュー(43)本庄正史さんに聞く「ダムの海外展開は、現地社会に貢献するという、貢献がキーワードだと思います」
  [テ] ダムインタビュー(44)石田哲也先生に聞く「何か起きたときのリスクのあるシナリオをきちんと一般の人に伝えていかないと」
  [テ] ダムインタビュー(45)古川勝三さんに聞く「今こそ、公に尽くす人間が尊敬される国づくり=教育が求められている」
  [テ] ダムインタビュー(46)入江洋樹さんに聞く「水を大切にするという日本人の心の原点を守り、継承していけば1000年先もダムは残っていく」
  [テ] ダムインタビュー(47)島谷幸宏先生に聞く「設計をする時に環境設計と治水設計を一体的にすることが一番重要なのです」
  [テ] ダムインタビュー(48)吉津洋一さんに聞く「先人から受け継いだ素晴らしい‘くろよん’をしっかり守り、引き継いでいきたい」
  [テ] ダムインタビュー(49)足立紀尚先生に聞く「ダムの基礎の大規模岩盤試験を実施したのは黒部ダムが最初でした」
  [テ] ダムインタビュー(50)山口温朗さんに聞く「徳山ダムの仕事はまさに地図にも、私の記憶にも残る仕事となりました」
  [テ] ダムインタビュー(51)安部塁さんに聞く「新しい情報を得たらレポートにまとめてダム便覧に寄稿しています」
  [テ] ダムインタビュー(52)長瀧重義先生に聞く「土木技術は地球の医学、土木技術者は地球の医者である」
  [テ] ダムインタビュー(53)大田弘さんに聞く「くろよんは、誇りをもって心がひとつになって、試練を克服した」
  [テ] ダムインタビュー(54)大町達夫先生に聞く「ダム技術は、国土強靱化にも大きく寄与できると思います」
  [テ] ダムインタビュー(55)廣瀬利雄さんに聞く「なんとしても突破しようと強く想うことが出発点になる」
  [テ] ダムインタビュー(56)近藤徹さんに聞く「受け入れる人、反対する人、あらゆる人と話し合うことでダム建設は進められる」
  [テ] ダムインタビュー(57)小原好一さんに聞く「ダムから全てを学び、それを経営に活かす」
  [テ] ダムインタビュー(58)坂本忠彦さんに聞く「長いダム生活一番の思い出はプレキャスト型枠を提案して標準工法になったこと」
  [テ] ダムインタビュー(59)青山俊樹さんに聞く「相手を説得するのではなく、相手がどう考えているのかを聞くことに徹すれば、自然に道は開けてくる」
  [テ] ダムインタビュー(60)中川博次先生に聞く「世の中にどれだけ自分が貢献できるかという志が大事」
  [テ] ダムインタビュー(61)田代民治さんに聞く「考える要素がたくさんあるのがダム工事の魅力」
  [テ] ダムインタビュー(62)ダムマンガ作者・井上よしひささんに聞く「ダム巡りのストーリーを現実に即して描いていきたい」
  [テ] ダムインタビュー(63)太田秀樹先生に聞く「実際の現場の山や土がどう動いているのかが知りたい」
  [テ] ダムインタビュー(64)工藤睦信さんに聞く「ダム現場の経験は経営にも随分と役立ったと思います」
  [テ] ダムインタビュー(65)羽賀翔一さんに聞く「『ダムの日』を通じてダムに興味をもってくれる人が増えたら嬉しい」
  [テ] ダムインタビュー(67)長谷川高士先生に聞く『「保全工学」で、現在あるダム工学の体系をまとめ直したいと思っています』
  [テ] ダムインタビュー(66)神馬シンさんに聞く「Webサイト上ではいろんなダムを紹介する百科事典的な感じにしたい」
  [テ] ダムインタビュー(68)星野夕陽さんに聞く「正しい情報を流すと、反応してくれる人がいっぱいいる」
  [テ] ダムインタビュー(69)魚本健人さんに聞く「若い人に問題解決のチャンスを与えてあげることが大事」
  [テ] ダムインタビュー(70)陣内孝雄さんに聞く「ダムが出来たら首都圏の奥座敷として 訪れる温泉場に再びなって欲しい」
  [テ] ダムインタビュー(71)濱口達男さんに聞く「ダムにはまだ可能性があっていろんな利用ができる」
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